「シリコンバレー」というアメリカ発のコメディドラマをご存知でしょうか。
新興ハイテク会社と、それを儲かる大企業に押し上げようと奮闘するギークな若者たちの日常を描いたこのドラマは、2年連続エミー賞に3部門もノミネートされるほどに人気を博しました。
このドラマが好きで、スタートアップを応援するのが好きになったという人もいるのではないでしょうか。

ところで、スタートアップが成功する要因は果たして何でしょうか。
以前メンバーが他のスタートアップの創業者と一緒に働いているから、あるいはビジネスの分野が注目されているからでしょうか。
実際には様々な状況が絡み合ってスタートアップの行く末が決まりますが、分かりやすいのはベンチャーキャピタル(VC)からの出資額です。
VCからの出資額は、スタートアップとしての期待度と考えてもいいでしょう。

今回は、Bloombergが報じているベンチャーリサーチ企業Quidによる最も約束されているベンチャー企業50社の中から、特に出資額が大きく期待されているベンチャー企業を7社ご紹介します。

きっと聞いたことがないけれどこれから爆発的に成長しそうなスタートアップ7選

1. Quanergy Systems

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Quanergy Systemsは2012年に設立された、シリコンバレーの中心であるカリフォルニア州サニーベールに本社を置くセンサー・ソフトウェアメーカーです。
自動車の先進運転支援システム(ADAS)やその先に実現する完全自動運転で必須の技術として注目を浴びている3Dレーザースキャナの開発に注力しています。

LiDARと呼ばれる超小型センサーは短波長の光(レーザー)を照射し、その反射を読み取って対象を認識する技術で、電波を用いるレーダーより小型化できるだけでなく、3次元の物体認識が可能になります。
対象認識ではカメラを用いたセンサリング技術もありますが、適用範囲がカメラに映る範囲に限定されてしまう一方で、レーザーであれば道路標識などの色を識別することができます。
子どものこぶし一個ぶんほどの大きさのセンサーは、価格面、パフォーマンス、信頼性、サイズ、重要、パワー効率すべての面で業界をリードしています。

出資額:1億3450万ドル

2. Meta Company

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Meta Companyは2013年にKickstarterからスタートしたシリコンバレーの*AR(拡張現実)*に関する技術を開発している会社で、同年Y Combinatorのシードアクセラレータープログラムを受けています。
ARといえば日本でもポケモンGOのおかげで飛躍的に注目を浴びるようになりましたが、Metaで開発されているのはヘッドセット型のARデバイスです。

2016年3月にデベロッパーキットとしてリリースされた*ARヘッドセット「Meta2」*は、マイクロソフト社の「HoloLens」の3分の1の価格(約15万円)で入手することができます。
コロンビア大学発のAR技術をもとに研究・開発され、現実の視界に透過型ディスプレイを使ってバーチャルの映像を重ね、手の動作や物体の位置関係、奥行(深度)などを内蔵カメラで認識し、操作を可能にします。
オクルージョン技術でCGと現実の各物体との位置関係を重ね合わせ、奥の物体は手前の物体に隠れるといったことも可能になっています。
コンタクトレンズやメガネをつけたままでも装着可能で、ディスプレイは2560×1440ピクセル、オーディオスピーカーも4つ内蔵されています。

出資額:9900万ドル

3. Shape Security

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Shape Securityは2011年にカリフォルニア州マウンテンビューで設立されたサイバーセキュリティのスタートアップです。
ウェブサイトやアプリケーションが、自らのコードを自動的に変形させる悪質なマルウェアなどの自動攻撃を防ぐようなセキュリティをはじめ、デジタル詐欺と呼ばれるオンラインバンキングなどを狙った手法などの防止にも尽力しています。

例えば、製品のひとつであるShapeShifterでは、Webサイトのソースコードを、閲覧するたびに自動的に異なるように変えて、サーバーを監視します。
悪質なボット、マルウェア、ローグスクリプトなどからの攻撃から身を守ることができるうえに、一般ユーザーからはいつも通りサービスを使ってもらうことができ、水面下でのサイバーセキュリティ活動を行うことができます。

