先日、Unyoo.jpによるリスティング広告運用者のためのセミナーMeetup Vol.1 「テクノロジーに寄り添う」が開催されました。

花金の19時からという絶好の飲み会日和にも関わらず、25名の参加枠は即日完売。早々の定員オーバーにより、残念ながら参加できなかった方もかなり多かったようです。本記事では、その貴重なセミナー内容の一部を少しだけご紹介いたします。

Unyoo.jpとは

Unyoo.jp は、「運用」というキーワードを軸に、 コラムやニュース、キーパーソンとの対談やインタビュー等を通じて、広告を始めとしたデジタルマーケティングに関わる情報を発信していくメディアです。この度行われたUnyoo.jp Meetupは、Unyoo.jpに掲載されている対談やインタビューの拡大版として、「運用」の最前線で活躍する「運用者」が集まる場をつくる意味で企画されたイベントです。

Unyoo.jp公式サイト http://unyoo.jp/

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Unyoo.jp Meetup開催の背景

昨今のデジタル広告の技術進化にともなって、「運用」という言葉の概念が、従来の【保守・維持】から【分析・最適化・設計】といった、成果に直結する意味に変化してきています。

一方で、その運用を担う運用者が置かれている環境は、必ずしも恵まれているとは言えません。「AdOps(広告運用)からAllOps(何でも屋)へ」と言われるように、企業内で運用者の重要性が高まってきているものの、慢性的な人手不足や一部の現場に瀰漫する非効率性は、継続的なスキル向上やステークホルダーの育成にも影響を与えています。

Unyoo.jp Meetupは、そういった広告運用にまつわる問題を語り合う場として企画されたイベントです。

第一回は「テクノロジーに寄り添う」と題し、運用型広告の中でも最も規模が大きく歴史も長い「リスティング広告」に関わる、阿部圭司氏(アナグラム株式会社)と米満智之氏(グーグル株式会社)をスピーカーに招いて開催されました。

【第一部】新版 Sexyなリスティング広告プレイヤーになるために… --2015年、リスティング広告業界は大きな転換期を迎えている-- アナグラム株式会社 代表取締役 阿部圭司

今後これまでの「リスティング広告」という仕事は劇的に形を変え、私たちの想像を超えるスピードで進化していくことが予想されます。ただ、いくら周りの情勢が変わっても、小手先のテクニックや戦術論ではなく、大局観を身に着けることができれば生き残り、花開くことができます。

Sexyなリスティング広告プレイヤー3箇条

1. Sexyな戦い方を選択できる
2. SexyなPDCAサイクルを持つ
3. Sexyな思考を持つ

その1、Sexyな戦い方を選択できる

リスティング広告にはたった5つの戦い方しか存在していません。これまで月額1万円~1億円強まで、数百・数千のアカウントを見てきましたが、確実に言えることは、リスティング広告には型があります。型がある、ということを知り、商材特性やクライアントの目標、フェーズに合わせて勝てる戦い方を組み立てることが重要です。

その1、Sexyな戦い方を選択できる

リスティング広告5タイプ理論について、詳しくはECzineの記事をご参照ください。

大事なのはプロダクト毎の仕組み・特性を知り、クライアントのビジネスに合わせた形でそれぞれのプロダクトに役割を与えられること。リスティング広告という手段の効果を最大化するには、限られた予算の中で最高のポートフォリオを組むことです。

Sexyなリスティング広告プレイヤーは正しい戦い方を知っているため、特性・状況・時期を判断し正しい戦い方を導き出すことができます。また、「リスティング広告は万能ではない」ということを知っているため、リスティング広告だけに依存しません。

特に近年は、市場進化のスピードも激化しており、時代に応じた戦い方を見極めることは非常に重要です。もしあなたが、1年前と同じアカウント構成、ポートフォリオでリスティング広告を運用し続けているようであれば、それはなにか間違ったことをしていると必ず疑ってかかるべきです。

その2、SexyなPDCAサイクルを持つ

大工業界に「二度測って、一度で切る」という格言がありますが、PDCAの中でも圧倒的に大事なのはPlanです(PPPPPDCA)。

稚拙なPlanはDCAの質も劣悪なものに落としてしまうため、まず徹底的に考えてPlanを練り、DCAは分析5割で高速回転させることが大事です。

Sexyなリスティング広告プレイヤーはPlanの重要性を知りつつ、それが万能でないことも理解しています。自身の施策を常に疑ってかかり、間違いを認め、落ち込まず素早く前に進むことが成果を上げ続けるために必要なことです。

