今後の目標はSNSの海外展開!海外フォロワーをもっと増やしたい

ferret:今後、新日本プロレスのSNSが目指すものは何ですか? 興行なので、チケットを毎回完売させることだったり会場を満員にすることだったりすると思うんですけど、その他に何かありますか?

真下さん:会社としては、ブランディングだったり、ライセンスビジネスにも注力しています。SNSで言うとWWEさんは世界最大のプロレス団体ですけど、新日本プロレスは世界で2番目の団体とも言われています。WWEさんのTwitterのフォロワーは約1,000万以上いる。規模や言語の違いもありますけど、新日本プロレスのフォロワーは約38万、海外向けの英語の公式Twitterを合わせても40~50万近く。WWEさんを見るとまだいけるんじゃないかなという気もします。

最近は海外大会がかなり増えていますし、海外向けのTwitterアカウントのフォロワーを伸ばしてくことにも注力しています。今年4月にはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで大会を行って大成功に終わっていますし、8月末にはロンドンでもビッグマッチを行います。さらに海外のフォロワーを増やしていきたいですね。

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▲マディソン・スクエア・ガーデン大会より

そもそもプロレスは“肉体言語”で闘いを表現しているジャンルですので、試合だけ見ていただいても伝わりやすい部分があります。ただ、英語圏がメインのWWEさんは全世界にフォロワーがいますし、各国の言語にも対応している。我々のメインはもちろん日本語なのですが、最近は新日本プロレスワールドでも英語の実況中継を頻繁に行っていますし、英語サイトで英語のインタビュー記事を出したり、海外の方にもより深く新日本プロレスの世界を理解してもらえるようにアプローチしています。

ferret:先ほど海外のフォロワーを増やしたいとおっしゃっていましたが、会社自体が海外戦略に向けて力を入れ始めているんですね。

真下さん:そうですね。2年前くらいにアメリカのスーパースター、クリス・ジェリコ選手が新日本プロレスに参戦したんですが、ジェリコ選手はTwitterのフォロワーを350万くらい抱えています。実は、参戦するタイミングで、ジェリコ選手がTwitterとInstagramのフォロワーに、新日本プロレスワールドの入会の仕方を英語でレクチャーしてくれたのですが、これで一気に海外の会員数が増えました。

今年の夏もWWEの現役トップ選手だったジョン・モクスリー選手(元ディーン・アンブローズ)が参戦したんですが、彼のバックステージのコメント動画は、YouTubeで2日で約100万回以上再生されました(現在の再生数は350万以上)、これは通常配信しているコメント動画の10倍以上の再生数でした。こういった現象を見ても海外のマーケットは大きいと思いますし、まだまだ伸びしろはあるんだなと実感しています。

ferret:新日本プロレスは一時期、人気が低迷していましたが、回復にはSNSが一役買ったと感じられますか?

真下さん:SNSもそうなんですが、この10年ぐらいで会社主導のもと、情報を発信できるようになったのはかなり大きかったと思います。長らく日本のプロレス界は、プロレス雑誌やスポーツ紙が報道をリードしてきた時代があったんですが、プロレス人気が落ちた時期にはプロレス雑誌の廃刊が相次いだり、一部のスポーツ紙にはプロレスを取り上げていただけなくなった。
 
ちょうどその頃、新日本プロレスは親会社がユークスになった時期でした。当時も観客動員は厳しかったんですが、会社内にWebサイトやパンフレットを編集する部署や、映像を制作できる部署をつくったりといろいろな先行投資をしていただいたんです。結果的にこの時期にコンテンツを自社内でつくれる環境や人材を整えていたので、のちにSNSやYouTubeができたタイミングで、自社からの内容の濃い情報発信にすぐ対応することができた。そこが追い風になった部分はあったかもしれません。

あと、棚橋弘至選手や真壁刀義選手のツイートを見ても、昔はあそこまで選手のプライベートが頻繁に公開されることはありませんでした。選手のアカウントをフォローしていると、今日はこんなものを食べて、こんなところに行って、こんな人に会って……という選手たちの日常が気軽に楽しめる。SNSの登場でファンの方と選手との距離がより近くなったのも大きかったと思います。
  
SNSによって新日本プロレスに興味を持った方が、情報を得やすくなって、より深く好きになっていただきやすい環境ができたのは大きかったかもしれないですね。