LINE公式アカウントは、企業や店舗経営者などが無料で作成できるアカウントです。アカウント数は過去5年で3倍近くまで増加しており、集客のための有用なマーケティングツールとして幅広く使われています。

この記事では、これからLINE公式アカウントの運用を考えている方に向けて、集客方法や運用のコツを紹介します。具体的な施策や成功事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. LINE公式アカウントが集客に適してる理由
  2. LINE公式アカウントでの集客に向いている企業・サービス
  3. LINE公式アカウントでの集客のステップと具体的な施策
  4. LINE公式アカウントの運用のコツ
  5. LINE公式アカウントで集客に成功した事例
  6. LINE公式アカウントで集客して、売上を拡大させよう

LINE公式アカウントが集客に適してる理由

まずは、LINE公式アカウントが集客に適している理由を見ていきましょう。

  • 圧倒的なユーザー数
  • ユーザーとのコミュニケーションの取りやすさ
  • 高い反応率（開封率）

LINE公式アカウントはSNSの中でもユーザー数が多く、幅広い年齢層の方が利用しています。Instagramは若い世代が多く、Twitterは中年層が多い特徴がある中で、LINEにおいては10代から60代以上までと利用層が幅広いことが特徴です。そのため、多くの企業で活用できます。SNSはLINEのみを使っている方もいるため、LINE公式アカウントだからこそアプローチできるスマホユーザーも多くいます。

また、LINEはチャット形式でメッセージが表示されるため、ユーザーとのコミュニケーションを取りやすいことも魅力です。LINEのメッセージは開封率が高いことでも知られており、LINEから得た情報で商品を購入したりサービスを利用したりするユーザーも増えてきています。

LINE公式アカウントでの集客に向いている企業・サービス

LINE公式アカウントによる集客に特に向いているのは、以下のような、商品を販売したり対面で接客をしたりするような業種です。

  • 飲食店
  • アパレル系
  • スーパーなどの小売店
  • 宿泊業
  • マッサージ店
  • エステサロン
  • 学習塾
  • クリニックや病院
  • コンサルティング業
  • 動画配信サービス
  • 漫画配信サービス

カフェや居酒屋などの飲食店、アパレル系のブランドなどはLINE公式アカウントによるマーケティングがおすすめです。1対1で接客をするような企業には、特に向いていると言えます。

LINE公式アカウントでの集客のステップと具体的な施策

次は集客へのステップと、具体的な施策をあわせて紹介します。

1.友だち（見込み客）を増やす

LINE公式アカウントで集客をするためには、まず友だちを増やすことが先決です。ここでは、友だちを増やす施策について見ていきましょう。

●広告を出稿して露出を増やす

LINE公式アカウントは露出がなければ、ユーザーの目には止まりません。そのため、広告出稿などを上手く利用しながら露出を増やしていくことが大切です。広告の出稿には費用がかかりますが、せっかく作成したアカウントを見てもらうためにも積極的に取り入れるようにしましょう。

関連記事：LINE広告とは？他の広告との違いや機能詳細、活用例まで解説

●登録するメリットを訴求する

顧客側は、LINE公式アカウントを登録するメリットがなければ利用しません。例えば、「友だち追加で10％OFFクーポン獲得」や「友だち追加で1品サービス」といったユーザーへのメリットがあれば、友だち登録をしてくれる可能性が高くなります。このように、登録するメリットを訴求することは非常に重要なポイントです。

●SNSやWebサイト、店頭などで告知する

飲食店や小売店などの場合には、LINE登録を促す広告を店頭に置くのがおすすめです。目につくレジや席にポップを置いておくだけでも、露出を増やすことができます。また、あわせて店頭での声かけなどを行いましょう。

また、SNSやWebサイトがある場合には投稿やサイト内での告知を行う方法もあります。SNSはLINEだけでなくInstagramやTwitter、Facebookなどいろいろな媒体があるので積極的に活用しましょう。告知をする際には、必ず登録するメリットを分かりやすく記載してください。

●LINE VOOM（旧：タイムライン）に投稿する

友だちを増やすなら、LINE VOOMへの投稿もおすすめです。LINE VOOMは以前、タイムラインとして機能していたツールで、普段の何気ない呟きや宣伝などを載せられます。写真・動画・テキストが投稿できるため自社をアピールできるような内容を投稿しましょう。

2.友だちにアプローチする

友だちが増やせたら、次はアプローチを行います。ここでは、アプローチの施策を紹介しているのであわせてチェックしてみてください。

●商品・サービスに関するメッセージを配信する

LINE公式アカウントでは、友だちに対して好きなメッセージを配信できます。新しい商品の告知やセール情報などを配信できるほか、各サービスの紹介メッセージなども配信可能です。配信の方法には一斉配信とセグメント配信があります。

一斉配信…友だち全員に同じメッセージを送信する配信方法

セグメント配信…顧客を各項目で分類し、それぞれのニーズに合わせて情報を出し分ける配信方法

メッセージの配信は多すぎても嫌がられてしまいますが、少なすぎると忘れられる可能性があります。お店や会社のことを思い出してもらうためにも、定期的な配信を心がけましょう。

●チャットで相談を受け付ける

商品やサービスに対する相談も、LINEなら手軽に受け付けられます。顧客側もチャット感覚で気軽に質問できるため、相談窓口を設けておくのも良いでしょう。1対1でのコミュニケーションが可能なため、丁寧かつ迅速なサポートができるのが特徴です。

●クーポンを発行する

LINE公式アカウントからの集客を考えるなら、クーポンを発行するのもおすすめです。LINEで配信されたクーポンがあると、顧客の購買意欲や利用意欲を高められます。「LINE限定クーポン」などと記載しておくと、ブロックや友だち解除もされにくいでしょう。特に、クーポンの発行はリピーターの獲得に最適な施策です。

