インターネットを活用したプロモーションにはソーシャルメディア広告配信など様々な手法がありますが、オーガニックサーチにより十分な集客ができればコストを抑えることができて有利です。
オーガニックサーチによる集客は、キーワードによる検索順位によって、Webサイト流入数に大きな影響があるため一筋縄にいかないのが実情です。
検索結果に表示される競合のWebサイトに対し、上位を獲得するためにSEOに力を入れる企業が数多く存在します。

検索結果において競合のWebサイトよりも上位を狙うためには、相手をよく知ることが大切です。
つまり、競合企業のWebサイトをいかに分析するかが重要なのです。
このような分析ニーズに伴い様々な分析ツールが登場していますが、今回は被リンクの分析に定評があるMajesticをご紹介します。
リンクSEOにとって重要な要素ですので、Majesticを活用して分析してみてはいかがでしょうか。
自社と競合の現状をしっかり把握するのがSEOの第一歩です。

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画像引用:MajesticオフィシャルWebサイト

目次

  1. Majesticとは
  2. Majesticが役立つところ
  3. Majesticの機能について
  4. サイトエクスプローラ(Site Explorer)
  5. ドメイン比較(Compare Domains)
  6. 一括被リンク
  7. 検索エクスプローラ
  8. Majesticの費用について
  9. サポート体制について
  10. まとめ

Majesticとは

Majesticとは、自社や競合のWebサイトの被リンクを解析できるツールです。
ドメインURLを入力するだけで誰でも手軽に解析をスタートできます。
Webサイトの被リンク数や被リンク元のドメイン情報などがわかるだけではなくユニークな独自の指標も搭載しています。
それが、Majesticの被リンク解析の大きな魅力とも言える、トラストフローとサイテーションフローです。
これらを併用することで、ドメインの品質レベルを判断できます。

Googleページランクを廃止したことで、ドメインパワーを評価する指標がない現状、Majesticはそれに替わる指標として活用されるケースが多くあります。
Majesticの利用は有料ですが、無料アカウントを登録すると被リンクリストの取得が可能になりますので便利です。

英国のMajestic社が開発したツールですが、利用に必要な多くの部分は日本語にも対応しているため、困ることなく操作できるでしょう。
海外には優れたSEOツールが存在しますが、日本語に対応していないものもたくさんあるため、まだ多くの人がそのクオリティを知らないケースが多いのです。
それに対しMajesticは、SEOに力を入れており被リンクに強い関心を持つユーザーに幅広く知られているツールと言えるのではないでしょうか。

Majesticが役立つところ

Majesticは被リンクの調査に関する機能に長けたツールという印象をお持ちかと思いますが、具体的にどのような目的で利用できるのか整理してみましょう。

競合Webサイトとの比較分析

SEOにおいて、対策キーワードで検索結果に表示されるWebサイトは競合にあたります。
競合が自社のWebサイトに比べて優れているかを被リンクの面から考える上でMajesticは便利です。

ページ管理の一環で被リンクをチェックする

自社のWebサイトにどのような被リンクがあっているのか把握する場合、Majesticは時間をかけず一括で調査できるので役立ちます。

SEOがうまくいかないときにチェックツールとして使える

内容の濃いコンテンツを継続的に追加しているつもりでも、なかなか検索順位が上昇しなかったり、乱高下を繰り返してしまう場合があります。
Webサイトのどこに問題があるのか調べる上で、確認箇所の一つに被リンクが挙げられます。どのような品質の被リンクがどこに設置されているのかMajesticで確認できます。

Majesticの機能について

さて、ここからはMajesticの各種ツールの機能をご紹介します。
ツールを使いこなすことでドメインパワーを把握し、競合との比較や自社のWebサイトの状況確認に役立つ便利な機能を利用できるのです。

各種ツールはプランにより利用可否が異なります。
自社にとって必要な機能を利用するにはどのプランが必要か確認しましょう。
なお、プランについてはこのページにてご紹介しています。

サイトエクスプローラ(Site Explorer)

Majesticの中でも最も有名なツールがサイトエクスプローラでしょう。
サイトエクスプローラを使えば、被リンクに関して自社のWebサイトが置かれている状況を簡単に把握できます。