その3、Sexyな思考を持つ

なぜ、多くのリスティング広告プレイヤーは疲弊するのでしょうか?
答えは、問題に対する優先度がなくムダな思考をしているからです。

問題には3種類しかない

問題には3種類しかない

大事なのは問題の種類を見極めて、解決可能な問題にのみ優先順位をつけて取り掛かるということ。限られた時間の中で、答えが出せる見込がない問題に対して時間を割くのはムダです。

Sexyなリスティング広告プレイヤーはしっかり仕組みを知った上で、問題に合わせて優先度順に対処することができるので、前進することにだけリソースを使うことができます。

忘れないでほしい3つのこと

・テクノロジーの流れは不可逆。変化を脅威ではなく、機会として捉えよう
・僕らはクライアントの未来を背負っている
・「もっといい方法があるはずだ」と常に追求し続ける

皆さんも、ぜひSexyなリスティング広告プレイヤー目指して頑張って下さい! ありがとうございました。

編集者所感

リスティング広告黎明期から最前線で活躍し、全国のセミナー講演で多くのリスティング広告プレイヤーと出会ってきた阿部さんならではの、熱いメッセージのこもったセミナーとなりました。

どんな業界でも、いつまでも通用する必勝法は存在しません。大事なのは、時代の変化に合わせて常にもっと良い状態に改善し続けていく姿勢、正しいルートを選んで前進するための戦略と思考法を持ち続け、実践すること。それを続けることでSexyなリスティング広告プレイヤーとして、どんな時代でも生き抜いていけると改めて実感できました。

【第二部】Account Restructure グーグル株式会社 広告代理店営業部 エージェンシープロダクトスペシャリスト 米満智之

“完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すエンジンである”

これはGoogle創業者ラリー・ペイジ氏の言葉です。Googleは日々、ユーザーができる限り簡単に、求めている情報を見つけられ、すべき作業を完了できるよう進化を続けています。

オーガニック検索結果だけでなくGoogleアドワーズの検索連動型広告においても、ユーザーが求めている情報とぴったり一致した広告を出すことは非常に重要かつ根源的な考え方となってくるため、リスティング広告キーワード構成もこの考えを念頭に置いて構築していくことが大切です。

今日は、ユーザーが求めている情報を適切に表示できる構成について考えていきます。

▼なぜ広告グループをマッチタイプで分けてはダメなのか?

皆さんは広告を表示させるトリガーとなるキーワードを、どのように入稿しているでしょうか。

さまざまな形態があるかと思いますが、同一キーワードを異なるマッチタイプ(完全一致と部分一致など)で、別々のキャンペーン広告グループに分けて運用しているケースを比較的良く見かけるように思います。

登録キーワードとマッチタイプ例

:登録キーワードとマッチタイプ例

グルーピングイメージ例

:グルーピングイメージ例

上図は賃貸不動産を例に取ったリスティング広告の構成例です。表示機会を高めるために全てのキーワードで完全一致と部分一致を両方登録し、広告グループを分けて入札価格でクリック単価の強弱をつけるというやり方を取っています。

一見、効率的で理にかなった考え方のように思えますが、実はこのやり方、さまざまなデメリットが発生するリスクがあります。

デメリットその1、同一検索ワード(クエリ)で表示が分散する

マッチタイプが異なる同一キーワードを複数の広告グループに分けていると、ユーザーが検索した場合に広告を表示するトリガーがいくつもアカウント内に存在することになります。

結果、下図のように表示回数とクリック回数がいくつものグループに分散し、例えばABテストで正確な判断を下すスピードが落ちたり、クエリレポートから新キーワードの追加や削除をするのに手間がかかったりします。

広告グループ

※編集者注広告の掲載順位は、「キーワードごとの品質スコア×入札価格+広告表示オプション」で算出された広告ランクによって決定されますが、運用経験上、一定以上のクリック数がないと品質スコアの良し悪しは評価されにくい傾向があるように思います。もちろん案件によって柔軟に考える必要はありますが、品質が正当な評価を受ける機会を増やすという意味でも、できるだけキーワード重複の少ないシンプルな構成を心がけ、各広告グループに母数を集約させていく構成は大事だと考えます。

マッチタイプの異なる同一キーワード広告グループを分けていると、ユーザーが検索したクエリと登録キーワードが完全に一致していても、完全一致グループを差し置いて部分一致グループの方が表示されることが見受けられます。完全一致(下表A)より部分一致(下表B)の方を低い入札単価にしているケースでは、意図した掲載順位より低く表示されてしまい、表示回数やクリック数で機会損失を起こしてしまうリスクもでてきます。

