こんにちは、株式会社ヘノブファクトリーの谷脇しのぶです。

前回の記事では、Webショップなどの「物販型サイト」にフォーカスして、ありがちな失敗や取り組むべきポイント、事例を紹介しました。

3回目となる今回は、コーポレートサイトやサービス紹介サイトなどでよく成果として上げられる「資料請求を募るサイト」にフォーカスして、ありがちな失敗談、取り組むべきポイント、サイト育成の事例を紹介します。

Webサイトの弱点を探り当て、少しずつ改善するサイクルを繰り返し、サイトの効果をアップしていきましょう。

▼前回の記事▼
物販型サイトの効果をサイト育成によってアップさせる方法

目次

  1. 資料請求型サイトの課題と取り組むべきポイントについて
    1. 資料のダウンロード、問い合わせの件数が少ない
    2. 最終的な問い合わせにつながらない
  2. 効果アップを実現した資料請求型サイトの育成事例
    1. ターゲットである会議室を探す企業の心理状態を連想して、情報を提供
    2. 他社との差別化になるケータリング情報を目立たせる
  3. まとめ

資料請求型サイトの課題と取り組むべきポイントについて

まず、資料請求やPDFなどのダウンロード数、問い合わせ件数などをCVとする資料請求型サイトについて考える上で忘れてはいけないのは、CVは資料請求や問い合わせは、その後の申し込みにつなげる通過点に過ぎないということです。

そのため、たくさん資料請求をされればよいのではなく、Webサイトを訪れたユーザーが商品やサービスに興味を持ち、資料を手に取り、さらにはその資料を見ることによって次のアクションを起こしたくなる理由を設ける必要があります。

このようなユーザの視点をふまえながら、資料請求型に多い課題について確認していきましょう。

・資料のダウンロード数、問い合わせの件数が少ない
・資料はダウンロードされるが、最終的な問い合わせにつながらない

お持ちのサイトはどちらのタイプでしょうか?それぞれ理由を見ていきましょう。

資料のダウンロード、問い合わせの件数が少ない

先ほど、資料請求の数が多ければよいわけではないとお話ししました。しかし実際は、さらにその手前の「資料のダウンロード数や問い合わせの件数が少ない」という悩みを抱えているWebサイトは少なくありません。

こうした課題の多くは、ユーザーが求めている情報に基づいた資料を提供できていないことが原因です。つまり、ユーザが欲しがっている内容が資料となっていない、一方的な営業資料がアップされていたり、漠然としたサービス紹介をPDFなどで提供していることが多いです。

ユーザーが自分のために必要な情報だと思い、読んでみたいと手に取ってもらえる情報の切り口を考え、細分化して資料に落とし込み、提供することがダウンロードを増やすコツです。

例えば、PR会社であれば、以下のように3種類ほど資料を用意しましょう。

1.自分でできるPRのコツ
2.PRの段取りチェックシート
3.サービス事例、お客様の声

まずPRに興味をもった段階のユーザーは、「1.自分でできるPRのコツ」をダウンロードして、PRについて理解します。そして、PRをどのような手順で進めていくのかを「2.PRの段取りチェックシート」で理解し、自分自身でチェックシートを記入して、その結果、「自分ではできなそうなので、頼んでみようかな」と思ったら、「3.サービス事例、お客様の声」をダウンロードして、依頼した際の状況を連想する、といったユーザーの購買意欲に働きかけられる作り方をしていきましょう。

資料を分けることでそれぞれをダウンロードしたユーザーのリストを作れますので、ユーザー層ごとに文面の異なるお知らせを送るなど、プッシュ型のアプローチも可能です。

また、資料請求の際にユーザーの個人情報をどのぐらい収集するのかも効果に関連する重要なポイントです。企業側としては営業しやすいように「なるべく多くの情報を取りたい」と考えがちですが、あまり多くの情報を求めるとギブアンドテイクの法則が崩れ「そんな情報を入れるなら要らない」と思われてしまいます。

必須項目は後日アプローチをするために必要なメールアドレスやお名前くらいの情報に留めて、資料内に連絡先をしっかりと記載し、ユーザから連絡して頂けるようにしておきましょう。

最終的な問い合わせにつながらない

最終的な問い合わせにつながらない場合、以下のような理由が考えられます。

・申し込みフォームが殺風景で、不親切である
・どんな内容を問い合わせればいいかわからない

Webサイトにしっかり情報が掲載されていて、丁寧な資料が用意されているのに、最終的な問い合わせにつながらない場合は、問い合わせフォームや問い合わせ方法に問題がある場合があります。

問い合わせボタンを押した後に出てくるページになんの解説もなく、どういう内容を入力すればいいかガイドが書いていない殺風景で不親切なフォームになっていませんか?

