メールマーケティングで多くの見込み顧客にアプローチしているものの、コンバージョン率が低くて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。メールの件名はもちろん、本文の流れや言葉づかい、コンバージョンへの導線など、細部にこだわり抜かなければコンバージョンは実現できません。

ここでは、メールマーケティングにおけるメールの件名・本文の書き方のポイントを解説します。

目次

  1. メール件名の付け方のポイント
  2. メール本文の書き方のポイント
  3. メールマーケティングの成功のために必要な条件
  4. メールの開封率とクリック率の目安
  5. メールの件名・本文を工夫してコンバージョン率を高めよう

メール件名の付け方のポイント

メールの件名は、メールを開くかどうかを決める重要な要素です。次のポイントを押さえてメールの開封率を上げましょう。

件名に社名を入れる

メールチェックの際は、開封する必要性を判断します。「メールの差出人(会社)」が不明なメールは、時間的都合とセキュリティの観点から開封しない企業が少なくありません。そのため、社名は件名か差出人名に必ず含めることが大切です。

件名に個人名を入れるかどうかはケースバイケース

件名に個人名を入れることが有効なケースもありますが、不要なケースもあります。

有効なケース 不要なケース
知名度のある個人名を入れる 差出人の名前を入れる
送信先のお客様の名前を入れる

差出人の名前を件名に入れる必要はありません。差出人名を見ることで送信元がわかるため、開封率に影響がないばかりか件名の文字数を圧迫します。また、送信先のお客様の名前を入れることも開封率にそれほど影響はなく、件名を圧迫するため不要です。

ただし、お客様の名前を入れることが開封率アップに繋がるとされる情報も多いため、試しに入れてみてもよいでしょう。件名の文字数を圧迫するため、それほど効果がない場合はやめることをおすすめします。

件名に名前を入れるのであれば、知名度のある個人名を入れましょう。例えば、イベントに登壇する知名度が高い人物の名前を入れる方法があります。また、本文に登壇者の発言を含めると、イベントに対する関心を深めることができます。

○○通信vol.2といった文章は不要

メールを定期的に送信する場合、○○通信vol.2のように連載ものであることをアピールするケースがあります。件名に入れるメリットがないうえに文字数を圧迫するため、避けた方が無難です。

件名でアピールするのではなく、実際に定期配信をしてアピールしましょう。

伏せ字は有効

伏せ字には、メールを開封する欲求を高める効果が期待できます。ただし、次の注意点を守りましょう。

  • 注目度が高いワードは伏せない
  • 伏せ字に対する期待値と実際の内容を合致させる
  • 釣りタイトルにしない

注目度が高いワードを伏せると、他の文章に魅力的な部分がなくなり、開封したくなくなる可能性があります。

また、伏せ字の効果で「早く開封したい」「素晴らしい内容が書かれているのでは?」と感じたものの、本文の内容がお客様の期待どおりの内容ではなかった場合は、次回からのメールの開封率が低下するでしょう。

件名に対して本文の内容が乏しい場合は「釣りタイトル」と判断され、お客様の信頼が低下する恐れもあります。

メール本文の書き方のポイント

メールの件名が魅力的で、送信元企業に対する信頼感が強い場合に開封率が上がります。件名とあわせて、本文の書き方のポイントも押さえることが大切です。

メール本文の書き方について詳しく見ていきましょう。

ファーストビューを見やすく仕上げる

メールを開封して最初に目に入る画面を「ファーストビュー」といいます。ファーストビューはモニターサイズや受信環境などで異なりますが、一般的なサイズのスマホとPCでファーストビューの範囲を確認するだけでよいでしょう。

ファーストビューを見やすくするために、適所に改行を入れるとともに、最適な文字サイズに設定します。こだわるならば、GmailやYahoo!メールなど、複数のメーラーでファーストビューを確認してみてください。

複数のCTAを記載する際は訴求と見せ方に注意

CTAを複数設置することに問題はありませんが、次のポイントを押さえましょう。

  • 注力コンテンツを1つに絞って件名に入れる
  • 注力コンテンツファーストビューにCTAと説明を入れる
  • 非注力コンテンツは注力コンテンツの下に配置し、1スクロール程度に収める

複数のCTAを設置すると、いずれかのコンテンツがクリックされる可能性があります。メールマーケティングの目的は信頼獲得だけではなく、CTAへのコンバージョンも含みます。