ユーザビリティにも優れており、サマリーの画面を見るだけで要点をビジュアルや数値で押さえられるので便利です。

サマリー(Summery)

ドメイン全体の状況を把握できるページです。サマリーには、トライフロー、サイテーションフロー、トロピカルトラストフロー、リンクプロフィールが表示されています。

1.トライフロー(TF)
トラストフローは、リンクの品質を0から100のスコアであらわすものです。
品質が高い被リンクを受けているWebサイトは数値が高くなりますが、疑わしいリンクを設置している場合は数値が低くなります。

2.サイテーションフロー(CF)
サイテーションフローはMajesticの独自の指標でありWebサイトに搭載している被リンクのボリュームに基づいて影響度を予測するものです。
リンクの数量のみではなく強さにも考慮した上で算出され、0から100のスコアを表示します。

3.トロピカルトラストフロー
Majesticが設定するカテゴリに対する影響を数値で確認できるものです。0から100の範囲で算出される数値をもとにどの業界に対して影響力が大きいのか確認できます。

4.リンクプロフィール
リンクのデータにより散布図を形成しています。
Webサイトにある被リンクや参照元となっているドメインについて、トラストフローとサイテーションフローのデータを表示しています。
また、色合いによって密度を示しています。

5.外部被リンク(External Backlinks)
Webサイトの被リンクの数を表示します。

6.参照元ドメイン(Referring Domains)
参照元のドメインの数を表示します。1つの参照元ドメインに複数の外部被リンクが存在する場合も多いでしょう。

7.参照元IP(Referring IPs)
Webサイトの参照元のIP数を表示します。複数のドメインを一つのIPで運営している可能性もあります。

8.参照元クラスC(Referring Subnets)
企業が複数のIPアドレスを利用している場合があります。クラスCは、異なるIPアドレスであっても利用者が同一かを判断して数を表示します。

これらの他、サイトのクロール情報や、被リンク情報、アンカーテキストなどのサマリーも表示しています。
ただし、あくまでサマリーのみの表示であるため、さらに詳しい分析データは各タブで確認することが可能です。
各タブについての説明を以下についてご覧ください。

トピック(Topics)

自社のWebサイトがどのようなカテゴリーのWebサイトから被リンクを得ているのか把握できます。
関連性の高いWebサイトとのつながりを確認できる部分です。

参照元ドメイン(Ref Domains)

Webサイトリンクをすべて検出し、該当するドメイン名を一覧で表示します。
どのドメインから被リンクがいくつあるかを確認でき、極端に被リンクが多いWebサイトを見つけ出すことも可能です。

被リンク(Backlinks)

検出した被リンクをすべて表示します。それぞれのトラストフローやサイテーションフローなどのデータも確認することが可能です。

新規(New)

最近検出した被リンクを表示します。
常にすべての被リンクを確認するのは手間がかかるので、新規の被リンク情報をピックアップして見られるのは便利でしょう。

リンク切れ(Lost)

リンク切れになった被リンクを表示します。最近のリンク切れのみをピックアップした情報です。

アンカーテキスト(Anchor Text)

Webサイトへの被リンクに使われているアンカーテキストを確認できます。
アンカーテキストと被リンク先のページの関連性は検索エンジンからの評価にも影響する部分です。

マップ(Map)

Webサイトに送られている被リンクがどのエリアからのものか地図で確認できます。
世界地図を表示してグローバルに被リンク位置をチェックすることが可能です。

ページ(Pages)

Webサイトへの被リンクを見つけた全ページの情報のほか、404エラーを引き起こしているページも表示します。
Webサイト内に含まれるページそれぞれがどのような被リンクを受けているのか閲覧可能です。

ドメイン比較(Compare Domains)

Majesticは複数のドメインを比較するツールも搭載しています。
最大10件までの競合ドメインに関する情報を一覧で表示し比較することが可能です。

一括被リンク

膨大な被リンクの解析が可能なツールです。
URLのペースト機能を使うことで400件まで解析できます。
ファイルアップロードによるURL設定方法もあり、その場合は100万件まで対応可能です。
一度に大量の被リンクを解析できるため、ハイレベルな集計でありながら、作業効率の高さも維持できます。

