今回記事を執筆することになりました、サポートチームのためのフォーム作成ツール「formrun(フォームラン)」のプロダクトオーナーを務めている甲斐と申します。

みなさん、「インフルエンサーマーケティング」という言葉をご存知でしょうか?

社会に対して大きな影響力を持つ人物を起用し、ユーザーと企業をつなぐマーケティング手法として、近年注目が高まっているキーワードです。

しかし、まだ概念が普及して間もないマーケティング手法ということもあり、企業サイドとしては上手く活用できていない現状があります。

今回は、インフルエンサーマーケティングに取り組み、SNSマーケティングを支援する4社合同で開催された「20代マーケターが本音で語る!今とこれからのSNSマーケティングについて」をテーマとしたセッションをレポートします。

登壇者紹介

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パネラー

戸高 純(株式会社N.D.Promotion)

女性メディア「Nomdeplume 」の立ち上げ及びマネタイズを担当し、大手ナショナルクライアントなど向けに新規顧客を多数開拓。直近では胸きゅんTwitterドラマ「とけないで、サマー」をプロデュースするなど、ミレニアル世代に向けた広告商品の開発なども行っている。

金濱 壮史(アライドアーキテクツ株式会社)

SNSマーケティングプランナーとしてエンタメ、金融、官公庁をはじめとした大手顧客のSNS戦略を支援。また、大学での講演や業界専門誌への寄稿等で、Instagram、インフルエンサーについての最新ノウハウを発信。共著に「いちばんやさしいInstagramマーケティングの教科書」(2016)

小東 真人(株式会社ガイアックス)

オウンドメディア『ソーシャルメディアラボ』の現編集長を務め、FacebookやPinterestなど大手媒体社への取材多数。扶桑社やブティック社など紙・ウェブ問わず記事寄稿も行う。またSNSコンサルタントとして食品メーカーから不動産、スポーツ団体など幅広く担当する。

モデレーター

福間 昌大(テテマーチ株式会社)

テテマーチ株式会社SNS戦略室室長。アパレルメーカー・イベント・観光業界の企業に対し、SNSマーケティング・若年層マーケティング等の企画・戦略立案を行う。社内で、自社のSNS発信強化の取り組みを行う他、個人では若手マーケターの交流イベントの企画を実施している。

Twitterは「アカウント」でなく「人」起点の施策を

福間 氏:
このセミナーではTwitterで随時質問を募集し、それに答える形式で進めていきます。まず、「Webメディアで懸賞をフックとしたTwitterアカウントを作成し、フォロワーが一定数伸びた後の運用方法について」みなさんに聞いていきたいと思います。

懸賞応募期間が終了した後の運用方法について、「そもそもどういう目的でアカウントを作ったのか?」が大事になってくると思うのですが、いかがでしょうか?

金濱 氏:
目的といった場合に重要なのが*「KPI設定」*ですが、これは簡単にはできません。

ソーシャルメディア経由の流入が売上に繋がるために、Twitterアカウントの効果をどこまで期待するか?」というのは、事業者ごとに大きく異なるためです。

よくご相談いただくのは、「検索からの流入が落ちていて、ソーシャルからの流入が増えてきているので、Twitter公式アカウントからの流入数を増やしていきたい」というパターンです。

しかし、Twitterの公式アカウントからの流入数は一般的に少ないのが実情です。クリック率はリーチしたユーザーの1%あれば良い方ですし、1万人のフォロワーを集めたところで、1投稿に数十人〜数百人の流入しかない訳で、そんなにインパクトがない。

となった時に、「ソーシャル流入はなぜ増えているのかな?」と考えるのですが、この要因は一般ユーザーのツイートによる拡散なんですよね。

そのため、ただTwitterのフォロワー数を増やすかというよりも、どうシェアラブルな仕組みを作り、一般ユーザーに拡散して貰えるかが、非常に大切となります。

さらに重要なのが、「誰に拡散してもらうか」でしょう。たとえば僕のTwitterで1,000以上リツイートされた投稿があったのですが、そのインプレッション(閲覧数)が約50万ほどでした。ということは、単純計算で投稿が届いた1人当たりの平均フォロワー数は500人ほどとなります。

僕の現在のフォロワーって400人ほどですが、影響力のある人を介せば、1投稿あたりの閲覧者のフォロワー数が500人ほどに増えたと算定できます。

けれども、キャンペーン用では「捨てアカウント」と呼ばれる普段ログインをしないアカウントを作ってしまうユーザーも多いことから、平均フォロワー数が100人とかになるケースも多いです。

そういう意味で、公式アカウント経由での流入や、キャンペーンによる拡散のみに頼らず、読者に記事をシェアしてもらう仕組みや工夫をしてみてはいかがでしょうか。

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小東 氏:
弊社では『ソーシャルメディアラボ』というWeb媒体を運営していますが、当時自分がチームに加入した際に、「ソーシャルからの流入も増やしていきたい」という声が上がっていました。

私が当初インターンとして『ソーシャルメディアラボ』のアカウント運営に携わっていて、加入時の公式アカウントが抱えるフォロワーが2,500ユーザーほど、そこから今12,000ユーザーまで増えたという状況です。

どういう風にアカウントを育てたかというと、「SNSの勉強中!」であるとか、「◯◯社の広報担当」というプロフィールが掲載されているアカウントのツイートにリツイートやいいねをしたり、記事を読んでくれた人に「ありがとうございます!」とTwitter上で声がけをしたりと、コツコツ取り組んでいました。

そうしたら、相互フォローになった人がちょくちょく弊社メディアの記事を読んでくれるようになり、読み手の方が所属する界隈の人から自然に広がっていきました。

双方向的なやりとりを増やすことができ、SNSを勉強したい前向きな人から『ソーシャルメディアラボ』が見られやすくなり、エンゲージメントも高くなっていきました。

結果的に本来の目標であった「SNSからの流入」も徐々に増加し、何より「ソーシャルメディアラボ知ってますよ!」と言ってくれる人が身の回りに増えたので、そういう意味では正解だった施策と捉えています。

「どういったフォロワーさんが増えてほしいのか?」というのを常々考えながら、アカウントを運用していく必要が、当たり前ですけどあると思います。