突然ですが、皆さんはコンテンツマーケティングが何か答えられますか?

ブログ記事のようなコンテンツを大量に配信してトラフィックを集めるタイプ、面白系コンテンツでトラフィックを集め他のコンテンツに誘導するタイプなど、動画などのリッチなコンテンツを使いブランディングを強化するタイプなど、色々なタイプのコンテンツマーケティングが存在しています。

コンテンツマーケティングとは何なのでしょうか。

今回は、コンテンツマーケティングって、最近聞くけど一体何をすればいいのか分からない、というような方向けに、コンテンツマーケティングについて解説します。

目次

  1. コンテンツマーケティングとは
  2. コンテンツマーケティングの歴史
  3. コンテンツマーケティングが流行ったキッカケ
    1. ユーザーが広告にうんざりしていた
    2. Googleの評価がコンテンツの質重視に変わった
    3. コンテンツは資産になる
    4. コンテンツマーケティングは費用対効果が高い
    5. クラウドソーシングが一般化した
    6. 良質なコンテンツはソーシャルで拡散されやすい
  4. コンテンツマーケティングの市場規模
    1. 日本の場合
    2. アメリカの場合
  5. コンテンツマーケティングの事例
    1. 動画コンテンツ
    2. オウンドメディア

コンテンツマーケティングとは

アメリカのコンテンツマーケティングを牽引してきたContent Marketing Instituteによると、

Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly-defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.
引用元:Content Marketing Institute

コンテンツマーケティングとは、収益を生むユーザーに、価値あるコンテンツを制作および提供し続けることで、ユーザーを惹きつけその状態を維持し、エンゲージメントを生み出すことによって、最終的な収益に繋がる行動をユーザーに取ってもらうための一連の手法

です。

これだと理解しづらいかもしれないので、簡単に言いますと、

コンテンツマーケティングとは、「ユーザーが見たい!見てよかった!と思えるコンテンツを公開し続けることで、ユーザーにファンになってもらい、そこから物を買ってもらう」

という感じだとイメージがわくのではないでしょうか。

ユーザーにとって価値あるコンテンツは、ユーザーを魅了し納得を生み出す。
そういったコンテンツを提供し続けることがコンテンツマーケティングの大前提と覚えておきましょう。

コンテンツマーケティングの歴史

コンテンツマーケティングの歴史は意外と古く、1895年(明治28年)にアメリカの農機具メーカーである「Deere & Company」の「John Deere」というブランドが発行した雑誌「The Furrow」が始まりと言われています。
内容は、農家への情報提供で12の言語に翻訳され、40カ国、150万の読者がいると言われています。

1897_Furrow_Front_Page_1897.jpeg

The Furrowは、自社の農機具を紹介するのではなく、新しい技術の紹介や成功する農家になるための方法などを掲載していました。

コンテンツマーケティングの歴史をインフォグラフィックで表しいるのが、こちらです。
CMI_CM_History_Large2.jpeg
引用元:The Best Content Marketing Infographics on the Planet

これによると、紀元前4,200年も前からコンテンツマーケティングが存在していたことになります。
さすがに、これは意識的にやってるわけでもないでしょうし、こじつけ的な感じが否めないですが、次に前述したFurrowがあり、ミシュランによるミシュランガイド、レゴによる冊子発行、NIKEによるNIKE+など、日本でもお馴染みの大企業がコンテンツマーケティングを密かに行っていたことが分かります。

コンテンツマーケティングの歴史について詳しく解説した記事がありますので、ご確認ください。

コンテンツマーケティングの歴史を徹底解説

コンテンツマーケティングの歴史を徹底解説

2015年、伸び率が大きかったキーワードの一つに「コンテンツマーケティング」が挙げられます。しかし、発祥の地アメリカで10年以上前に生まれた言葉で、手法自体は100年以上前からあったと言われています。今回は、2015年、来年2016年も引き続きホットなキーワードであり続けるであろうコンテンツマーケティングの歴史を解説します。

コンテンツマーケティングが日本で流行った理由

古くは100年以上前からあったコンテンツマーケティングですが、なぜ近年になって日本においても話題になっているのでしょうか。

それは以下の5つで説明ができます。

  1. ユーザーが広告による売り込みにうんざりしていた
  2. Googleの評価がコンテンツの質重視へ変わった
  3. コンテンツは資産になる
  4. コンテンツマーケティングはコストが少なく始められる
  5. クラウドソーシングが一般化した

