ここ数年で、ITベンチャーの大型資金調達や大型買収が相次いでおり、2014年も億単位の資金調達や買収が多数実施されました。

昨年はキュレーションメディアが大きく躍進した年であり、SmartNewsやグノシー、iemoやMERYらの数十億単位での資金調達の成功がその印象をより強いものにしました。
資金調達は、VC(ベンチャーキャピタル)や投資家などの第三者から自社の事業の価値や将来性を評価されなければ実施できません。

資金調達の目的は多種多様であり、企業ごとに必要とする額も異なりますが、多額の資金調達を実施した企業を見ていれば、今期待されているのはどのような事業なのかを推測できます。

今回は、2015年に10億円以上資金調達した国内ITベンチャー8社を時系列順にまとめました。
今期待されている事業はどのようなものなのかを見てみましょう。

2015年12月17日時点の情報になります。

10億円以上の資金調達を実施した企業(カッコ内は発表日を記載)

1.株式会社メタップス 43億円 (2月11日)

人工知能を用いたアプリ解析プラットフォーム「metaps」や、基本手数料無料の決済サービス「SPIKE」を提供する株式会社メタップスは、2月、アメリカシリコンバレーのVCや国内VC複数社から、合計で43億円の資金調達を実施しました。
調達資金は、「metaps」の人工知能をウェアラブル機器にも利用できるようにするための開発費と、「SPIKE」を決済サービスにとどまらないより幅広い金融領域に進出するための費用に充てられるようです。

メタップス、シリコンバレーVC及び国内事業会社から 総額43億円の資金調達を完了:株式会社メタップス

メタップスが43億円の資金調達——人工知能でウェラブルのデータ解析、金融領域にも注力 | TechCrunch Japan

2.Retty株式会社 10億円 (3月16日)

Facebookと連携させることで実名制を敷いている口コミグルメサービス「Retty」は、3月にグリーベンチャーズ、みずほキャピタルから10億円の資金調達を実施しました。
Rettyはグルメサービスの中でも急速に成長しているサービスで、これまでにも複数回に渡って資金調達を行っており、期待値の高さが窺えます。

実名グルメサービス「Retty」、10億円の資金調達を実施:MarkeZine(マーケジン)

【Retty】10 億円調達、iPhone アプリを大幅リニューアルし、 次なるお店探しの提供を開始:PR TIMES

3.スマートニュース株式会社 12億円 (3月31日)

ニュースキュレーションアプリ「SmartNews」を提供するスマートニュース株式会社は、グリー、グロービス・キャピタル・パートナーズ、Atomico、ミクシィ、Social Venture Partnersから合計12億円の資金調達を実施しました。
スマートニュースは昨年も36億円を調達しており、今回は既存株主からの追加調達となります。

DL数1400万、MAU(月間アクティブユーザー)は500万を超えるSmartNews(2015年12月16日時点)は、昨年は国内のプロモーションに、今年はアメリカでの人材採用を強化するために追加調達を行ったと説明しています。
既にアメリカのMAUは100万を超えており、今後は更にDL数を伸ばし、マネタイズを図って行くようです。

スマートニュースが12億円を追加で資金調達、米国での人材採用を積極化 | TechCrunch Japan

4.株式会社クラウドワークス 30億円 (6月11日)

クラウドソーシング事業を手掛けるクラウドワークスは、サイバーエージェントから5億円、ドイツ銀行から25億円の計30億円の資金調達を実施しています。
クラウドワークスは2014年12月にマザーズで上場しており、今回はプロモーションやマーケティング、人材育成、M&A、資本・業務提携などあらゆる用途を想定した調達となりました。

クラウドソーシング市場は年々急成長を遂げています。
矢野研究所の調査によると、2018年には2014年の4倍強となる1820億円規模に成長する見込みのようです。

クラウドワークス、サイバーに第三者割当増資 総額約30億円の資金調達 | ZUU online

株式会社サイバーエージェントへの第三者割当による新株式の発行、及び
ターゲット・イシュー・プログラム(「TIP」)による新株予約権の発行に関するお知らせ
:株式会社クラウドワークス

クラウドソーシング市場規模、18年度に4倍強  :日本経済新聞

5.株式会社Ptmind 17億円(8月10日)

ヒートマップ搭載のサイトアナリティクスツール「Ptengine」を提供する株式会社Ptmindは、CAC Capitalから総額約17億円の資金調達を実施しました。
「Ptengine」日本国内で20,000サイト以上に導入され、世界でも約100カ国での利用実績があります。

今後更に機能を拡大する他、「Ptengine」で培った技術を元にしたデータマネジメントプラットフォームの開発や人員増強のために資金調達が行なわれたようです。

Ptmind Inc、プレシリーズAまでで総額約17億円の資金調達。世界展開に向けたホールディングス体制へ:株式会社Ptmind

Ptmind Inc総額約17億円の資金調達!【ECのミカタ】

6.freee株式会社 35億円 (8月24日)

クラウド会計ソフト「freee」を提供するfreee株式会社は、8月、シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタル DCM、リクルートホールディングス、ジャパン・コインベスト投資事業有限責任組合から総額35億円の資金調達を行いました。
2013年3月から提供開始のクラウド会計サービス「freee」は、わずか2年で登録事業者数は38万社を超え、業界トップクラスのシェアを獲得しています。

freeeが35億円の資金調達ースモールビジネスを支えるプラットフォームを目指す | TechCrunch Japan

7.マネーフォワード 10億円(8月25日)

自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」や中小企業向けのクラウドサービス「MFクラウド」を提供する株式会社マネーフォワードは、8月、住信SBIネット銀行と静岡銀行と業務提携し、住信SBIネット銀行を傘下に持つSBIホールディングス、静岡銀行、ジャフコから総額10億円の資金調達を実施しました。

自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」は1800の金融機関と連携しており、300万人(2015年12月時点)のユーザーに利用されています。
MFクラウドも40万ユーザーを突破しており、今回の業務提携・資金調達により、両サービスを更に拡充していくようです。

マネーフォワード、住信SBIネット銀行および静岡銀行との業務提携契約を締結。 あわせてSBIホールディングス、静岡銀行およびジャフコから10億円の資金調達を実施予定 | 株式会社マネーフォワード

マネーフォワードが10億円の資金調達、住信SBIや静岡銀行の顧客向けサービスでも連携 | TechCrunch Japan
http://jp.techcrunch.com/2015/08/25/moneyforward/

8.フロムスクラッチ 10億円(12月1日)

マーケティングプラットフォーム「B→Dash」を提供する株式会社フロムスクラッチは、12月1日に株式会社電通デジタル・ホールディングスやグローバル・ブレイン株式会社、投資事業有限責任組合や既存株主らから総額約10億円の資金調達を実施したと発表しました。

「B→Dash」は、リードジェネレーション(見込み客の獲得)やリードナーチャリング(見込み客の選別)など、マーケティングに関わる施策を全て自動化するマーケティングオートメーションを実現するためのプラットフォームであり、今回の資金調達は主に「B→Dash」の機能強化の為の投資のようです。

第三者割当増資による10億円の資金調達実施のお知らせ | 株式会社フロムスクラッチ

業界最高額!フロムスクラッチが10億円を資金調達【ECのミカタ】