コンテンツマーケティングの手段は「テキスト」だけではない

長田氏:
コンテンツマーケティングというと何をイメージするでしょうか?
大体の人はオウンドメディアや記事広告を思いうかべると思います。
これらの共通項は基本的にテキストと写真をベースにした記事形式ということですね。
これはなぜかというと、コンテンツマーケティングは検索を対象とした集客手段だからなんですね。

しかし、2010年を超えて技術が進化し、様々なコンテンツマーケティングの可能性が出てきました。
そもそもコンテンツって何かというと、「記事」だけではないです。
ユーザーとコミュニケーションをとって楽しませるものがコンテンツだと思います。
技術が発達した今、画像、動画、VRを使ったコンテンツの可能性が出てきています。

これらの項目のフロンテイアとして、登壇頂いている3名をお呼びしています。
まずは私を含め、それぞれ何をされているのかお話ししていただきます。

サービス紹介

長田氏:
私は、簡単にいうと編集者です。元々は雑誌の編集をやっていましたが、2006年からデジタルメディアに進みました。そこから様々な企業様のデジタルソリューションをお手伝いしたりしていました。昨年からは「DIGIDAY」というメディアの編集長をやっています。
デジタルマーケティング戦略情報サイトという説明がついているんですが、一般企業様が、デジタルにおいてどのようにユーザーとコミュニケーションをとっていくのかを論じるメディアです。

 

藤岡氏:
資生堂からまいりました藤岡と申します。
今日は私どもが運営しているWebサイト「PICK UP TECHNOLOGY」のテクノロジーをご紹介したいと思います。

資生堂は研究開発に力を入れているんですが、あまり世の中に知られていないんですね。そこでそのことをお伝えすべく、2010年にWebサイトを立ち上げてこれまで運営しています。

基本的に動画をメインとしたWebサイトになっているんですが、動画内ではあまり語らず、動画+Webページという構成にしています。
日本語だけでなく、他言語にも対応しており、スマホも対応しています。
http://www.shiseidogroup.jp/technology/detail/25.html  
これは弊社で行っている脳研究を動画で表現したものです。

なぜ動画なのかというところなんですが、目的が研究開発のご紹介なので、現象などをよりリアルに伝えることができること、また、映像自体がエビデンスになり得る、という点で動画が有効だと考えています。
あとはWebの特性上、動画を出せばニュースサイトに取り上げられやすいというところもあります。

Webで公開していますが、リアルイベントでも活用できますし、言語にあまり依存しないところもメリットかなと思います。

 

秋山氏:
私はHOME’Sという不動産ポータルサイトを運営しているネクストという会社内に設置されているリッテルラボを運営しています。

HOME’Sはスマートデバイス対応を先駆けて行っていたり比較的テクノロジーに強いんですね。
そのなかで、僕が運営するリッテルラボでは新しい住まい探しの研究を「UXの追求、レコメンデーションの研究」を軸に進めています。

例えば視覚障害者の方でも使いやすいUXの追求をしています。でもそれって、ビジネス的には絶対元はとれない。
それでも顧客満足のためにやるべきだという会社の方針のもとに進めています。


レコメンデーションで言うと、世の中にあるレコメンデーションエンジンは不動産と相性が良くないと僕は思っています。
なので、不動産に特化したエンジンを独自開発しています。

あとはプロダクトも幾つか作っています。
例えば、GRID VRICK(グリッドブリック)というものがあります。
家の間取りをおもちゃのブロックで作ってもらいます。そうするとリアルタイムで3D映像に反映されます。その中をHMDを使ってウォークスルーできるという装置です。
南側のここの部分にこういう窓を作れば西日が入るみたいなところが直感的にわかります。

 

沼田氏:
土屋鞄では大人向け、子供向けの2つのブランドを持っています。
弊社の場合、機能だけでなく、情緒的な価値を売り込んで、ブランドの世界観に共感してもらうために、主に画像を使って表現しています。
ソーシャルメディアの場合、パーソナルな空間なので、友達が投稿しているような、なるべく一人称的な投稿を心がけています。

紙カタログも年に二回ぐらい発行しています。
こちらはブランドに興味を持たれた方向けに発行しているものです。

メールマガジンも発行しています。
販売促進もやるが、半分ほどは販売には直越関係ないものです。
世界観に共有してもらうことが重要なので、メルマガを通じて自分たちのブランドを表現できるコンテンツを何度も何度も地道に刷り込んでいく感じですね。




長田氏:
今、お話いただいた話を簡単にまとめるとこのようになりますね。

DSC07133.JPG

コンテンツマーケティングって最初にも申し上げたんですが「記事」と思われる方が多いかと思います。検索に捕まるのが1番の目的ですが、もう1つ大きなトピックとして「記事なら誰でも作れるんじゃないか」という視点もある。
誰でも作れる「記事」を飛び越えて、敢えて動画やVR、画像を使ってコンテンツマーケティングされている皆様に、もう少し詳しく聞いて行きたいと思います。