チームラボの「共創」とは

椎谷氏:
チームラボは、デジタル×チームという枠組みの中で世の中をあっと言わせることを目的としていて、ある1つのことに深く入れ込んでいて、社会性がない人が集まったのが最初ですね。
そういう人たちに「こんなのできない?」「これやると面白いんじゃない?」という種を与えて、モチベーションを上げて、こんなことができるかもしれないというお題を与えるのはカタリストです。
とにかく意味もなく元気になるためにはどうしたらいいかをやっています。
今、400名いるスタッフの中でカタリストは60~70名ほどいます。
あとはエンジニア、プログラマが多くて、デザイナーや建築家や数学者や、何やってるかわからない人がいっぱいいますね。

そのなかで最近ヒットしたのが「学ぶ遊園地」です。
日本中、世界中で開催してます。
最初からこういうの作ろうとおもったわけじゃないんですよね。
最初はデジタルアートを台湾の美術館でやってて、インタラクティブな作品を用意したら、
子どもたちが遊んでいたんですね。アートで遊んでいた。これは面白いなと。
子どもたちが何で遊ぶのかというロジックを考えて、じゃあこういうプログラム作ったらどうだろうとプロットを作って、子どもたちに遊んでもらって、どういう反応するか見て、そこから改善していってプロダクトを増やして、今年未来科学館で、60万人ほど集まったんですかね。子供向けのイベントとしては日本一の記録を作りました。

これも共創ですよね。

高校生のアイデアの価値

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横山氏:
椎谷さんは京都精華大学で客員教授もやられているということで、そこのお話もお願いします。

椎谷氏:
大学1年生って、この前まで高校生だったんですよ。高校生は凄いですね。毒されてない。
大学生になると社会に迎合しようとするんですよ。
おもしろいこと、やりたいことしか考えていない。
だから高校生のワークショップは凄く面白いと思っていて。
案外、社会や企業では、常識に制約を受けているようなアイデアが、高校生を混ぜちゃうと、凄く良いアイデアが出てくるような気がするんですよ。

例えば、昨日、渋谷でハロウィンやってましたけど、「渋谷」と「ハロウィン」て全く関係ないですよね。
ハロウィンを知らない子たちが仮装してます。
宗教とか全く関係ないけど、渋谷で目立ちたいから仮装している。これは完璧に企業が仕掛けたもの。
自然に生まれて、集まって1000億規模の経済システムを創ってしまった。
これってこれから地方が新しいことを仕掛けていくためのすごく良いヒントになると思っていて。

何にもない、人もお金もないから俺たちダメだって言っているのは大人で、
高校生を集めて、「何か面白いことできない?」と問いかければ、絶対に面白いものが出てくると思うんです。

その面白いものを、「いやそれはちょっと」「最近の若いものは…」って言っちゃダメなんです。
サポートする、一緒にやる側に回らなきゃ、もはや地方の復活は無いと思ってますね。
そんな話を、デザイン専門学部で話してるんですが、これもデザインなんです。
これが本来のイノベーションデザインで、形や色を決めたりするのはデザインのオペレーションであって、本当のデザインじゃないよというのを教えてます。

生徒には、自分で思ったものを相手先の企業や街にプレゼンに行くというところまでやってます。