売上を出す仕組みを分解してKPIを考える

KPIを設定する際には大きなKPIにどのような小さなKPIが連なっているのかを分解するとわかりやすくなります。
大きな指標のままだと具体性に欠け、何に取り組んだらいいのかわからなくなってしまいます。大きな指標にはどのような指標が関わっているのか見ていきましょう。

その際にはKPIロジックツリーという手法を利用すると便利です。

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KPIロジックツリーは、計画全体の目標であるKGIに連なる形で作ります。
KGIとはKey Goal Indicatorの略で、目標を達成できたか測る指標のことを言います。

例えば、町内会で祭りを開催する時に来客数の目標を3000人と設定し、そのために盆踊りで500人集客するとした時、KGIは祭り全体の来客数のことを言います。その際、盆踊りの参加者数はKPIとなります。

KPIKGIについては、こちらに詳しい記事があるので参考にしてみてください。

参考:
目標設定に必須!KGIとKPIの違いを徹底解説

企業の運営するアプリで言えば、ECアプリアプリでの商品販売の売上をKGIに設定し、クーポンアプリはクーポンの利用によって発生した売上がKGIとなるでしょう。

KGIに連なるKPIは、アプリの内容になって異なります。
その中でもECアプリやゲームアプリで覚えておきたいアクティブユーザーと平均単価について解説します。

参照:
【決定版】アプリ事業のKPIツリー

アクティブユーザーに関わるKPI

アクティブユーザーとは、ある期間の間に1回以上の利用がある顧客を言います。アプリの場合、ダウンロードしたまま一度も起動しない可能性もあります。そのようなユーザーとわけて、アクティブユーザーと表現します。

アクティブユーザーには大きくわけて3つの種類があります。

DAU(デイリーアクティブユーザー)
1日にサービスを利用したユーザーの数

WAU(ウィークリーアクティブユーザー)
1週間あたりでサービスを利用したユーザーの数

MAU(月間アクティブユーザー)
1ヶ月あたりでサービスを利用したユーザーの数

アプリの内容によって、どの範囲からアクティブユーザーと定義づけるのかは変わります。ニュースアプリでは毎日ログインされることが望ましいですが、ECアプリで毎日購入してもらうのは現実的ではありません。アプリに合わせた指標を注視するようにしましょう。

アクティブユーザーを構成するKPIには以下のようなものがあります。

新規流入数
新しくユーザーになった数です。

継続率
新規流入のうち、アクティブユーザーとして継続している割合で、リテンション率とも言います。
例えば、11/1~7までにインストールされた数が100で、その後1週間のうち(11/8~14)に再度アプリを利用した数が100人中50人いたとしたら、継続率は50%となります。この時の時間軸の設定はアクティブユーザーの基準同様、アプリの内容によって変える必要があります。

ストア流入
AppStoreやGoogle Play ストア‎を経由して獲得した新規ユーザーの数です。

広告流入
広告などの活用によって新規で獲得したユーザーの数です。

口コミ流入
他のユーザーからの口コミにより、獲得したユーザー数です。

平均単価に関わるKPI

売上を伸ばすにはアクティブユーザー=客数だけでなく、一人当たりの単価を見ることが大切です。以下はその平均単価に関わるKPIです。

課金ユーザーの割合
ゲームアプリで重要になる割合ですが、ECアプリでも関わる項目です。
ユーザーの中にはカタログ感覚で見るだけで購入に至らない顧客もいます。顧客全体のうち、実際に商品を購入している割合をKPIに設定するのもいいでしょう。

商品単価
販売する商品の単価です。単価を上げれば、その分平均購入単価は上がりますが、顧客が購入しなくなるリスクもあります。

一度あたりの購入点数
一回あたりの商品購入数の平均です。

購入頻度
商品をユーザーが購入する頻度の平均です。

クーポンサイトにおけるKPI

Web上で集客した顧客を実店舗へと誘導する手法をO2Oマーケティングと言い、このようなタイプのアプリKPIの設定に工夫が必要です。
飲食店や家電量販店で多く運用されているクーポンアプリがこれに該当します。

クーポンアプリKPIには以下のようなものが想定されます。

リーチに対するコスト効率
どれだけの人にどの程度のコストで情報を届けられたかの数値です。
広告やシステムにかかる費用アプリの運用にかかったコストを、アプリの利用者数で割ることで算出することができます。
1人あたりのコストが、実店舗で1人あたりが購入する金額を超えているようであれば見直しが必要です。

クーポン利用数
提供したクーポンの利用数です。
クーポンの利用数を計測するには、実店舗での計測が必要です。POSレジであらかじめクーポン利用の際に記録できるよう設定するなどの工夫するようにしましょう。