検索エクスプローラ

インデックスに対しキーワード検索を行います。
検索結果に表示されるページタイトルURL、検索スコアをチェックすることが可能です。
トピックごとにURLリストを作成できます。
検索結果には、ページタイトルアンカーテキストなどのデータがあり、リストに掲載した理由も確認可能です。

Majesticの費用について

Majesticは、3つのプランがあります。
どこまでの機能が必要なのか、どのような体制で取り組むのかによって選ぶべきプランが異なりますので、自社の実作業を想定しながら検討しましょう。
無料アカウントを作成すると一部のツールは使えるようになりますが、1日の利用量に制限があります。

Majesticの料金プラン一覧
https://ja.majestic.com/plans-pricing

LITE

月額料金が最も低く、Majesticをまずは試してみたいという人やドメイン業者に適しています。
最も有名なサイトエクスプローラーが利用でき、参照元IPや参照元ドメインなどに関する基本的なデータも取得できるので、まさにスタンダードという位置付けです。
サイトエクスプローラーのデータ行は5,000であり、解析可能な被リンク数の上限は1millionとなっています。

月額:49.99ドル

PRO

プロ向きのプランです。LITEの全機能のほか、生データのエクスポートや検索エクスプローラ、被リンク履歴など便利な機能が利用できます。
中小企業で利用するにも最適な内容です。メールアラートなど、運用に便利な機能も利用できるので多忙な担当者にとって利便性の高さが魅力でしょう。
サイトエクスプローラーのデータ行は125,000であり、解析可能な被リンク数の上限は20millionとなっています。

月額:99.99ドル

API

デベロッパー向きのプランです。
膨大なデータに対応できる毎月の利用データをカスタマイズできます。
PROの全機能に加え、解析ユニットを100million以上に設定可能です。
サイトエクスプローラーのデータ行数は30,000以上にできます。

月額:399.99ドル

LITEとPROに関しては、初めてプランに申し込んだ会員に限り、7日間の返金補償がついており安心です。
クレジットカードやデビットカード、PayPalで決済できるため、手軽にスタートできます。
なお、通貨は英ポンド、ユーロ、米ドルに対応しています。

サポート体制について

問い合わせフォームはもちろん、FAQや用語集などが日本語に対応しているので安心して利用できます。
スタートアップの方法に関しては、手順のサポートが英語で案内されていますが、迷うことがないほどスムーズなプロセスで設定できるため安心です。
また、英語ではあるもののMajesticのフォーラムがあるので、情報交換の場があり、情報を収集することもできます。
なお、フォーラムの運営はパートナー企業が行なっているものです。

まとめ

Majesticは、海外のツールながら、日本語に対応しているためアカウント作成から利用までスムーズに実行できるので便利です。
豊富な機能や独自指標により、被リンクにおいて高度な解析ができるツールの1つと言えるでしょう。すべての機能を使いこなす必要はなく、参考にしたい部分だけうまく使い、競合のWebサイトとの比較を実行してもよいと思います。
高度なSEOツールほど、無理に使おうとして、準備や理解に時間がかかってしまい、上手に実用できないといったケースも多々あるものです。
わかりやすさといった点でもMajesticは明快であり、わからない言葉があっても用語集で簡単に調べられるのでストレスを感じません。

また、Majesticが注目されるツールであることの理由に、独自指標の存在が挙げられるでしょう。
SEOなどWebマーケティングに取り組む多くの人にとって、比較や分析にあたり数値を利用できることは心強いのです。
私たちは何かの基準を持って、競合に負けないように日々対策に勤しみます。
そういった背景の中では、Majesticのように明快な指標は実に使いやすいものなのです。

MajesticのようなSEOツールにおいて最も大切なことは、いかに多くの検証を行うかです。
分析した結果をもとに改善を行い再び分析するといった計画的なアクションを重ね、成果につなげていかなければなりません。
PDCAサイクルをどれだけスムーズに回せるかはWebマーケティングのみならず様々な分野で言えることです。

Majesticを効果的に活用して、競合に負けないWebサイトづくりを実現しましょう。