注意すべきポイントは2点!企業が新規メディアを立ち上げる際に準備すること 〜競合、自社、ターゲット分析編〜
日本国内のビジネスシーンにおいて、2015年に最も注目を集めたキーワードの1つに「コンテンツマーケティング」があります。その勢いは約2年という月日が経過した今でも衰えることを知らず、各企業・団体ではコンテンツマーケティングの要素を取り入れてオウンドメディア(自社メディア)の強化に乗り出そうとしています。
コンテンツマーケティングとは
収益を生むユーザーに、価値あるコンテンツを制作および提供し続けることで、ユーザーを惹きつけその状態を維持し、エンゲージメントを生み出すことによって、最終的な収益に繋がる行動をユーザーに取ってもらうための一連の手法
ちなみに、企業や団体が実際にオウンドメディアの1つとしてメディアを立ち上げる際に気を付けたい点が2つあります。ご存知でしょうか。
まず1つが「発信テーマは他プレイヤーと競合しないか」であり、もう1つが「発信したい領域に読者はいるのか」という点です。
そこで今回は、この2つを明らかにするために、競合、自社、ターゲットの分析を行いながら、自社メディアのポジションを整理していきます。
参考:
コンテンツマーケティングの歴史を徹底解説|ferret
コンテンツマーケティングって?今さら聞けない基礎知識と使われる13の手法|ferret
ゼロからわかる オウンドメディア 立ち上げガイド
オウンドメディアの立ち上げに欠かせない基礎知識から、具体的なノウハウまでを解説した資料です
競合のリストアップと整理
企業が新しいサービスやプロダクトを開発する際に競合分析を行うように、情報発信においても競合プレイヤーの分析が必要です。分析を実施することで、「自社はどのように情報発信するべきなのか」が明確になっていきます。
分析の際には、持っておいたほうがいい視点は次の3つです。
分析を実施する上で持つべき視点
・自社と同業種で情報発信を行っている事業会社や団体
・同テーマで情報発信を行う媒体
・同業種ではあるが、まだ情報発信に取り組んでいない事業会社や団体
情報発信という点においては、事業会社だけではなく媒体も競合になり得ます。また、既に情報発信を行っている競合以外にも、まだ情報発信を行っていない同業種もチェックが必要です。将来、競合になる可能性が高い事業会社を事前に把握することで、自分たちの優位性を明確にしておく必要が生じ、競合の参入に備えることができます。
次に、リストアップした競合を整理します。ポジショニングマップに情報を配置していくと、「発信したい内容が競合プレイヤーと被っていないか」「空いている領域はあるのか」を可視化でき、全体像が把握しやすくなります。
参考:
ポジショニング【Positioning】|ferretマーケティング用語辞典
自社を理解して、発信したいテーマを明確化する
競合と同時に自社の分析も行うことで、自社が情報発信をする際にどのようなポジションを狙うべきかを明らかにしていきます。
参考:
コンテンツマーケティング、ブランドジャーナリズム、組織のカルチャー発信……企業が情報発信をする際にどこに「軸」を置くべきか?|ferret
自社の確認をしながら、情報発信を通じて「自社はターゲットにどのように認知されたいのか」を考えます。
情報発信において訴求すべきポイント
・「自社のブランドにどのようなイメージを持ってほしいか?」
・「発信を通じて投げかけたいメッセージは何か?」
メディアの担当者は、上記のような質問項目を自分やチームに投げかけ、答えられるようにしておくと、自社の発信テーマを言語化しやすくなります。また、テーマを社内で共有する際にも役立つはずです。
これらの質問項目をアンケートなどの形式でユーザーに投げかけてみてもいいかもしれません。
競合分析と自社分析を行うことで、発信したいテーマが絞られていきます。発信したいテーマやポジションが明確になれば、そのテーマを発信するメディアを運営する上で、どの程度のリソースが必要になりそうなのか、その予算やリソースは自社にあるのかを考えていきます。
競合が存在するテーマで発信を行う場合、自社の人員や予算の規模で競合と差別化が行えるのかどうかを確認する必要があります。競合が存在する場合は差別化を行うために、発信内容をニッチで尖ったものにするなど、発信の仕方を考え直すことも必要です。
競合が存在しないと考えられるテーマで情報発信を行う場合でも、自社の人員や予算がどれくらい必要なのかは確認しておくべきでしょう。
読者のニーズを探るために、ペルソナをつくる
自社の発信テーマを決めていきながら、どんな読者に求められているのかを調査します。
読者のニーズを探るために、「どのような読者にコンテンツを届けたいのか」を明確にする必要があります。マーケティングにおいて読者像を具体化して考えるための手法として一般的なのが、ペルソナです。
ペルソナとは
企業や商品の典型的なターゲットとなる顧客像のこと。
ペルソナの概要やつくり方については、ferretでも数多くの記事が掲載されているので参考にしてみてください。
参考:
ペルソナ【Persona】|ferretマーケティング用語辞典
ホームページ運営に欠かせない!ペルソナの設定方法とは?|ferret
ペルソナ設定を行う時に参考になる記事5選|ferret
ペルソナ設定にソーシャルリスニングが有効な理由とは?|ferret
ペルソナを設定する手法はメディアづくりにおいても有効です。サービスやプロダクト開発におけるペルソナのつくり方をメディアの読者分析に応用すると、次のようなステップが考えられます。
設定したペルソナ情報をメディア分析に応用
1.発信するテーマが似ている媒体を探し、読者はどのような人々かを考える
2.知り合いの中で、発信する内容が届いてほしい人を具体的に思い浮かべてみる
3.知人にどのようなコンテンツを読みたいかヒアリングする
これらの調査を進めていく過程で、読者像の輪郭がはっきりしてくるはずです。読者像がある程度明確になった段階で、ペルソナを設定します。
引用元:https://ferret-plus.com/4064
ペルソナづくりと合わせて、知っておきたいのがカスタマージャーニーマップの作り方です。ペルソナとして設定した読者が、メディアにどのようなタイミングで接触し、どのような体験をするのかを想像しやすくするために、カスタマージャーニーマップを作成してみることも有効です。
参考:
カスタマージャーニー【Customer Journey】|ferretマーケティング用語辞典
カスタマージャーニーマップって?作成するために最低限知っておきたい基礎知識と活用事例|ferret
まとめ
今回は、競合、自社、ターゲットの3つの分析を通じて、自社が立ち上げるメディアのポジションを整理する方法を解説しました。
本記事におけるポイント(要点)
・情報発信における競合の把握
・「自分たちはターゲットにどのように認知されたいのか」を明確化
・発信したい内容やテーマは読者が求めているものなのかを探る
競合の有無、自社の整理、読者の具体化。これらを実施することで、どのような情報発信を行っていくべきかが描きやすくなります。
こうした作業を進める上で、マーケティングで注目されている手法や考え方を知っておくことは大切です。ポジショニングマップやペルソナ、カスタマージャーニーマップなど、分析、整理をするための考え方を知っておきましょう。
攻めるべき領域や攻め方を考えていく上での土台ができれば、次はメディアのイメージを具体化し、チームで共有していく作業に進んでいきます。
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- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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