マッチングリスク意識って?ユーザーの不安を取り除いて「選ばれる」商品やサービスを目指す5手法
初めて購入する商品(サービス)を手に取る時や初めて利用する際など、満足のいく結果を得られるのか考えてしまうことは誰にでもある心理状態です。
企業は、ユーザーの不安を取り除けるような情報を発信することで、悩みを解消でき自社の商品やサービスを選択したもらえるようになります。
今回は、ユーザーが商品やサービスなどに対して代金を支払う際に感じる不安や心配などを総称した「マッチングリスク意識」についてご紹介します。
マッチングリスク意識を減少させてコンバージョンへつなげるための手段5つもあわせてご紹介しています。
マッチングリスク意識とは
マッチングリスク意識とは、ユーザーが商品やサービスを購入する際に考慮する購入後のリスクをのことを指します。
このリスクは購入を踏みとどまらせる要因の1つとなるため、マーケティングにおいてはこのマッチングリスク意識をどのようにして減らしていくかが重要です。
マッチングリスク意識はどのような価格帯の商品であっても存在します。
数百円、数千円の商品であっても、多くのユーザーが購入前に必ずリスクについて考慮します。
洗剤や洋服、食料品など、特にこれまで購入したことのない商品などの購入を検討する際「この商品が自分に合わなかったらどうしよう」「失敗したらどうしよう」ということが頭をよぎる経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
もちろん、値段が高くなればなるほどマッチングリスク意識は大きくなります。例えば、車や家の購入は、数百円のお菓子を購入する際よりも慎重に検討するはずです。
このように、特に大きい価格帯の商品・サービスこそ、マッチングリスク意識の軽減策は必須です。
マッチングリスク意識を減少させる5つの手法
1.時間をかけて営業する
BtoBの営業などで商品やサービスを購入してもらえるように働きかける場合、大切なことはユーザーとの信頼関係を築くことです。
商品が高い金額になればなるほど、ユーザーは購入に対して慎重になります。また、BtoB系のビジネスは検討期間が長くなる傾向があります。
丁寧に説明を行うと同時にニーズをしっかりと聞くことで信頼関係が構築が進み、失敗しない商品購入をしてもらうことができます。
また、ユーザーが「この買い物は正解だった!」と思うことができれば、売り手に対する信頼が高まり、次回以降も自社を利用してくれる可能性が高まります。
ユーザーとの信頼関係を構築して長期にわたって利益をもたらしてくれるロイヤルカスタマーに育成するためにも、目先の利益だけを求めるのではなく、ユーザーのライフタイムバリュー(LTV)を考えて営業を行いましょう。
2.第三者のレビューを用いる
どれだけ企業が商品のアピールをしたとしても、買い手であるユーザーは「売りたいから声高に言っているだけなのでは?」とさらに疑いを強めてしまう場合もあります。
そこで有効なのが第三者によるレビューです。
商品の購入画面にご段階評価によるレビュー欄やコメント欄などを設けることで、より多くの情報を集めることができます。
マッチングリスク意識を減らすのに有効な方法のひとつが、より多くの角度からの情報を提示することです。
企業側から発信する情報だけでなく、ユーザーからも情報を提供してもらうことで、購入を検討している方に多くの判断材料を提示することができます。
参考:
Airbnb、クロックス、モスバーガーなど国内外の大手企業もマーケティング施策に活用!「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」とは? |ferret [フェレット]
3.試供品、無料お試しサービスを設ける
Webサービスやスマートフォンのアプリなどでよく用いられる手法です。サービスに対していきなり課金することは、ユーザーにとって大きなハードルです。
そこでまずは無料版をインストールしてもらい、気に入れば課金をするといったビジネスモデル(フリーミアムモデル)を用いることで、心理的なハードルを下げることができます。
無料の段階でユーザーに「使い勝手のよいツールだ」「便利なサービスだ」と思わせることが購入につなげてもらえるポイントです。
よりコンバージョン率をアップするなら、例えばあるツールの販促であればすべての機能を開放するのではなく、ツールの中でもユーザーが思わず課金してでも使ってみたくなるような便利な機能に関しては情報を公開するのみにとどめておき、購入に至った際に開放する、などの手法もあります。
参考:
Slackの成功事例から学ぶ、フリーミアムモデルの収益化のヒント|ferret [フェレット]
4.返金・返品保障サービスをつける
購入前にハードルを下げるための施策が試供品、お試しサービスであるのに対し、こちらは購入後のリスクを減らすための手法です。
こちらは高い商品・サービスである場合に特に有効で「商品購入に失敗したくない」と思うユーザーに対して効果があります。
返金・返品保証に限らず、商品購入前、購入後にサポートをする施策はマッチングリスク意識の軽減に効果的です。ユーザーの商品購入の心理的ハードルを下げるだけでなく、企業に対するイメージの向上、信頼の獲得につながります。
企業に対する信頼を得ることができれば、それだけでマッチングリスク意識の大部分をなくすことができます。「信頼している企業の商品なら大丈夫」という心理状態にさせることができるからです。
また、人には手に入れたモノに対し入手する前よりも価値を感じる「保有効果」という心理があります。
一度手にしたモノを手放すことを避ける傾向にあるため、返金や返品の保証制度を設けて購入のハードルを下げたとしても意外に返品されることは多くありません。
5.購入後のアフターサービスを充実させる
例えば、車やパソコン、大型家電などを購入する際「◯年間の保証つき」などを目にしたことはないでしょうか。
どの程度の保証に設定するかは販売金額や商品、サービスの性質などによって大きく変動しますが、商品やサービスに対して支払う額が高額であればあるほど、長期保証をつけることでユーザーに安心感を与えることができます。
また、高額商品や高額サービスでなくても、例えばオススメの食べ方や使い方などを紹介している購入会員限定コンテンツを発信したり、購入後にトラブルが起きたり使用方法などがわからなくなったりなどの際に問い合わせができるフォームを用意しておくなど、ユーザーが値段以上の価値を感じられるようなアフターサービスを用意することも大切です。
まとめ
マッチングリスク意識は生活をしている中で誰もが感じることですが、商品やサービスを提供する側なのであれば改めて言語化し、ユーザーが感じる不安や懸念点などをどのように解消していくのか検討することで、よりユーザーに寄り添った「選ばれる」商品やサービス、企業へと成長します。
ユーザーの不安や懸念点などに日々意識を向けることで、新たな商品やサービスの企画案が浮かんだり最適なプロモーション施策を検討することができたりと、購入してもらうだけにとどまらない効果を得ることも可能です。
裏を返せば、ただ販売するだけでマッチングリスク意識を特に意識しなかった場合は、ユーザーがなにを求めているのかを把握しにくくなるため、販売実績はもちろん、新たな企画案やプロモーション案の発案などにおいても望む結果を得られない可能性があります。
ユーザー目線を意識しておけば、マッチングリスク意識についてそれほど難しく考えることはありません。
商品やサービスなどを提供している側として、自社がユーザーのことをほんとうに考えられているのかを振り返るためにも「マッチングリスク意識」に目を向けてみることをオススメします。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- BtoB
- BtoBとは、Business to Businessの略で、企業間での取引のことをいいます。
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- LTV
- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
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