発展編:「散布図」で絶対に使いたい裏技2つ

基本的な作り方をマスターしたところで、覚えておきたい裏技を2つご紹介します。

1つ目は、散布図の発展系、バブルチャートです。
散布図は横軸、縦軸の2軸で構成されます。しかし、どうしても3軸目を用いたいときに、データが当てはまるところの点(円)の大きさを活用するのです。これがバブルチャートです。

例えば複数の会社を、横軸を売上、縦軸を利益、円の大きさを従業員数で表すと以下のようになります。

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人手でなんとか売上を確保しているC会社、超付加価値を付けることで少数精鋭でやっているF会社、などがわかります。
ただしバブルチャートはデメリットの多いグラフです。

1つに、上の図でもわかるように、円の数が多いと円同士が重なりやすく非常に見づらくなります。例えば、A会社とG会社が重なって大きさがわかりません。
もう1つ、円の大きさが比較しづらいのです。F会社とD会社の円の大きさ、どちらが大きいでしょうか?

結果的に、コンサルティング業界を除いてあまり浸透しているとは言いがたい状況です。

2つ目は、散布図に曲線をいれて、関係性を明示する方法です。
横軸(x軸)を「原因」系、縦軸(y軸)を「結果」系で構成します。

ここでは横軸を1日あたりの流入数、縦軸を1日あたりのCV獲得件数としましょう。流入数が多ければ、結果としてCV獲得件数が増えるという仮説です。

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見事に右肩あがりになりました。この原因と結果の仮説は成り立ちそうです。そこで、曲線を追加してみます。

追加の仕方は、散布図のいずれかの点を選択して、右クリックしてください。そして[近似曲線を追加]を選択してください。次に[線形近似]を選択して、[グラフに数式を表示する]を選択すれば完成です。

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その結果は、以下の通りです。

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見事にプロットできました。この数式は、直線の計算式を表しています。だいたいの点がこの線に沿っている、という考えた方です。

ここで1つの考えが浮かびます。この線の先が直線だと仮定して、獲得したいCV件数が決まっているなら、どれくらいの流入数が必要なのかわかるのではないでしょうか。
例えばCV件数を1日あたり200件獲得したいなら、[y = 0.0105x -2.6307]ですから、この直線に従えば約19,300もの流入数が必要であることがわかります。

もちろん獲得限界上限というものがありますから、この直線もどこかで曲線となり、やがて真横に伸びるのでしょうが、現状から未来を予測する際によく用いられる手法の1つです。