コンバージョンとは、Webサイトをきっかけにどれだけ自社ビジネスの成果を獲得できているかを示す重要な指標のひとつです。そして、このコンバージョンはGoogleアナリティクスを使って日々、追跡することが可能です。

そこで本記事では、Googleアナリティクスを使ったコンバージョンの見方や設定方法について、「コンバージョンとは何か?」という基礎知識から、具体的な設定手順までを解説します。

コンバージョンとは

コンバージョンとは、大まかに言うと*Webサイト運用上の「目標」のことで、略して「CV」*とも言われます。ビジネスでWebサイトを運営しているからには、「集客につなげるため」「売上を作るため」などそれぞれのサイトによって何らかの目標があるはずです。その目標を達成し、成果を獲得することを「コンバージョン」と言います。

コンバージョンという単語を直訳すると「転化、転換」といった意味合いになりますが、Webマーケティングの世界では、「施策」という種まきから成果が生まれ、その「成果」を獲得する、刈り取る、といった意味合いで使われていることが多いです。

コンバージョンとは、Webサイトを運営していくうえでの最重要指標だとも言えます。ビジネスの目標達成プロセスを定量的な指標とすることで、ビジネスのどこに課題が潜んでいるのか可視化できるためです。

そして、GoogleアナリティクスをはじめとするWebアクセス解析ツールを活用することで、「ビジネス上の課題を可視化する」という部分が可能になるのです。

サイトによってコンバージョンの定義はさまざま

コンバージョンの定義は、サイトや業種によってさまざまです。次の表で、代表的な例を見てみましょう。

業種 コンバージョンの例
ECサイト 商品購入
生保、ネット銀行 ・サービス申し込み
・資料請求
旅行、宿泊サイト 予約発生
不動産 ・資料請求
・お問い合わせ
マッチングサイト マッチング発生
コーポレートサイト フォームからの問い合わせ
ホワイトペーパーダウンロード

図1:コンバージョンの例

「コンバージョンの例」では、それぞれの業種において「ビジネスが加速するトリガーになるユーザー行動」を挙げていますが、これらはあくまで「例」であり、コンバージョンの定義とはWebサイト運営者が自社の業種に適したものを決めるべきです。その際、*「どんなユーザー行動を最大化すれば自社ビジネスの成果につながるか?」*という視点で考えてみるといいでしょう。

コンバージョンと、コンバージョンレートの違いを理解しよう

それでは、コンバージョンを確認するためにはGoogleアナリティクスのどこを見ればいいかを解説していきます。

*(1)*まず左メニューの「コンバージョン>目標>概要」をクリック

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*(2)*コンバージョンに関する概要画面が開きます。ここで「目標の完了数」、「コンバージョン率」に着目します。

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出典:Googleアナリティクス デモアカウント画面より

「目標の完了数」とは「コンバージョンを達成した数」です。一方、「コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)」とは「コンバージョン達成につなげる力」を表します。

コンバージョン率は、次の計算式で算出されます。

<計算式>
 CVR= コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100

CVRは、高いほうが良好な状態だと言えます。その理由を、次の具体例に沿って考えてみましょう。

CV数 セッション CVR
ランディングページA 200 1000 20%
ランディングページB 30 100 30%

図2:2つのランディングページCVR比較例

「CV数」だけに着目していると、「ランディングページAのほうが、たくさんCV獲得できていて、断然成果が良い」と捉えてしまいます。

しかしセッション数まで加味して「CVR」に着目すると、「実はランディングページBのほうが、セッションからCVにつながる力が高く、より高い成果を出せているランディングページだ」と分かります。

そのため、Googleアナリティクスで成果を確認する際には「目標の完了数」だけではなく、必ず「コンバージョン率」もセットで追うようにしましょう。