飲食業界はネット集客と非常に相性が良く、食べログやHotPepper等の登場により早くからO2O戦略(「Online to Offline」の略。ネット上からリアルへの送客を行うための施策)を実施していた業界です。

最近では食べログやぐるなびがキュレーションサービスをリリースしたり、実名制のグルメ口コミサイト「Retty」が大躍進を遂げていたりと、ここにきて大きな変化が起きています。

今回は、「Similar Web Pro」の業界分析機能を利用し、飲食業界のアクセス状況(2015年2月分)を調べてみました。

1.ドメイン別シェアランキング

食べログが圧倒的なシェアを占める。レシピ業界ではCOOKPAD一強

ドメイン別シェアランキング
アクセスの多い飲食業界のドメインランキングです。

1位は食べログで、食べログ単体で飲食業界のアクセスのうち約13%を占めています。
2位のCOOKPADもアクセスシェア10%弱とかなり健闘しており、レシピ業界では不動の1位を築いているようです。

2.検索ワードランキング

自然検索では食べログやCOOKPADにまじりブランド名がランクイン

検索ワードランキング
自然検索されたキーワードランキングでも、やはり食べログとCOOKPADが1位、2位と続いています。
以下に「マクドナルド」や「ピザハット」「ケンタッキー」などのブランドの固有名詞がランクインしています。外出時や家で宅配を頼みたいときに検索されていると予想できます。
(韓国語がランクインしているのはバグかと思われます。)

有料キーワードランキングではデリバリー系が上位を独占

有料キーワードランキング

一方有料キーワード(リスティング広告)では、「ドミノピザ」「ピザハット」「出前館」など、上位のほぼ全てがデリバリー関連キーワードで埋め尽くされています。
特に、あらゆるジャンルのフードデリバリーを提供する「出前館」は、「でまえかん」「出前感」など、表記揺れに対してもしっかりと対策を取っている様子が見てとれます。

ユーザーの検索方法とGoogleの検索アルゴリズムがマッチし始めている

上記のキーワードランキングを見てわかる通り、地域性の高いと思われる検索ニーズであっても、「業種+地名」ではなく「業種」単体で検索されています。
一般的なユーザーは、マクドナルドがどこにあるのか知りたいときは「マクドナルド」と検索するようです。

そして、Googleの検索アルゴリズムは、そのような単純な検索に対しても、ユーザーが求めている情報を的確に届けられるよう、「ハミングバード」というアルゴリズムを更新しています。
少し前であれば、「マクドナルド」と検索しても近隣の店舗は探しにくい状態でしたが、今はユーザーの位置情報を踏まえたうえで、ユーザーの近隣店舗の情報を検索結果のTOPに表示されるようになっています。

MEO(Map Engine Optimization)においても、基本的には「業種+地域名」での検索に対応していましたが、現在はブランド名単体で検索しても店舗情報が表示されるようになっています。
マクドナルド検索結果

飲食店の場合、店舗名で検索したほとんどのユーザーは、店舗運営企業の情報ではなく、「店舗がどこにあるのか・営業時間・予算」ということを知りたがっていると容易に推測できるため、このような検索結果が出やすい業種です。
飲食店をやられている方は、このような前提を踏まえたSEO対策を行うとよいでしょう。