デジタルマーケティングで思うように成果が出ない場合、他社の成功事例を参考にしてみることも一つの方法です。成功事例から、デジタルマーケティングを成功させるために押さえておくべきポイントが見えてきます。

目次

  1. デジタルマーケティングとは
  2. デジタルマーケティングの成功のポイント
  3. デジタルマーケティングの成功事例
  4. 事例を自社のケースに落とし込んで考えよう

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、インターネットやIT技術などを複合的に活用したマーケティング手法です。従来のマーケティングは、新聞や雑誌への広告出稿、テレビCMなどが主流でした。アナログ的なマーケティングは今も存在しますが、現在はインターネットの登場により、Webサイトへのアクセス解析やメールを用いたマーケティングなどが主流となっています。

さらに、AIやビッグデータを活用することで、潜在ニーズやトレンドまで把握できるようになりました。

デジタルマーケティングの成功のポイント

デジタルマーケティングの成功のポイントは次の2つです。

ターゲットに適したアプローチを行う

同じ性質・属性のターゲットは2人として存在しません。そのため、全ての見込み客に同じアプローチをすると「自分には関係がないサービス・商品」と認識される恐れがあります。

メール配信の場合、配信停止やブロックなどをされ、再び見込み客と繋がることができなくなる可能性も否定できません。ターゲットごとに適したアプローチをして初めて成果が出るのです。

ツールで効率的に分析する

ターゲットの性質や属性などから最適なアプローチをするには、購買履歴やメールの開封率、閲覧しているコンテンツなど、さまざまな情報を統合し、多角的に分析する必要があります。
しかし、膨大なデータの紐づけと分析には多大な時間がかかるため、実現は容易ではありません。そのため、データを一元管理できるツールやメールを自動配信できるツールなどを活用した方がよいでしょう。

PDCAも効率的に回せるようになり、短期間で大きな成果に繋がりやすくなります。

デジタルマーケティングの成功事例

デジタルマーケティングの成功事例を見るときは、課題、目的、改善策、結果に注目しましょう。自社に似た課題や目的を持つ企業が実施した改善策を自社にカスタマイズして取り入れることで、成功へ一歩近づくかもしれません。

ここでは、デジタルマーケティングの成功事例を3つご紹介します。

キリン株式会社

飲食業界最大手のキリン株式会社が運営する「DRINX」では、嗜好性の高いお酒の販売や季節やシーンに合わせたお酒の楽しみ方など、さまざまなコンテンツを展開しています。

従来のようにターゲット層を絞り込まずに行うマーケティングではなく、1人1人の好みや趣味からニーズを捉え、個々に合った商品の提案を試みています。

キリンはメーカーであるため、お客様と直接コミュニケーションを取る機会がありませんでした。そこで、DRINXを決済機能を持つECサイトであると同時に、お客様を理解する窓口と位置づけ、購買データや閲覧データを収集し、お客様の気持ちや行動の理解に努めています。お客様へのアプローチ方法、新商品の開発など、キリンのお酒がより多くの人に届くように役立てているそうです。

デジタルマーケティングを行う上で問題となったのが、PDCAを回す時間がないほどに時間的コストがかかるデータ処理とメール配信です。コミュニケーションの質を高め、関係性を構築するには、お客様ごとに必要な情報を適切な方法・タイミングで伝える必要がありました。従来では、Excelでデータを抽出し、別のデータと紐づける作業に多大な時間を要していたため、全データを有効に活用することができていませんでした。

そこで、導入したのがデータを一元管理できるツール(b→dash)です。その結果、データ処理の工数が大幅に減少し、PDCAを回す時間を確保できたと同時に、効率的なメール配信が可能になりました。

ビッグローブ株式会社

ビッグローブ株式会社では、これまでアクセス解析やメール配信、コンテンツレコメンドなど、マーケティング活動に必要なジャンルごとにツールを導入していました。主にCPAで計測・評価していたため、マーケティングプロセスごとに各ツールで計測・分析していました。

また、手作業で紐づけやレポート作成していたため、データ間の誤差や工数増加などが課題となっていたのです。複数のツールを使用する場合、紐づけ作業や管理、操作スキルの習得に時間と手間がかかります。

そこで、b→dashを導入した結果、各ツールからデータを抽出・統合する必要がなくなり、1つのルール内で完結できるようになりました。

どのプロセスでお客様を呼び込むとコンバージョンに繋がりやすいのか、LTV(顧客生涯価値※)はどれぐらいかなどがわかるため、次の施策を高い精度で検討・立案できるようになったそうです。

また、上層部への施策提案の際も、マーケティングプロセスの可視化ができていれば、説得力のあるプレゼンに繋がります。さらに、各マーケティングプロセスごとの成果が可視化できれば、各プロセスでシビアな戦略を立てることもできます。

※顧客がサービスを通じて生涯どれだけの金額を使うかを示す指標。長期継続するほどLTVが高い。

株式会社ネオキャリア

採用サービスを提供する株式会社ネオキャリアは、顧客に提供する価値を高めるために、CRMプロジェクトを発足しました。セミナーの参加者情報やお客様の名刺などの情報を統合できるツールを導入し、「新卒」や「中途採用」「派遣社員」「海外」など、多様な採用サービスのニーズに沿ったメールマガジンを配信しています。採用サービスごとにスコアリングし、そのお客様のニーズが最も高いと思われる情報をメール配信します。その結果、導入初期で開封率20%と比較的良い数値を実現できました。

開封率が上がると、ネオキャリアが実施しているサービスの認知度が高まります。つまり、お客様のニーズを満たしつつ認知度を上げ、売上アップを実現できたのです。さらに、メールを開封した人をリスト化し、さらに別の案内を贈ることでサービスの利用に至ったケースもあります。

メールを開封しているものの問い合わせていない人が読んでいる記事を営業部へ共有し、真のニーズを満たした内容をメールや電話で提案できるようになり、アポイントの獲得率も上がりました。

事例を自社のケースに落とし込んで考えよう

デジタルマーケティングの成功事例を知り、自社の場合ではどうなるか成功ポイントを考えてみましょう。