年を追うごとに右肩上がりで成長していく通信販売(通販)の市場。その中でも、インターネット通販はダントツの成長を見せており、通販市場の拡大を牽引する存在になっています。

では、ほかの通販を例に紹介します。例えば、現在、カタログ通販が落ち込んでいるのかというと、今も堅調に売上げを伸ばしている媒体も存在します。なぜ、インターネットとカタログが同じ市場で競えるのか?そこには、「顧客視点」という、マーケティングにおいて重要性の高いキーワードが隠れています。

今回は、カタログがインターネットに勝利できる理由を解明すべく、通販市場に見る、顧客視点についてご紹介していきます。
  

通販市場の成長!「顧客視点」がカギを握る

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通信販売に見る「顧客視点」の重要性

「コレがなくしては生活できない」という人がいるほど、私たちの日常生活に浸透した通販。市場の伸びは著しく、年々右肩上がりの成長率を見せています。

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が発表した「2015年度通販市場売上高調査」によれば、2015年度(2015年4月~2016年3月)の通信販売市場における売上高は、前年比約6%(3,600億円)増の6兆5,100億円で、直近10年間においては毎年3,000~4,000億円ずつ成長を続けています。

この成長の牽引役になっているのが、「Amazon」や「楽天」、「ZOZO」などのインターネット通販の存在です。市場でのインターネット通販の躍進ぶりは目を見張るものがあります。一方で、カタログ通販やTVショッピングなど、かつては通販の代表的な存在だった従来型のものは、勢いを失いつつあるのが実情です。

何がインターネット通販の躍進を後押しし、何がカタログ通販などの従来型から勢いを失わせたのでしょうか。それは、「顧客視点」です。顧客視点の重要性について、インターネット通販は「顧客視点」の重要性を早くから認識し、顧客の満足度を高めるための工夫を随所に採り入れてきました。
  

顧客視点=買う側の目で見る通信販売

「顧客視点」とは、簡単に言うと”買う側の目線”で、マーケティングの成功には欠かせない要素です。「お客様の声」のようにはっきりと言語化されるものよりは、どちらかというと顧客が言語化しない、できない潜在的なニーズを表現する時に用いられます。

通販は、顧客に直接働きかけて取引を行う、ダイレクトマーケティングの代表格的存在ですが、接点は案外少なく、受注時と配送時だけということが大半です。しかし、この数少ない接点で「顧客視点」の重要性を認識し、対策を取っていることがインターネット通販の成長した理由と言えます。

具体的には、商品購入時と配送後のフィードバック・コメントや顧客情報などをもとに、”顧客が本当に欲しているものは何か”を推測して仮説を立てて検証し、あらゆる部分・サービスの改善に役立てる、というようなことです。

新規参入の多い、競争の激しい市場ですが、その中で成長しているネット通販は、「何が売れているか、売れていないか」だけではなく、「顧客が本当に買いたいものは何か」「どう配送されてほしいのか」という部分を意識しなければなりません。この「顧客視点」の重要性を深く理解してマーケティングに活かす必要があり、これについてはインターネット通販に限りません。