Twitterをはじめとして多くのモバイルアプリリデザインを行っています。
リデザインとは、多くの場合、部分的な改善ではなく、すべてを一旦白紙に戻してデザインし直すことを言います。

直近では「Skype」のアプリも大幅なアップデートを行い、デザインを刷新しました。
今回のリデザインはWindows 10の登場に合わせて行われるようで、Microsoftとしてもかなり力を入れているように見受けられます。

リデザインの中身を見てみると、UIのデザインだけでなく、ブランドイメージ全体、あるいはSkypeというアプリのポジショニング自体を変えようともしているようです。
今回は、リデザインしたSkypeが何を目指しているのかを、具体的にリデザインされた部分にフォーカスを当てながら紐解いていきます。

リデザインしたSkypeが大幅刷新したUI部分

1. ビデオ通話中のインタラクション

ビデオ通話をしながらアニメーションを送信したり、写真を送ったり、Mojiと呼ばれるステッカーを貼ったりすることが簡単にできるようになります。

2. ユニークなチャット機能

テキストメッセージを送る時に、自分の状態を最もよく表している色合いを、単色やグラデーションをカスタマイズしたバブルで表現することができます。

また、コンサートのチケットを購入したり、美味しそうな料理のレシピを見つけたり、次の海外旅行を計画したりと、Skype上でいろいろなことができます。
Skype内で役立つ情報をすばやく探し出して、チャットに貼り付けることもできます。

3. ハイライトによる思い出の共有

Instagramのストーリー機能やFacebookのDays機能のように、Skypeでも友人や家族の1週間のスナップムービーをフォローして、それらに反応することができます。

この「ハイライト」と呼ばれる機能(「キャプチャー」「モーメント」とも呼ばれています)は、ストーリーやDaysなどと違って、7日間見ることができます。
このモーメントを見たユーザーは、Facebookでユーザーのフィードに反応するのと同じように、「いいね」や「すごいね」といったさまざまなリアクションを取ることができます。

UIだけじゃない!バブルロゴまで刷新

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Source: Designmodo

リデザインと言えばアプリ内のUIデザインに目が行きがちですが、今回MicrosoftはSkypeの「バブルロゴ」を一新しました。
以前はポップな書体に明るいブルーのバブルで包まれたロゴでしたが、バブル部分はロゴのみに残し、「Skype」の書体はMicrosoftのOfficeシリーズに合わせるかのようにして、スマートな感じに仕上がっています。

ロゴ自体を大幅に変えるというのは、ブランドイメージを変えることにつながるので、大変勇気のいることです。
しかしながら、SkypeがこれまでMicrosoftの他のブランドとは一線を画していたのは事実で、今回のロゴのリデザインで、よりMicrosoftファミリーとしての色を出そうとしていることが伺えます。

もはやビデオアプリの領域を超えたコミュニケーションツールを想定

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Source: Designmodo

Skypeといえば長い間「無料のビデオ通話アプリという位置付けで、人気を博してきました。

実際、iPhoneの登場以前からSkypeの利用になれていたメンバーは、Facetimeがデフォルトで入っているのにもかかわらずSkypeを利用するのを好んでおり、デバイスに縛られずに無料でビデオ通話ができるのがSkypeの強みであると考えられていました。

ルクセンブルクでSkypeが創業されたのは2003年。
2005年にはeBayにより買収され、2009年には投資家グループが買収。
最終的には2011年にMicrosoftが買収し、SkypeはMicrosoftの新たな部門「Skype Division of Microsoft」となりました。

当初、Skypeは従来通り世界のユーザー向けにサービスを提供しながらも、幅広いMicrosoftの製品に統合される予定でした。
しかしながら、MicrosoftのOSにプリインストールされながらも、Microsoftによる買収後も、Skypeは独自の路線を歩んでいくこととなります。

しかし、Windows 10のリリースを機に、MicrosoftはSkypeの位置付けを変えようとしています。

新しいSkypeでは、ビデオ通話だけでなく、テキストチャットにも力を入れています。
チャット機能はさまざまなアプリが導入していますが、Skypeが今回特に力を入れたのは、「活き活きと、表現豊かに、そして個性的に」グループチャットができるようにUIをデザインし直したところです。
新しいSkypeでは、「ハイライト」機能も加わったことで、さまざまな方法でコミュニケーションをとることが可能になり、友達とシームレスにアイデアを共有したり、意見を交換したりできるようになります。

こうして見てみると、*「Messengerに似せてきたのかな?」とも思えますが、それこそがSkypeの戦略です。
2003年以来、Skypeはビジョンとして
「人々が、距離に関係なく、新しくシンプルで直感的な方法で、意味のあるつながりを作る一助となること」*を掲げています。
結局のところ、Skypeがやりたいのは単なる「ビデオ通話」のポジションにとどまることではなく、広くコミュニケーションツールとして、一人でも多くの人に使ってもらうことなのです。

ただし、今後の課題としては、競合していくアプリとどのように差別化を図るか、という点が挙げられます。
ご承知の通り、インターフェイスはiMessageやWhatsApp、MessengerやSnapchat、日本においてはLINE、そのほかのメッセージサービスがすでに業界をリードしています。

Skypeであえてテキストメッセージングを行う人々が増えるかどうかはまだ分かりませんが、いずれにしてもSkypeはビデオ通話や音声通話の分野では力のある存在です。
そのために、「ビデオ通話中のインタラクション」がユーザーの心を掴むかどうかが重要なようにも思えます。

まとめ

全体的なUIからはライトブルーのメニューやバーが消え、背景は白や黒が選べるようになり、カスタマイズ可能な部分も増えました。
また、任意でカラースキームを設定することも可能です。

よりパーソナライズ可能になり、コミュニケーションの手段も増えたSkypeは、今後多くの人々に広まるのでしょうか。
今後の動向に注目が集まります。

新しいSkypeは、間もなくAndroidで先行リリースされ、次にiPhoneにリリースされる予定です。
WindowsやMacバージョンは、数ヶ月後にリリースされるとのことです。