それでは、それぞれを詳しく見ていくことにしましょう。

1. ユーザーが広告による売り込みにうんざりしていた

情報爆発時代において、広告主側からユーザーに発信されていた広告(プッシュ型)に正直ユーザーはうんざりし、ほとんどの広告をスルーし始めました。
それは発信される情報のほとんどが、物を買わせたいという目的が見え見えのものだったからです。

そこで、ユーザーはGoogleなどで検索を行い、自ら気になる情報を取りに行くようになり、プッシュ型からプル型へと変わっていきました。
気になった疑問を解決できる適切なコンテンツを用意することができれば、消費者の満足度は高まります。

こういったことで、企業側はユーザーとの接点を持つためにコンテンツを制作するようになりました。

2. Googleの評価がコンテンツの質重視へ変わった

Googleは「良質なコンテンツを上位に表示させることが、ユーザーの満足度に繋がる」という考えを持っています。
よって、良質なコンテンツを作成・配信し、それをユーザーが支持すれば、しっかりと上位表示してくれるようになっています。

以前まで検索結果で上位表示を狙うために、外部リンクを買うようなSEOが行われていました。
しかし、Googleのアルゴリズムで、そのような不正な検索エンジン対策が次々と摘発されていき、立ちゆかなくなったためコンテンツを作成しトラフィックを集めていこうという流れになりました。
参考:More guidance on building high-quality sites

3. コンテンツは資産になる

今までマーケティングに使われていた費用は、支出と見なされていました。

例えば、ランディングページを作成してリスティング広告を配信する。
広告を配信する期間が終われば、そこで終了です。

しかし、コンテンツは発信すればするほど、Web上に残り続け資産として貯まっていきます。
ユーザーに評価されるような質の良い記事は、Googleが上位に表示してくれるようになっているため、常に集客し続けるコンテンツマシーンとなります。

4. コンテンツマーケティングはコストが少なく始められる

広告と違って、コンテンツを作成し配信することは費用が掛かりません。
自分たちが持ち合わせているノウハウを、ユーザーの求めているニーズに応えるように分かりやすく書くだけなら、自らの人件費ぐらいで済みます。

ただ広告と違い、やればすぐに効果がでるものではありません。
また、効果が保証されたものでもありません。

そこは前提として理解しておきましょう。

集客コストに関する調査.jpeg
画像引用:Inbound Leads Cost 61% Less Than Outbound
hubspotが2012年に行った調査では、最も安価に集客をできた方法として52%がブログと答えています。

5. クラウドソーシングが一般化した

コンテンツ制作には、時間とコストと手間が掛かるため今まで躊躇していた企業は多かったのです。
クラウドソーシングが一般化したことにより、コンテンツ制作に掛かる時間とコストと手間を削減することができると気づき、大量にコンテンツを制作しコンテンツマーケティングを実施しようという流れができています。

しかし、時間もコストも手間も掛かっていないコンテンツは当然質が低くなりがちです。
質の低いコンテンツを見せられたユーザーはどう思うのかを考えなければいけません。

つまり、ただコンテンツを書けばいいってことではないです。
量ばかり増えていても、ユーザーに触れられなければ意味はないですし、触れてもらってもユーザーのニーズを満たす物でなければいけません。

6. 良質なコンテンツはソーシャルで拡散されやすい

シェアなど拡散するといった行動は一般化されています。
良いコンテンツを作成することができれば、莫大なエンゲージメントを得ることができます。

コンテンツマーケティングの市場規模

日本のコンテンツマーケティング市場規模

日本における、コンテンツマーケティングの市場規模ですが、正確データはありませんので、色んな情報から組み合わせて推測するしかありません。

コンテンツマーケティング界隈の市場規模を徹底解説

コンテンツマーケティング界隈の市場規模を徹底解説

一口にコンテンツマーケティングと言っても、カバーできる範囲が広すぎるためにどのような施策がコンテンツマーケティングの枠組みに入るのかいまいちわからないという方も多いのではないでしょうか。 今回は、コンテンツマーケティングを構成する業界を洗いだした上でそれぞれの市場規模を調べ、コンテンツマーケティング全体の規模感を推測してみました。

