Amazonや楽天市場など、国内には多くのプラットフォーム(プラットホーム)と呼ばれるサービスが展開されています。

プラットフォームとは、商品やサービス・情報を集めた「場」を提供することで利用客を増やし、市場での優位性を確立するビジネスモデルです。
オンラインだけでなく、証券取引所や青果市場のようなオフラインのビジネスにも共通するものであり、誰もが一度は利用したことがあるサービスと言えるでしょう。

今回はプラットフォームとはどのようなビジネスを指すのか、またなぜ市場で優位性を発揮できるのかを解説します。

市場全体を揺るがすこともあるサービスモデルについて、まずはその仕組みから学んでいきましょう。

目次

  1. プラットフォームとは
  2. プラットフォームの代表例
    1. Windows
    2. Apple
    3. Facebook
    4. Amazon
    5. 楽天市場
    6. クックパッド
  3. プラットフォームが「すごい」3つの理由
    1. ネットワーク効果により、他社を圧倒するサービスの質を実現できる
    2. 顧客数に応じて、膨大な量の情報を得ることができる
    3. 複数のサービスを1つの場所で提供するため既存のリソースを活用できる
  4. まとめ

プラットフォームとは

プラットフォームとは「関連する情報やサービス・商品を展開する土台となる環境」を指します。「プラットホーム」と呼ぶこともあります。

多くの関連する情報やサービス・商品を「土台(platform)」に乗せることで、1社だけで実現できる量をはるかに超えたサービスや機能の提供を可能にしています。

この仕組みは、オンラインサービスだけのものではありません。
例えば、大型ショッピングモールは出店する場を提供することで顧客を集め、モール全体の会員サービスやイベントを展開することで囲い込みを行っています。

自社自身が商品を製造・販売することなく、出店している企業から場の提供料金=テナント代を得ることができるショッピングモールはプラットフォームと同様の仕組みと言えるでしょう。

プラットフォームの代表例

無料で手軽に利用できるものから、特別な条件を満たさないと参加できないものまで、ネットの世界では様々なプラットフォームが展開されています。

なかでも代表的な5つのサービスについて見ていきましょう。

1.Windows

Windows_10_を入手___最新の_Windows_デバイスのご紹介___Microsoft.png
https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/get-windows-10

Windowsはパソコンを動かす基盤となるOSというシステムの一種です。

OSはそれ自体にイラストが描ける機能や表計算の機能は組み込まれていません。
OSを土台として動くアプリケーションにより、多くの機能を実現しています。

この土台を基本的には誰もが利用できるよう公開したのがWindowsの特徴です。
そのため、多くの企業や個人は、Windowsという環境に合わせて数多くのアプリケーションを開発しました。

結果として、ユーザーアプリケーションの機能を利用するためにWindowsを導入せざるをえません。
この仕組みにより利用者は拡大し、現在では世界のOSのうちシェア90%を超える揺るぎない立ち位置を築いています。

参考:
Windows 7/10/XPが増加 - 12月OSシェア

Apple

Appleは「Mac」や「iPhone」などのデバイスを販売するとともに、「App Store」と「iTunes」を提供しています。

「App Store」は、全世界の様々な企業や個人が開発したiOS向けアプリのプラットフォームとなっており、一般ユーザーはApp Store上からアプリを検索し、所有しているMacやiPhoneにインストールすることで、アプリを利用できます。

「iTunes」は、様々な音楽コンテンツをデータとして配信・販売するサービスであり、利用者はiTunes上の楽曲をデータとしてダウンロードすることで、コンテンツを利用できます。

これらのプラットフォームはAppleが販売する端末の所有者と、アプリ提供者・楽曲提供者をつなぐ役割となっています。

2.Facebook

フェイスブック.png
https://www.facebook.com/FacebookJapan/

FacebookのようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)も、プラットフォームの1種です。
SNSはユーザー同士のつながる場所を提供し、多くのユーザーを集めています。

その膨大なユーザーへリードが取れることをアピールし、Facebookは企業向け広告サービスを展開しています。

企業は自社の広告を多くの人に見てもらい、売り上げにつなげたいものです。
そのような企業にとって、たくさんの消費者が日々チェックしているSNSは魅力的な出稿先と言えるでしょう。

3.Amazon

Amazon___本__ファッション__家電から食品まで___アマゾン.png
https://www.amazon.co.jp/

世界最大のネットショップサービスであるAmazonも代表的なプラットフォームの1つです。
自社が確保する商品だけでなく、多くの企業がAmazonに出品することで豊富な品揃えを実現しています。

ネットショップサービス以外にもAmazonプライムという会員サービスを展開し、動画の視聴や特別な配送オプションを提供しています。
このようにプラットフォームでは最初に提供し始めたサービスにとどまらず、幅広い分野へと展開を広げていくこともあります。

