ビッグデータとの共通性

インダストリー4.0を進めていく上で、Iot等の技術を駆使し、データ情報を集めるビックデータ部分と従来のERPの部分とでプラットフォームをわけていてはいけません。

プラットフォームが1つでなければ、IoTからのフィードバックをスムーズにビジネスプロセスにすぐに反映させることができず、事業の効率化や自動化へ影響を与えてしまいます。

インダストリー4.0を進める際、ビックデータの活用は不可欠です。常に最新のビックデータ情報に対応しうるプラットフォームの基盤を作らなければならないということも、頭に入れておく必要があります。

参考:[インダストリー4.0は何の革命かビッグデータ、オープンデータの動きと軌を一にする社会システム革命の始まり|J-STAGE] (https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/59/3/59_147/_html/-char/ja/):blank
  

日本国内の動きと今後のビジネスへの影響

インダストリー4.0は、ドイツから発信され、世界へと広がりつつあります。日本でも2016年4月28日に、日本国経済産業省とドイツ経済エネルギー省との間で「IoT/インダストリー4.0協力に係る共同声明」への署名を行いました。

共同声明では、両国の企業による成功事例の共有や国際標準化・規格化への協力、研究機関間での今日どうプロジェクトの実施が項目として挙げられています。また、同年5月4日にドイツで行われた首脳会議では、安倍総理もこの共同声明を歓迎し、日独で協力して「第四次産業革命」を実現したいという声明を発表しました。

日本国は長年「ものづくり国家」と呼ばれてきたほど、製造業が国の経済の根幹を成しています。そのため、国全体がインダストリー4.0を推進していくことで、日本国内の製造業の発展にも寄与していくでしょう。

実際、周辺機器との接続能力を強化したインダストリー4.0対応型の工場機械が開発・製造されるなど、日本国内にもこの動きは広まりつつあります。そして、製造業各社もたインダストリー4.0対応型の工場機械を前提とした業務プロセスの構築に力を入れ始めています。

実際の事例

業務プロセスのIoT化が生む効果は様々です。人間が行っていたプロセスが減ることにより、必要な人員は減り、コストの削減へとつながるでしょう。

中東欧やアジア諸国に比べ、時間当たりの労働コストの絶対額が高いドイツから提唱されたのには、このようなコストの削減を狙う背景があったようです。また、コスト面だけではなく、業務が効率化することによってサービス品質の向上も見込めます。

今回はインダストリー4.0によって実現した業務プロセスのIoT化の事例を紹介します。
  

1. 株式会社フクル・オーダーメイドのドレスの個別大量生産

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株式会社フクル ホームページ

群馬県に所在する株式会社フクルでは、オーダーメイドドレスの縫製工場でインダストリー4.0を実現しています。従来、オーダーメイドのドレスはパターンによって取り扱う布の量が異なるだけではなく、顧客の望む色や質感に合わせて細かく発注を行う必要がありました。

ホームページから色やサイズ、生地などを選んで発注すると、注文をもとにシステムが複数の商社へ自動発注します。自動発注された生地は工場に届き、縫製を行います。今まで発注にかかっていた工数を減らすことで、アジア圏での安い人件費による大量生産に対抗しています。

参考:群馬でオーダーメードを“大量生産“|日経ビジネス
  

2. ボッシュ・生産品ごとの組み立て指示により1つの生産ラインで多品目の製造

ドイツの自動車機器メーカーであるボッシュのドイツ南部にあるブライヒャッハ工場では、工場機器や電動工具をインターネットでつなぐことで、業務プロセスの自動化を図っています。

例えば、自動車用油圧バルブの生産ラインでは、品目ごとに異なる組み立て指示をしておくことで、たった1つの生産ラインながら300品目もの生産品を製造しています。また、電動工具をネットワークにつなぐことで、指示に応じて締め付けの力を自動で変更するといった作業の効率化も行っています。

将来的には、生産品自体が機械や工具に指示を出し、自動で製造工程を組み替えたり、製造から発送までの流通の状況をリアルタイムで記録したりといった展開を見込んでいます。

参考:【ボッシュ】インダストリー4.0に取り組むボッシュ 人を主役に工場の進化を目指す|日経ビジネスオンライン Special
  

3.Amazon・家庭内の消耗品をボタンひとつで発注

総合ネットショップAmazonでは、家庭内の商品をボタン1つで発注できる「Amazon Dash」というサービスを提供しています。

Amazon Dashは人間が目視で確認し、ボタンを押すと発注できるという仕組みにとどまりません。Amazonではほかの企業と提携し、Amazon Dashに対応した各種サービスや製品の開発に協力しています。実際に、プリンターのメーカーであるブラザーからは、インクの減り具合に応じてAmazonでインクを自動発注する機能を持つプリンターが販売されています。

このような機器の登場やセンサーシステムの発展に合わせて、冷蔵庫や照明などの家電が自分で足りないものを判断して発注する将来がくるかもしれません。

参考:備品を自動で発注してくれるAmazon Dash対応製品が登場|TechCrunch Japan
  

4.MAMORIO・失くすを無くすIoTシステム

MAMORIOは紛失や備品管理を行う法人向けの紛失管理システムです。

MAMORIOを付けた製品が手元から離れると専用のスマートフォンアプリに通知されます。お財布や鍵などの重要物や会社から貸与されているPC、社員証など無くしてはいけない物などにMAMORIOを装着しておけば、万が一、手元から離れた場合には、すぐに通知が来るので、失くしてすぐに紛失に気付けるため、大切な物の紛失防止に役立ちます。さらにMAMORIOは、見ず知らずのユーザーが使っているMAMORIO機器ともつながっているため、失くしてしまったMAMORIOと他のユーザーがすれ違った時にはその場所が通知されるので、ユーザー皆で、失くしてしまったMAMORIOを探しだすことができます。

IoT技術で国内のの紛失減少に大きく貢献してくれています。
参考:MAMORIO