「スタートアップとテクノロジーの祭典!」SLUSH ASIA参加レポートvol.1【元LINE代表森川氏・DeNA南場氏】
※photo by Slush Media
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4月24日(金)、お台場でスタートアップイベント「SLUSH ASIA」が開催されました。
お台場ヴィーナスフォートの隣に建設された巨大なドーム内で、今勢いのあるスタートアップ企業50組によるピッチコンテストや最新テクノロジーを駆使した製品のデモンストレーション、世界的に成功しているIT系企業の代表やアーティストなど豪華スピーカー陣28名による基調講演やセッションが丸一日かけて行われるなど非常に密度の濃いイベントとなりました。
ferretでは、各IT企業の基調講演・セッションと、スタートアップ企業によるピッチコンテスト最終審査の様子を4回に渡ってダイジェスト形式でお伝えします。
今回は、イベント概要と、元LINE株式会社代表取締役社長森川亮氏、DeNAファウンダーの南場智子氏の基調講演の様子をお伝えします。
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「スタートアップとテクノロジーの祭典!」SLUSH ASIA参加レポートvol.2【supercell代表Ilkka Paananen氏、ガンホー代表孫泰蔵氏他】
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「スタートアップとテクノロジーの祭典!」SLUSH ASIA参加レポートvol.2【supercell代表Ilkka Paananen氏、ガンホー代表孫泰蔵氏他】
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「スタートアップとテクノロジーの祭典!」SLUSH ASIA参加レポートvol.4【ピッチコンテスト最終審査】
SLUSH ASIAとは?
元はフィンランドのスタートアップ企業支援を促進することを目的として開催されたのが始まりです。
大ヒットスマホゲームアプリ「angrybird」を提供するRovio Entertainment社の元日本支社代表であるAntti Sonninen氏が2008年より立ち上げたイベントで、当初はなかなか認知が広がらなかったものの、徐々に様々なメディアにも取り上げられるようになり、今では一度のイベントで14,000人を集めるほどの巨大イベントに成長しました。
Antti氏は、起業家精神が生まれにくい日本で起業しやすい環境を作り、なおかつ日本発のベンチャーが世界で活躍できる機会を提供したいという思いのもと今回のイベントを開催しました。
日本のサービスをグローバル展開させやすいようにと、講演は全て英語で行われました。
会場全体が音楽フェスのような雰囲気に包まれており、「起業はかっこいいもの」というイメージを持たせるのに十分な演出でした。
日本での開催でありながら、講演は全て英語で行われるというのも特徴的です。
基調講演:元LINE株式会社代表取締役社長 森川亮氏
経歴
元LINE株式会社代表取締役社長 森川亮氏
1989年筑波大学卒業後、同年に日本テレビ放送網入社。1999年に青山学院大学大学院でMBAを取得し、2000年ソニー入社。2003年ハンゲームジャパン(現LINE株式会社)に入社し、2007年代表取締役社長に就任。2015年3月に代表を退任し、動画メディア「C Channnel」を運営するC Channnel株式会社を設立。
「変化すること」の重要性
森川氏は簡単に自身の経歴を紹介した後、「人は強さでも聡明さでもなく、変化することで進化してきた」とダーウィンの進化論を引用し、変化することの重要性について力強く語られていました。
例えば実業務に落としこむと、四半期ごとでも毎月でも、時には毎週でも計画を変更することもあり、「日本人はプロセス重視。しかし日々変化する市場においては結果重視にならなければいけない」と語り、実際、プロセスの1つである定例会議を廃止されたそうです。
森川氏はLINE株式会社の代表取締役社長というポジションをあっさり捨て、自ら会社を設立し、女性向け動画メディアである「C Channel」を立ち上げています。
その動機として「若者が新しい文化を作るので、若者のためのメディアを作りたい」と語っており、どこまでも未来を見据えている姿勢を貫いていました。
基調講演:株式会社DeNA ファウンダー 南場智子氏
