自社独自のキャラクターでプロモーションを行うキャラクターマーケティングでは、個性あるキャラクターが欠かせません。
ですが、商品やサービスの特徴をキャラクターに盛り込んでも、いまいち他のキャラクターとの差別化をはかれないということもあるでしょう。
そのような時に利用できるキャラクターデザインとして、商品やサービスを人に見立てイラストにする「擬人化」が挙げられます。

今回は、擬人化を使ったキャラクターマーケティングの事例をご紹介します。
擬人化によるキャラクターはTwitterなどのSNSで大きな反響を得ることもあり、地域のキャラクターであっても全国区の認知度になるかもしれません。
それぞれの事例を通して、どのような点がユーザの心をつかんだのかを考えてみましょう。

擬人化とは

「擬人化」とは、人ではないものや概念を人に見立てて、キャラクター化することです。
その分野は幅広く、国や艦船、銃器、学問分野など形の有無に関係なく擬人化されています。

擬人化の代表的なものとしては「アンパンマン」があげられるでしょう。
「アンパンマン」は、ジャムおじさんが作ったパンに生命が宿ったものであり、まるで人のように走ったり、話したりします。
アンパンとしてではなく、人格を持ったアンパンマンとして長年愛されてきた良い例と言えるでしょう。

参考:
[ワールドなかまのしょうかい|それいけ!アンパンマン]
(http://www.anpanman.jp/world/detail.html?id=6)
[「擬人化」がもたらす新コミュニケーション|ORICON NEWS]
(http://www.oricon.co.jp/news/2030402/full/)

擬人化を用いたマーケティング事例

自社の商品やサービスを擬人化することで、キャラクター展開を行っている企業もあります。
では、どういった企業が擬人化をマーケティングに取り入れているのでしょうか。
6つの例を見てみましょう。

1.みなべ川森林組合

あつあつ情報局.png
http://www.kishu-binchotan.jp/index.htm

「紀州備長炭」の原木林育成や生産者への支援活動を行っているみなべ川森林組合では、公式マスコットキャラクターとして備長炭の「びんちょうタン」を採用しています。

びんちょうタンはもともと株式会社アルケミスト江草天仁氏が描いたキャラクターであり、2006年にはテレビアニメ化もされているキャラクターです。

こちらのキャラクターを原作者からぜひ公式マスコットキャラクターとして利用してほしいという声があり、組合で採用することとなりました。

参考:
[みなべ川森林組合とびんちょうタン|みなべ川森林組合]
(http://www.kishu-binchotan.jp/bintyoTAN01.html)

2.JAうご あきたこまち

JAうご_あきたこまち_美少女イラストパッケージ___イラスト_西又葵.png
http://www.ja-ugo.jp/onlineshop/akitakomachi.html

秋田県に所在する、うご農業協同組合では生産・販売しているあきたこまちを美少女化したイメージイラストを製品パッケージに採用しています。

通常のパッケージとは別に用意された美少女パッケージはネットでの注文も受け付けており、平成平成24年度には年間およそ45トンもの注文がありました。

300gの小分けパックも用意し、贈答品としても利用しやすい仕様となっています。

3.SUNTORY オランジーナ

SUNTORY_×_pixiv_オランジーナ擬人化プロジェクト_結果発表.png
http://www.suntory.co.jp/softdrink/spcontents/pixiv/orangina/

SUNTORY オランジーナでは、イラストコミュニケーションサイトpixivとコラボし、商品を擬人化したイラストを消費者に募るキャンペーンを実施しました。
応募総数は5000件以上にのぼり、受賞作品はオリジナルパッケージとしてコミックマーケットやフランスで開催されたJAPANEXPOで展示されました。

こういったユーザー参加型のコンテンツをUGCといい、ユーザーに楽しんでもらいながらキャンペーンに応募してもらうことが可能です。

参考:
[「おーいお茶俳句大賞」や「#手作りチョコガーナ 」も!ユーザー生成コンテンツ(UGC)を使ったキャンペーン事例]
(https://ferret-plus.com/7210)

4.きょうと市民しんぶん

市民しんぶん:全市版902号.png
http://www.shimin-shimbun.sakura.ne.jp/DigitalBook/SS_Z0902/_SWF_Window.html

京都市が発行している「きょうと市民しんぶん」では、環境月間に合わせてゴミを擬人化したイラストとコンテンツを掲載しました。
小型家電ゴミが回収されることでリサイクルされ、新しい金属に変わるということを髪がボサボサで身なりも汚い姿から清潔感のある男性に変貌する様子で表されています。

参考:
[市民しんぶん:全市版902号|京都市]
(http://www.shimin-shimbun.sakura.ne.jp/DigitalBook/SS_Z0902/index.html)

5.NHK

受信料の窓口|もっとNHKキュン活ほっとらいん__さらに受信してくれる方へ_.png
https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/freshers/index.html

NHKでは、受信料の仕組みを解説する特設ページ上で自社の番組内容を擬人化したコンテンツを公開しました。

情熱的な大河ドラマ風に武将やクールなスポーツ解説員など、番組内容にあわせた男性キャラクター達が解説文に登場します。

それぞれのキャラクターには有名声優も起用され、Twitter上で話題となりました。

6.SHARP

『家電少女』にて『シャープ』とのコラボイベント開催が決定!シャープの家電製品が家電少女として登場!!|株式会社番町製作所のプレスリリース.png
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000010434.html

SHARPでは家電を擬人化したアプリゲーム「家電少女」とコラボし、アプリゲームの特定条件をクリアすることで自社商品を擬人化したキャラクターをゲットできるイベントを開催しました。

茶葉を挽く・沸かす・点てるを1台で行える「お茶プレッソ」を擬人化し、和服の女性にするなど自社製品の特徴がキャラクターに盛り込まれています。

※2017年6月現在、「家電少女」はサービスを終了しています。

まとめ

擬人化を使ったキャラクターマーケティングは、「あきたこまち」や「みなべ川森林組合」のように組織や商品のキャラクターとして設定し、商品パッケージなどに活用されています。また、「SUNTORYオランジーナ」や「NHKキュン活ほっとらいん」のように短期的なキャンペーンとして展開する方法もあるでしょう。

自社の商品やサービスを擬人化する際には、人格として成立するだけのキャラクター性をつける必要があります。ユーザーにとってキャラクターに親しみを感じるだけの魅力を出すためには、製作者側が商品・サービスへ向き合い、特徴や魅力を引き出すようにしましょう。