出資額:9100万ドル

4. Omada Health

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Omada HealthはWebテクノロジーを使ったデジタル医療分野のシリコンバレースタートアップで、創業メンバーはGoogleやIDEO、Amazonの元従業員などで構成されています。

Omada HealthがリリースしているPreventは、最も簡単に始められる糖尿病予防サービスで、トップページから4つの質問に答えるだけで、匿名で糖尿病のリスクを計算してくれます。
リスクが高かった場合は、Preventプログラムへの参加が推奨されます。
プログラムでは、アメリカ政府が推奨している糖尿病予防プログラムをもとに、専門家がユーザーの日々の生活週間をチェックし、16週間でユーザーの体重を適正体重まで減らし、正しい食習慣に矯正していきます。

Odama Healthではまずアメリカで患者人口が多い糖尿病を切り口にビジネスを展開していますが、今後は喫煙や高血圧、腰痛などのほかの問題にもアプローチする予定です。

出資額:7700万ドル

5. Airware

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Airwareは2011年にカリフォルニア州ニューポートビーチでスタートしたドローンのベンチャーで、2014年にサンフランシスコに移転しました。
ドローンに関する技術はハードウェアだけでなくソフトウェアやデータのクラウド管理まで多岐に渡ります。

2016年9月にはフランス・パリにあるドローン系スタートアップRedbirdを買収し、建設や測量、インフラ点検などで、ドローンから得られたデータの分析や必要なデータの提供などを行えるようになり、経営的にもヨーロッパに進出することができるようになりました。
ドローンの最大の特徴は空撮にありますが、目的に応じてセンサー機器を搭載することで、たった1回の飛行で大量の一次情報を収集することができるようになります。

また、ドローン本体のハードウェアだけでなく、ドローン向けOSを開発しており、MicrosoftがWindows OSを提供し、実際のハードウェアは様々なメーカーが作ったように、Airwareもドローン向けOSを提供したいと考えています。
ドローンOSが実現すれば、サードパーティの開発者が自分たちの目的に応じて様々なアプリケーションを開発することができ、ドローンの可能性をさらに広げることになるからです。

出資額:7530万ドル

6. Remind

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Remindは2011年に設立された*デジタル教育分野(Edtech)のスタートアップで、同名のモバイルメッセージングプラットフォーム「Remind」*を提供します。
アメリカ国内でのシェアはすでに月間2000万アクティブユーザーを超えており、2016年9月時点でアメリカの公立学校の50%以上がRemindを利用しています。

Remindでは、先生がWebサイト上やiPhone・Androidアプリ上で*「クラス」*を作成し、生徒や親はサインアップして「クラス」に登録します。
「クラス」では、先生はメッセージを送りますが、一方向による発信のみで、生徒や親は返信する必要がありません。
もともと宿題のリマインダーやテストのお知らせなどを送信するためのメッセージ機能ですが、あらかじめメッセージを予約投稿する機能や過去のメッセージを掲示板のように見る機能もあります。

日本でいえばLINE@が提供する機能に近いですが、教育分野に特化し、実際に教育水準をあげることに尽力しているのは注目すべきところですね。

出資額:5950万ドル

7. Kahuna

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Kahunaは2012年に設立された*AI(人工知能)*に関するスタートアップ企業で、プッシュ通信やアプリ内メッセージ、Eメールなどのさまざまなプラットフォームに対応したマーケティングオートメーションソフトを作っている会社です。

KahunaのSmart Contentと呼ばれる製品ではA/BテストならぬA-to-Eテストと呼ばれるマーケティングテスト(A/BテストにC・D・Eの変数を加えたテスティング)を行うことができ、最大で73%のコンバージョン率改善に寄与します。
さらに驚くべきは
Smart Channel
という製品で、こちらはAI技術を利用したプッシュ通信やメールによるマーケティングを行うことで、コンバージョン率を*300%*改善する実績があります。

出資額:5830万ドル