入社のきっかけはUberの顧客体験に感動したこと

入社のきっかけはUberの顧客体験に感動したこと

谷口氏:
ご自身の入社のきっかけがUberの顧客体験が素晴らしくて感動したからと。

高橋氏:
僕が初めてUberを使ったのが2012年なのですが、サンフランシスコの音楽フェスに行った帰りにすごく人が多くて、タクシーが全く捕まらなかったんです。
そこで友達がこんなサービスがあると、ささっとアプリを操作すると数分後に黒塗りの車が来て。
その後自分でも使ってみようと思って使ってみたら、その配車から降りるまでの体験が非常に衝撃的で、全ての動作がシームレスでした。

どうやって「パーフェクトトリップ」を実現するかということを意識していいます。
需要は非常にシンプルで、目的地まで、快適に、安全に、できれば安く移動したいというのはほとんどの方のニーズなので、
それを如何にストレスフリーに行うのかというところを考えています。

谷口氏:
その実現のためにデータを活用しているという。

高橋氏:
そうですね。
パーフェクトトリップをいろんな要素があるので、そこをブレイクダウンして、
色んなところにKPIを設定して、常に改良してデータを活かして行っています。

顧客が本当に求めているものは何かを見極める

谷口氏:
シェアとかシェアリングエコノミーって抽象的でわかりづらいですが、どのように捉えれば良いでしょう?

高橋氏:
概念としてはシンプルで、部屋や車など余っているものを必要としている人とマッチングすることです。
そこで重要なのがコミュニティです。
普通、見知らぬ人から家に泊まらないかとか、車に乗って行かないと言われても抵抗あるけど、
プラットフォームを介することによって安心して利用できるようになる。
人々のニーズもどんどんシフトしていて、20世紀型の大量生産・大量消費から、実際のニーズを満たす方向にいっているなと。
シェアリングエコノミーのレポートにあった「私はドリルが欲しいんじゃない。私は壁に穴が欲しいんだ」という言葉が印象的だったんですが、
モノを買うというんじゃなくて、安全に移動したいとか、穴を開けたいとか、そういうことを安全に実現するのがシェアリングエコノミーかなと。

谷口氏:
企業からしたらドリルの精度を上げる方に行きがちですけど、ドリルの穴=顧客体験を追求するべきなんですね。

高橋氏:
そうですね。例えば、10ドル払って、その場で穴を開けてくれるようなサービスが主流になるかなと思います。

顧客体験を高めるための組織づくり

顧客体験を高めるための組織づくり

谷口氏:
組織づくりで意識していることは?

高橋氏:
意識しているのは、個人がオーナーシップを持ってやるということですね。

まずやらなければいけないことは、
・問題がどこにあるのかをデータを使って発見する。
・それを解決できるようなアイデアを出す。
・それを実行に移す。
この3つをしっかり行うことを意識しています。

それぞれのメンバーにオーナーシップをもって動いてもらいます。
うちではメンバーに短いプレゼンをさせてます。
そこに対して色んなツッコミをいれられるところで、普段は考えないようなところを深堀りしていく。

谷口氏:
消費者のオンラインにおける満足できるレベルが高まっていますよね。
既存のビジネスをやられている企業はどのようにテクノロジーを取り入れていけばいいのでしょうか。

高橋氏:
ちゃんとデータを取れるような仕組みにするのは重要ですね。
全てのタッチポイントのデータを記録しておけるような体制に。

顧客満足度でいうと、フィードバックシステムは非常に有益です。
それをどこかの段階でしっかりお客様に触れるように。
しかも極力シンプルなものを組み込むようにしましょう。

谷口氏:
データは多岐に渡ると思うんですが、データ解析する担当者がいるということでしょうか?

高橋氏:
全員ですね。全員データは毎日見ています。特にマーケティング担当は。
私が唯一怒るのは、自分の担当領域のデータを把握していなかったときですね。
未達だったことはそこまで重要ではなくて、その理由をデータとして把握して、それをベースに次どうするのかというところを意識していますね。

谷口氏:
UBERの方にお話を伺うと、皆さん社会を良くするという志を持っているということを感じます。ただお客様のためだけではない、そのようなビジョンをグローバルで共有しているんでしょうか?

高橋氏:
交通って根本的なインフラですが、何十年も変わっていなかった業界に変革をおこしていることにやりがいを感じていますし、
評価システムによるフィードバックを通じて、実際に人々の生活を変えていると実感できています。

海外では当たり前になりつつあるシェアリングエコノミーやオンデマンドサービスが日本で普及してほしいですし、日本発のサービスも出て欲しいですね。
まずは知る、知って使うきっかけづくりをできればと思っています。