4.楽天市場

【楽天市場】Shopping_is_Entertainment__:_インターネット最大級の通信販売、通販オンラインショッピングコミュニティ.png
http://www.rakuten.co.jp/

楽天市場は、ファッションやインテリアなどあらゆるジャンルのショップが出店する場を提供しているプラットフォームです。
自社が商品を調達することなく、それぞれのショップが商品を用意することで豊富な品揃えを実現しています。

プラットフォーム内で統一された楽天スーパーポイントという会員向けサービスを展開しているのが特徴です。

5.クックパッド

レシピ検索No.1/料理レシピ載せるなら_クックパッド.png
https://cookpad.com/

クックパッドは、料理のレシピや料理動画を集めたプラットフォームです。
ユーザー自身が作成したレシピを投稿できるのが特徴で、そのシステムによりレシピの掲載数を増やしています。

自社のリソースだけでは実現できない膨大な掲載数がクックパッドの強みといえるでしょう。

プラットフォームが「すごい」3つの理由

紹介したようなプラットフォームはどうして市場の中で独自の地位を築けるのでしょうか?
それには大きく分けて3つの理由があります。

1.ネットワーク効果により、他社を圧倒するサービスの質を実現できる

ネットワーク効果とは「ある人がネットワークに加入することでその人の利便性だけでなく、ネットワークに所属する他の人の利便性も上がる効果」のことで、「ネットワーク外部性」とも呼ばれています。

例えば、クックパッドの場合、ユーザーが投稿すればするだけプラットフォームに掲載されるレシピ数は増えます。
レシピが充実するほど、他のユーザーにとっても利便性は高くなるでしょう。
その結果、他社には追いつけないほどの充実したレシピサイトとなり、市場での優位性を確保できます。

ネットワーク効果で代表的なものは、電話です。
電話は一人が利用していても意味はなく、複数の人が電話回線を利用するからこそ多くの人の間でやり取りが可能になるでしょう。
その結果、他の人が利用しているからと消費者の多くは登録をせざるをえなくなるのです。

一方では、ユーザーが多くなればなるほど便利になる利点の裏返しにはユーザーが少なければ機能しない」という危険性が存在します。
ユーザーが離れていけば、次第にプラットフォームの利便性は低くなってしまうでしょう。

参考:
[コラム SNSとネットワーク効果]
(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h19/html/j132c000.html)

2.顧客数に応じて、膨大な量の情報を得ることができる

プラットフォームは利用者数が増えるほどネットワーク効果により利便性が増していきます。それは他社に追いつけないサービスを生み出すだけでなく、ユーザーから多くの情報を得られることを意味しています。

例えば、Amazonの場合、顧客ごとの購入データを得ることで属性ごとの購入傾向を把握することができ、販売の施策に生かすことができます。
このような膨大な量のデータは「ビックデータ」と呼ばれ、活用次第では大きな力を持つといわれています。
そのようなビックデータを得ることができるのは、プラットフォームの大きな強みの1つと言えるでしょう。

3.複数のサービスを1つの場所で提供するため既存のリソースを活用できる

例えば、楽天市場の場合、同じホームページ内で複数の店舗の商品情報を掲載しています。
これにより、各店舗が独自にネットショップを開くよりも手間も費用もかけずに、商品の販売を行うことができます。

このようにもうすでにあるリソースを活用できるのが、プラットフォームのメリットです。

また、楽天市場やAmazonは自社のプラットフォーム内で電子書籍やクレジットカードサービスなどの独自のサービスを提供しています。

その際に、既存のホームページ上で告知ができるだけでなく、サービスの会員に結びつけて営業も行えます。
そのため単体でのサービスよりも、高い集客効果を狙うことができるでしょう。

参考:
<プラットフォーム戦略>アップル、アマゾンを超えるビジネスモデル -平野敦士カール氏
[プラットフォーム戦略は、なぜ現代最も重要なビジネスモデルと言えるのか?]
(http://leverage-share.com/study/post-1865/)
デジタル時代のプラットフォーム戦略
今枝 昌宏『ビジネスモデルの教科書:: 経営戦略を見る目と考える力を養う』

まとめ

FacebookやAmazonのように多くのサービスや利用者を集めることで「場」を作り出すプラットフォームは、規模が大きくなればなるほど強い効果を生み出します。
プラットフォームが多くの顧客をかかえ込むほどに、その周辺に存在するサービスは苦戦を強いられるでしょう。

実際にAmazonはネットショップ業界において他社を突き放すほどの強固な立ち位置を確保しており、その基盤を元にしてFireTVやkindleのような新たなサービスを展開しています。

自社の業界にはそのようなサービスは生まれないだろうと考えていても油断はできません。
IT業界のAppleがiTunesで音楽業界に参入したように、異業種から新しいサービスが持ち込まれることもあります。

プラットフォームを自社で開発するのか、パートナーとして組むのか、あるいは別の共同サービスを生み出すのか、企業は選択を迫られているのかもしれません。

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