経歴
株式会社DeNA ファウンダー 南場智子氏
津田塾大学卒業後、1986年にマッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン入社。1988年にはマッキンゼーを退職し、ハーバードビジネススクールに入学し1990年にMBA取得。1996年にマッキンゼーの役員に就任。1999年に株式会社ディー・エヌ・エーを設立し、代表取締役に就任。2011年、夫の看病に専念するため、代表取締役社長を退任し、取締役に就任。
成功に必要な3つの要素
1999年の設立後、わずか6年後に上場を果たし、以降も快進撃を続けるDeNAの創業者である南場氏はまず成功に必要な3つの要素について語りました。
南場氏いわく成功に必要なのは、
1.ビジョン
2.カネ
3.人
の3つであり、最も重要であり難関なのは「人」であり、採用は決して妥協はしてはいけないと語りました。
また、スタートアップ企業が採用を行う時に意識するべき点として、
・最初の10人がキーになる
・量ではなく、質
・どんな時でもリクルートのための時間はとっておく
・場合によっては何年もその人を追いかける覚悟を持つ
・取り繕ったりせずに、正直に助けを求める
・一度会社に入れたら、社員を信用すること
等を挙げ、自身の経験談を交えながら採用がいかに重要であるかということを力説されていました。
DeNAの新プラットフォーム「Palette」の構想について
今年発表された、DeNAが構想する新キュレーションメディアプラットフォーム「Palette」も簡単に紹介していました。
DeNAは昨年9月に、キュレーションメディア「iemo」と「MERY」の運営会社であるiemo株式会社と株式会社ペロリを買収し、今年2月には旅行に特化したキュレーションメディア「Find Travel」を運営する株式会社FindTravelを買収しています。
IemoとMERYを買収し、彼らのキュレーションメディアのノウハウを駆使して立ち上げた食専門のキュレーションメディア「CAFY」も急成長しており、ジャンル特化型のキュレーションメディアを複数有するキュレーションメディアプラットフォーム「Palette」を徐々に広げていく構想を持たれているようです。
ここでも採用の話が出てきました。
iemoやペロリは、自社だけでも十分成長見込みがある企業だったのになぜDeNAの買収を受け入れたのか、そのような質問が多く飛んでくるそうです。
その際に、iemo代表の村田マリ氏やペロリ代表の中川氏は次のように答えるそうです。
「自分の力やキャパやプロダクトの200%を使いたいと思っている。だからそれはとてもクリアな決断だった」
「優秀なエンジニアは私達のようなタイプのスタートアップにはなかなか来ない。リクルートは一番難しい課題だった。DeNAにジョインしてから、短い期間で8人から20人になった。みんな優秀なエンジニアやデータ解析者ばかり。」
両名とも、目的を達成するためにベストな環境を生み出せるのであれば、運営体制には特に固執していないようです。DeNAと各スタートアップ企業の利害が一致している状態で、今後どのようなシナジーが生まれるか注目が集まります。
まとめ
今回はSLUSH ASIAの冒頭で行われた森川氏と南場氏の基調講演の様子をご紹介しました。
両者別の切り口で、スタートアップとして成功するための要素を語られていましたが、それらはスタートアップだけでなく、全ての企業に通じるところがあります。
大手企業でも倒産の危機に瀕するような変化の激しい現代では、一生安泰の事業はほとんどないでしょう。
今の時代でビジネスを行っていくのであれば、柔軟に変化を受け入れ、なおかつ常に「ビジョン・金・人」が適正かどうかを見極めることが重要です。
非常に示唆に富んだ基調講演の後は、世界各国のベンチャー企業の代表同士のディスカッションが続きます。
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「スタートアップとテクノロジーの祭典!」SLUSH ASIA参加レポートvol.2【supercell代表Ilkka Paananen氏、ガンホー代表孫泰蔵氏他】
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「スタートアップとテクノロジーの祭典!」SLUSH ASIA参加レポートvol.4【ピッチコンテスト最終審査】
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