DWHが活用される主な場面

DWHに保存されたデータは、ビジネスにおける様々な用途で活用されます。DWHが活用される主な場面は次の通りです。

小売店におけるPOSデータの分析

小売店のPOSシステムによって収集される販売データや顧客データは、DWHに保存することで業績の向上に活用されます。

POSシステムとDWHを連携することで、小売店のPOSに入力されたデータを効率よく管理し、スピーディな分析が可能です。季節や地域ごとのデータをDWHに蓄積すると、商品の仕入れや販売戦略の立案に活用できます。

カスタマーサポートの品質向上

顧客の購買履歴や過去のやり取りをDWHに保存することで、カスタマーサポートの品質向上が可能です。

DWHでは顧客に関する過去データが時系列に沿って整理されているため、担当者にかかわらず顧客の属性や好みが把握できます。DWHに保存されたデータをもとに顧客対応を行うことは、的確なサポート提供だけでなく、対応にかかる時間の短縮にも効果的です。

ECサイトの売上改善

ECサイトにおける取引履歴や顧客情報、アクセス解析データなどをDWHで管理すれば、売上改善に役立つ情報が得られます。

例えば、特定のユーザー層に人気の商品を分析し、購入してもらえる見込みの高いユーザーにセールスを行うなどの施策が可能です。

前回の購入から一定期間休眠状態の顧客にアプローチしたり、新たな商品を企画したりする際にもDWHが役立ちます。また、新規顧客の流入経路と購買履歴のデータを結び付けることで、広告戦略の立案も可能です。

DWHの主なツール

DWHとして活用されるツールには複数の種類があります。DWHはツールによって特徴が異なるため、自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。最後に、DWHの主要なツールを3つ紹介します。

Oracle Exadata

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出典:Oracle公式サイト

Oracle社が提供する「Oracle Exadata」は、堅牢性や機能性に優れたDWHです。Oracleデータベースに最適化する形で開発され、従来よりも高速でデータ圧縮率の高い仕様となっています。

すでにOracleのライセンスを保有している場合は、新たにライセンスを作成することなくOracle Exadataを使用できる点がメリットです。

BigQuery

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出典:Google公式サイト

Googleが提供する「BigQuery」は、低コストから使用できるクラウド型のDWHとして人気があります。コストパフォーマンスの高さだけでなく、データの処理速度もBigQueryの特徴です。

BigQueryは導入の手間が少ないため、データベースの専門知識を持たない方でも運用できます。また、外部ツールとの連携も可能な点がBigQueryのメリットです。

Snowflake

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出典:Snowflake公式サイト

Snowflake社が提供するクラウド型DWH「Snowflake」は、データシェアリングやマルチクラウドなど柔軟な機能を持っています。

マルチクラウドとはAWSやAzureなど複数の環境で動作する仕様のことです。Snowflakeはマルチクラウドで動作するため、複数のクラウド間でデータを連携できます。

また、メンテナンスに手間や時間がかからない点や、処理が高速である点もSnowflakeのメリットです。操作画面が分かりやすいため、DWHの導入が初めての場合も無理なく運用できます。