●ショップカードを利用してもらう

よりリピート率をアップさせたいなら、LINE公式アカウントの機能「ショップカード」の導入を検討しましょう。ショップカードとは、商品購入や来店などで得られるポイントをLINE上で管理できるシステムです。貯まったポイントごとに特典を用意しておくと、顧客が貯める楽しさや使う楽しさを実感してくれます。ポイントが貯まってくると「また行こう」「また利用しよう」と考える顧客も増え、リピート率のアップに繋げられるはずです。

LINE公式アカウントの運用のコツ

LINE公式アカウントは運用すれば集客がアップするわけではなく、効率よく活用するならいくつかコツを押さえる必要があります。ここでは、運用のコツを5つに分けて見ていきましょう。

運用の目的や目標を明確にする

まずは、運用の目的や目標を明確にしましょう。マーケティングにおいてはどんな戦略でも重要視される部分ですが、LINE公式アカウントの場合は目的や目標によって運用方法も変わります。新規顧客を獲得したいか、リピーターを増やしたいかによっても配信方法が異なるので、必ず最初に目的と目標を設定しておきましょう。

メッセージの配信頻度と時間帯を検証する

顧客に対してメッセージを送る際、配信頻度や時間帯は必ず検証しましょう。ターゲット層によって適している配信時間や頻度が異なります。例えば、主婦向けのサービスなら家事が落ち着く10時から11時頃や一息つく13時前後がおすすめです。会社員や学生向けなら、朝の通勤・通学の時間帯やお昼休み、寝る前の落ち着ける時間などを選びましょう。

配信頻度は多すぎても少なすぎても見てもらえなくなるため、バランスを考えて配信する必要があります。多くの企業では週に1～2通を配信しているため、1つの目安として参考にしてみてください。

メッセージは親しみやすく工夫する

メッセージの内容は親しみやすいものにするのがおすすめです。あまりにかしこまった内容だと、気軽に読めず避けられてしまいます。初回のあいさつ文は特に重要視されており、そこで継続してメッセージを読むかどうか決めるユーザーも多いです。

親しみやすいといっても軽い言葉遣いだと避けられてしまいがちなので、丁寧でありながら読みやすい文章を心がけましょう。初回のメッセージでは企業やお店の紹介とともに、これからの配信頻度や時間帯などを伝えておくと親切です。

文字だけではなく、画像も使用する

LINE公式アカウントにはリッチテキストと呼ばれる、画像とテキストを同時に送信できる機能があります。テキストだけでなく画像も盛り込んだメッセージにすると、興味を持ってくれるユーザーが増えて新規顧客の獲得にも繋げられます。

ブロック防止のためクーポンやリッチメニューを配信する

LINE公式アカウントは配信途中でブロックされてしまう可能性があるため、定期的にクーポンやリッチメニューを配信して飽きられない工夫をしましょう。「このアカウントはお得だから継続して見よう」と思えるような内容にすると、ブロック率を下げられます。

リッチメニューには、クーポン・ショップカード・外部サイトのリンクなどが設置できます。トーク画面の下部に表示されるためユーザーの目に止まりやすく、リッチメニューでクーポンを配信すると使い勝手も良いのでおすすめです。

LINE公式アカウントで集客に成功した事例

LINE公式アカウントの運用方法やコツが分かったところで、実際に集客に成功した事例をいくつか紹介します。

3ヵ月で友だち約36,000人増加（CJ FOODS JAPAN）

美酢・bibigo・ダシダなどを展開する「CJ FOODS JAPAN」では、3ヶ月でLINE公式アカウントの友だちが約36,000人増加しています。友だち追加をしてくれたユーザーにクーポンを配布するだけでなく、使い忘れ防止のために3日後に確認メッセージを送るステップ配信を採用していることが特徴です。

確認メッセージを送ることで、クーポンを使い忘れているユーザーからの商品購入が見込めます。楽天市場やQoo10など、ECサイトごとにアカウントを分けており、ユーザーのニーズにあわせた運用をしているのも成功ポイントの1つです。

出典：3ヵ月で友だち約36,000人増加！LINE広告「友だち追加」で友だちを集め、食卓へ"まごころ"を届ける

友だち追加広告とステップ配信で予約数120％を記録（株式会社IDEA）

医療クリニックの開業・運営支援を行う「株式会社IDEA」では、LINE公式アカウントの運用によって予約数120％を記録しています。LINE上でクリニックの予約ができ、リッチメニューのボタンをタップするとチャットボットが回答してくれる仕組みを採用しています。予約と言えば電話のイメージがありますが、LINEを起用することでユーザーの意欲をかき立てていることが特徴です。

出典：LINE公式アカウントの「友だち追加広告×ステップ配信」で予約数120％を記録した皮膚科クリニック

LTVが前年比で約117％アップ！（エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社）

電子書籍サイトのコミックシーモアを運営する「エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社」では、LTV「顧客生涯価値」が約117％アップしています。ユーザーが課金した内容などを分析し、類似配信をするなど顧客の満足度アップを狙って運用しているのが特徴です。その結果、LINE経由での課金も増えて結果としてLTVがアップしました。

出典：LTVが前年比で約117％アップ！ 多彩なLINEサービスを組み合わせるコミックシーモアのマーケティング戦略

LINE公式アカウントで集客して、売上を拡大させよう

LINEは多くのユーザーがいるSNSで、幅広い世代が利用しているのが特徴です。また、セグメント配信などを利用すれば、顧客のニーズに合った情報の送信も可能になります。

これからLINE公式アカウントを導入したいと考えているマーケターの方は、ぜひ本記事を参考にしながら効率のよい運用や集客を目指してみてください。