ユーザーの心理としては「問い合わせフォームは何を入力したらいいかわからないし、どんな内容を書けばいいのだろう。考えながら書くのは面倒だし、いつ返事が来るかわからないので抵抗感がある」と、少しでも不安を感じた場合、ユーザーは問い合わせをやめてしまいます。

また、Webリテラシーがあまり高くないユーザーが問い合わせを行う場合、問い合わせは電話でしたいという場合も多いです。可能な限り、問い合わせフォームだけでなく、電話番号も記載し、親切な対応ができるようにすることをオススメします。

効果アップを実現した資料請求型サイトの育成事例

最後に、私たちヘノブファクトリーが手がけた資料請求型サイトの事例を紹介します。
秋葉原の駅前にある大きな貸し会議室・イベントスペース「UDXカンファレンス」です。

まず、私たちがUDX様のWebサイトを最初に見て感じたのは、施設のクオリティとWebサイトのクオリティのギャップでした。とても素敵な施設なのに、Webサイトではその世界観があまり表現されていませんでした。

もっと詳しく調べるために、私たちは毎回Webサイトのアクセス解析を行います。会場の情報が知りたいのか、料金が知りたいのか、はたまた会場の見取り図が知りたいのか。ユーザーWebサイトを歩いた流れを細かく確認します。

そうすると意外な結果が導き出されました。それはWebサイト訪問者が2種類いたということです。データを見てみると、「会場を探す検討者」と「会場に来る訪問者」が混在していました。そこでターゲットを見込み客である「会場を探す検討者」の行動にフォーカスして、サイト育成を始めました。

そしてKPIを「資料請求」ではなく、Webサイトに掲載した「問い合わせ電話番号への荷電件数」へと変更しました。

ターゲットである会議室を探す企業の心理状態を連想して、情報を提供

次に、営業資料の要素が強かったダウンロード資料の内容を、よりユーザーが求めている内容へと変更しました。ユーザーが欲しいのは営業資料ではなく、申し込みを検討するための会議室の詳細情報だったからです。

UDX様は大小さまざまな貸会議室を用意していて、広さや設備などによって価格帯が違います。
そのため、それぞれの部屋の特徴がわかるように情報を出すことにしました。

さらに、ターゲットとなる見込み客は企業の担当者が多いため、即決の可能性が低いことにも注目。
例えば、半年先のイベントに使用する会議室の情報を集めているユーザーが前もって情報を集めたときにも、検討できるだけの情報を入れることを心がけました。

具体的には、ダウンロード資料の情報を以下のように充実させました。

・時間帯ごとの利用料金表
・無料備品
・有料備品と料金
・部屋の寸法がわかるスケール
・電源の位置や数
・ケータリング料金
・搬入マニュアル、など

実際のダウンロードページは以下のようになっています。

UDX資料ダウンロードページ
出展:UDX資料ダウンロード

このように、会議やイベントを計画するときに主催者が知りたい情報をWebサイトにすべて載せた上で、ダウンロードもできるようにしました。

このことにより、問い合わせに変化が生まれました。以前の問い合わせは「電源はどのくらいありますか?」「搬入は何時からできますか?」など、知りたいことを聞くものが多かったのですが、情報をすべて掲載したことでそういった問い合わせは減り、ある程度申し込みの意思があるユーザーからの問い合わせが増えたのです。

他社との差別化になるケータリング情報を目立たせる

会場でケータリングできる利用できるお弁当などの情報は、PDFだけでなくグローバルナビにも入れました。ケータリングに関する問い合わせはもともと多く、UDX様は情報提供もされていたので、その情報をWebサイトにもっと出すようにご提案しました。
貸会議室は都内にたくさんあります。見込み顧客の知りたい情報を出すことが、ひとつの差別化要素になると考えたからです。

こうしたサイト育成を重ねた結果、問い合わせ件数が20倍にもアップしました。
今ではUDXの担当様自身が情報を多く追加されて、ユーザーにとって知りたい情報が揃うWebサイトへと育っています。

まとめ

資料請求型サイトを育成するときのポイントは、ターゲットを定めた上で、購買意欲の段階によって適した情報を届けることです。

ユーザーの購買意欲の濃淡がわかった状態でリスト化できれば、よりユーザーにささる訴求ができ、効果アップが期待できます。

▼連載を第一回から読む▼
伸び悩むWebサイトを育てる!「サイト育成」の6ステップを解説