メールマーケティングの効果を少しでも得るために、CTAは複数設置した方がよいでしょう。

CTAを複数設置する際は工夫する

CTAを複数設置すると提供する情報量が増えるため、流し読みされるリスクが高まります。また、メールの作成工数も増えるため、CTAの数を増やしすぎないよう留意が必要です。

複数のCTAを設置する場合は、次のポイントを押さえて位置を決めましょう。

  • 1スクロール以内で重複して表示されない
  • ボタンや文字リンクバナー画像などデザインを変える

CTAの背景色と文字色はイメージカラーよりも彩度を少し下げる

CTAの背景色と文字色は、視認性が良ければ組み合わせは問われません。ただし、メールの雰囲気を左右するため、コーポレートサイトのカラーや製品・サービスのイメージカラーと揃えることをおすすめします。

なお、彩度を少し下げるとクリック率が高いとのデータがあります。

CTAのサイズは150~200px

メールの幅は500~600pxのため、それよりも小さいサイズに設定します。目安としては150~200pxですが、多少前後してもクリック率に大きな影響はないでしょう。文言はシンプルな方がよいため、文字数が多すぎないように注意してください。

CTAのデザインはベタなデザインで良い

CTAはベタなデザインの方がクリック率が上がる可能性があります。ベタなデザインとは、長く使われている一般的なデザインのことです。「長く使われているのはクリック率が高いから」という考え方もできます。

流行のデザインでもクリックに繋がらないのであれば採用する必要はなく、いずれ廃れていくと予想されます。

本文1行あたりの文字数目安は15~20文字

本文1行あたりの文字数は、15~20文字を目安にしましょう。ただし、送信時の文字サイズや受信側の設定によって意図しない位置で改行される場合があります。そのため、次のポイントを押さえて文字数、改行を設定してみてください。

  • 1文は短くする
  • 改行しない
  • CTAはなるべく上に設置する
  • 1~2文ごとに空行を入れる

上記を押さえると表示崩れが起こりにくいでしょう。

メールマーケティングの成功のために必要な条件

メールマーケティングの成功で重要なのは、件名と本文の内容だけではありません。次の条件を全て満たしてメールマーケティングを成功に導きましょう。

レスポンシブデザイン

業種やメルマガの内容で異なりますが、多くはモバイル端末で開封されているため、レスポンシブデザインの採用は必須でしょう。次のポイントを押さえて、見やすいメールを作成することが大切です。

  • シングルカラムにする
  • 余白を多めに取る
  • キャッチコピーは短く簡潔に
  • 画像サイズを圧縮して読み込み時間を短縮する

明確なCTA

CTAで文章を設定する際は、「短くわかりやすく」が基本です。ただし、読者の感情変容を起こせなければクリックされないため、「クリックすると何を得られるのか」「どのようなメリットがあるのか」がわかる文字リンクを設定しましょう。

例えば、経理の業務効率化によって人件費を30%カットした実績がある場合は、「経理の業務効率化で今すぐコストダウンする方法」といった文字リンクを設定します。

ランディングページの充実化

メルマガのクリック率が高くても、その先のランディングページが充実していなければコンバージョン率は上がりません。メルマガの内容とランディングページでの訴求を一致させることが重要です。

また、クリック率を上げるために製品・サービスのアピールをしたのであれば、その内容が事実であることがわかるように、ランディングページにも同じ情報を掲載しましょう。

例えば、「○年度実績お客様満足度98%」であれば、同じ内容をランディングページに含めることで、その情報に対する信頼感が増します。

メールの開封率とクリック率の目安

メールの開封率とクリック率は、業種によって異なり、目安は以下の通りです。

  • 開封率の目安:20~30%
  • クリック率の目安:2~4%

なるべく目安の開封率・クリック率に近づけるように、トライアンドエラーを繰り返してメールマーケティングの精度を高めましょう。

メールの件名・本文を工夫してコンバージョン率を高めよう

メールマーケティングの成功には、件名・本文の工夫が欠かせません。目新しい方法を試すのも1つの方法ですが、まずは王道のテクニックを用いて効果を測定しましょう。

また、ツールを活用するのも1つの方法でしょう。メールマーケティングの知識がなくても簡単に効果が高いメールを作成できるため、忙しい方でも効率的に取り組むことができます。