正確な調査ではないので何ともいえませんが、現時点では1,000億円ほどの市場規模ではないかと考えられます。

ただ、2015年1月にGinzamarkets社が実施した、日本国内BtoCマーケター100名によるコンテンツマーケティング調査からも分かるように、コンテンツマーケティングマーケティングの一環として活用する企業は増えています。
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日本国内BtoCマーケターによるコンテンツマーケティング調査2015年版

アメリカのコンテンツマーケティングの市場規模

日本より10年以上先に進んでいると言われている、アメリカのコンテンツマーケティングの市場はどうなのでしょうか。

Custom Content Councilの2012年の調査によると、アメリカでの市場規模は439億ドル(5兆2680億円)に届くそうです。
At Nearly $44 Billion, New Survey Shows Rise in Content Marketing Budgets

また、Content Markting Instituteの調査によれば、77%のBtoC企業がコンテンツマーケティングを利用しているそうです。BtoBになると、86%もの企業がコンテンツマーケティングを利用しているそうです。
2015-09-28.jpeg

参考:B2C CONTENT MARKETING 2015 Benchmarks,Budgets,and Trends—North America
参考:B2B CONTENT MARKETING 2015 Benchmarks,Budgets,and Trends—North America

日本より10年進んでいるというアメリカで、ほとんどの企業がコンテンツマーケティングを利用していることを考えると、日本市場も今以上に伸びていくことが想定できます。

contentmarketing.jpeg
ちなみにこれが、content marketingコンテンツマーケティングGoogle Trendsのデータです。
コンテンツマーケティング」で検索しているのは日本人ぐらいなので、日本でのニーズと世界でのニーズの比較としています。

コンテンツマーケティングの事例

コンテンツマーケティングは、文字通りコンテンツに特化したマーケティング手法なのでその形態は様々です。
オウンドメディア、音声、動画などなど、コミュニケーションタイプによっても違いますし、コンテンツの展開方法によっても違います。

代表的な手法は以下になります。

1.動画コンテンツ

コンテンツマーケティングの最前線アメリカでは動画コンテンツが盛んです。
テキストよりも情報量を詰め込める動画はインパクトがあり、そのインパクトからすぐにシェアもできるため、非常に効率が良いです。

タイの生命保険会社Thai LifeのUnsung Hero

タイの生命保険会社がYoutubeに投稿したUnsung Hero(無名のヒーロー)は、2015年9月時点で2,800万回も再生されているコンテンツマーケティングの成功事例と言えます。

街の人々に、対価を求めること無く善意を与え続ける無名の青年を通じて、人生における大切なモノはなにかを問いかける動画になっています。
動画の最後にロゴとURLが出てきて、興味を持った人を誘導する仕組みです。

VolvoのThe Epic Split feat. Van Damme

車メーカーのVolvoがYoutubeに投稿した動画は、8,000万回も再生されている化物コンテンツです。
俳優のジャン・クロード・バンダムが後ろ向きに並走しながら走る2台のトラックのサイドミラーに足を掛け車ごと移動するという動画で、数々の広告賞を総ナメにしています。

Volvoは、様々な動画コンテンツを積極的に配信しています。
https://www.youtube.com/user/VolvoTrucks

2.オウンドメディア

LIG

lig.jpeg
ユニークな記事でファンの多いLIGのオウンドメディアLIGブログ

Web制作会社であるLIGが、企業としての認知を拡げるための広報機関として運営をしているもの
引用元:自社ブログが300万PVになってわかったオウンドメディア戦略の成功事例と問題点まとめ

とかいてある通り、実際はユニークな記事は2割、技術系記事が8割で、Web制作会社のオウンドメディアとして存在しています。

LIG

まとめ

いかがでしたでしょうか。
コンテンツマーケティングとは何かをご紹介しました。

クラウドソーシングによる、コンテンツSEOからの流れを受け継いだコンテンツマーケティングが日本においては主流になっています。
しかし、海外ではもっと大きな枠でコンテンツを使ってマーケティングの問題を解決しようとしています。

コンテンツマーケティングの形はコンテンツの幅と同様に色んな形があります。
自社の目指すゴールと現実のギャップを埋めるために、どんな形式で・どんな媒体で、どんなコンテンツを出すのが最適なのかを、しっかりと設計していくことが重要です。

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