ハンドメイド・マーケットを利用するメリット

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取引連絡や決済をサイトが代行するほかに、ユーザーにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

この種のサイトには、商品や作家に「お気に入り」登録をしたり、コメントを寄せたりするSNS的な機能があります。そのほかにも、TwitterやFacebookなどの大手SNSとの連携機能があるため、商品を通じた交流や口コミによるPRがしやすいという点もその1つです。個人取引ではブログや掲示板などの限られた場所での交流に留まっていましたが、SNSという大きなプラットフォームと連携する事で周知効果は大きく広がりました。

また、商品ページや閲覧履歴の端に、似たような傾向の商品を表示するサジェスト機能によって、本来は目に入らなかったはずの商品に触れる機会が生まれます。

これは購入者だけではなく、出品者にとっても大きなメリットです。先述した「キュレーション」機能も、ただ漫然と検索結果を眺めているだけでは生まれない、商品とユーザーの結び付きを生み出すのに一役買っています。

出品者にとってのメリット

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出品者にとってのメリットの一つは、売れ筋のトレンドを示すデータが容易に手に入る、という点です。トップページに表示される売れ筋商品や「お気に入り」投票数、「キュレーション」への反応などは、商品の増産や新商品の開発に向けての重要な判断材料となります。

出品者=作り手としては、買い手からの反応を直接受け取る事ができるのは、モチベーションを維持する意味で非常に大きなメリットがあります。丹精込めて作った商品に、「きれい」「可愛い」「ステキ」「買って良かった」などの感想を貰う事は、収入に匹敵する、時として上回る満足感が得られます。耳の痛い指摘を突き付けられる時もあると聞きますが、それも作家としての成長の一助となると思えば、的を得た批判も重要な経験といえます。

実務的な面からは、在庫管理の負担が軽減されるメリットが挙げられます。商品によっては受注生産方式が採れますから、完成品在庫を最低限に抑える事が可能です。この種のサイトでは、注文ページに「サイズ/色/素材」等の項目をメニュー形式で入力できる機能があるため、発注時の間違いも起こりづらいようになっています。

このようなドロップシッピング型の生産・出荷方式なら、小規模な工房や副業作家でも少ない負担で生産の継続が可能ですし、買い手の方も「自分用に誂えた1点もの」というプレミア感が得られます。
  

まとめ

陶芸や木工品など、設備や在庫の管理に広いスペースが求められる作家は、どうしてもその拠点が郊外や地方になってしまいます。そのため、販路の確保が悩みの種だとよく耳にします。

商品を置いて貰える店舗や施設を運良く確保できたとしても、多くの人の目に触れる都市部のセレクトショップや、道の駅のようなアンテナショップは限られています。

そうなると、次はネットを活用した通信販売の出番だというわけです。
こちらも旧来の方法ではアクセス数を稼ぐだけでも難しいものです。

しかし、年中無休の見本市のように、常時大量の商品が並んでいる場があれば、周知効果は格段に上がります。ハンドメイドマーケット・サイトは、このような作家にも販促の場を提供する意味でも大きな意義があります。作家自身にとっても、同業、時には異業種作家の作品に触れる機会が増えるのは、良い刺激となります。

ビジネスの側面から見ても、先にご紹介した「Esty」の項で触れたように、作家がデザインのトレンドを生み出していくようになるとします。すると、有力デザイナーやメーカーが作り出した「流行」ではなく、自然発生的な潮流がこれからの主流になっていくのではないかと考える事ができます。

大量生産により誰もが同じ商品を求める時代を経て、限定品や1点ものへと消費者の興味も移り変わっています。このような時代に、ネットワークを介したマーケットビジネスは非常に親和性が高いといえるのではないでしょうか。