デメリットその2、意図したクリック単価と広告で配信されない場合がある

デメリットその2、意図したクリック単価と広告で配信されない場合がある

例えば入札価格を「完全一致>部分一致」、「メインキーワード>ミドルキーワード>テールキーワード」の順に強弱をつけて入札した時に起こりがちなのが、テールワードの完全一致(下表a)よりもメインワードの部分一致(下表b)の入札価格の方が高くなってしまうケース。※品質スコアは同等であるとします

デメリットその2、意図したクリック単価と広告で配信されない場合がある2

こうなると、「賃貸 マンション 格安」と検索したユーザーに対し、「賃貸 マンション 格安」の完全一致グループ(a)ではなく、入札額の高い「賃貸」の部分一致グループ(b)の方がトリガーとして引っかかり、本来より高いクリック単価で掲載されるリスクが出てきてしまいます。

また、せっかく広告文をキーワードごとに分けて設定していても、「賃貸 マンション 格安」用に作られた広告文ではなく、「賃貸」という広いワードに向けた広告文となってしまうため、クリック率やコンバージョン率も必然的に低くなりがちです。

ユーザーの検索したキーワードに対し、意図しない広告グループと広告文で表示されることで、クリック単価は高くなり、クリック率やコンバージョン率は低くなるとまさに踏んだりけったり。もちろん、しっかり緻密な入札ピラミッドが組まれていれば問題ない場合もありますが、入札調整を繰り返す中で常に整合性を保つためには、大きなリソースが必要になってきます。

まとめ

以上、同一キーワードが複数存在すると運用の負荷が増え、検証改善のPDCAサイクルが遅くなるなどのリスクが発生することについて解説してきました。

広告グループをマッチタイプで分けるということは、ユーザーの検索クエリに対応する広告キーワードのユニットが複数存在する状態であり、各々のマッチタイプのキーワード(および紐づく広告)のターゲティングする領域が重複している、不自然な状態であると言えます。

また、いったん入札ピラミッドの整合性が崩れると、ユーザーの検索クエリに対して意図しない広告文が表示されてしまうため、ユーザーは求めていない情報を見せられ、広告主にとってもクリックされない質の悪い広告となり、お互いに不幸になる負のスパイラルが起こります。

改善方法としては、同一キーワードでのマッチタイプ重複をなくすか、該当する重複キーワードを同じ広告グループ内に入れると上記リスクを回避できます。

マッチタイプの異なる同一キーワードが同じ広告グループ内にあると、入札価格・広告ランクに関わらず、表示順はマッチタイプが優先され、完全一致>フレーズ一致>絞込部分一致>部分一致の優先順で表示されるので覚えておきましょう。

量(Quantity)→質(Quality)→鮮度(Freshness)

次に、改善の優先度イメージについてお話しします。

量(Quantity)→質(Quality)→鮮度(Freshness)

Quality Score(品質スコア)を改善することを考えるのではなく、入稿したキーワードユーザーの検索語句に対して反応し、関連性の強い広告が表示され、クリックされる状態をつくること、これが非常に大事です。

正しい改善イメージは以下になります。

IMP Share Lost

まずは広告の表示機会を増やし、そこからクリックを集めて評価される土台を作り、結果として品質スコアが付与される。この量→質→鮮度の流れが、最終的な成果を向上させる健全な改善イメージです。

まとめ

量(Quantity):広告の表示回数(IMP)
↓
質(Quality):広告のクリック率(CTR)
↓
鮮度(Freshness):品質スコア(Quality Score)

オペレーション人員100人体制よりも広告クリエーター100人体制がクライアントに選ばれる時代へ

これまで話したことも踏まえ、ユーザーの検索クエリとぴったり一致したAd-KWユニット(広告文とキーワードの組み合わせ)が問題なく露出する状態を作り、DSA(動的検索広告)などの自動化テクノロジーを組み入れることで、運用業務工数は劇的に低減されます。

そうすると、リスティング広告プレイヤー本来の業務である、クライアントのマーケティング戦略に則した広告運用業務へ業務時間をシフトできます。

私たちは、杓子定規な運用構築だけ行うオペレーション100人体制よりも、クライアント商材とユーザーの検索需要にしっかりと向きあう広告クリエーター100人体制がクライアントに選ばれる時代になりつつあることを確信しています。

ユーザーが目にしているのは「広告」であって「キーワード」でないことを意識し、コンバージョンが見込めるキーワードで適切な広告が表示されることを意識したアカウントは、結果的に成果効率の良いキーワード構成と言えるでしょう。

皆さんもぜひ、自分のサイトにぴったりマッチしたキーワード広告の構成を磨き上げてくださいね。

Streamline the Complexity! Thank you.

編集者所感

広告代理店の運用する多くのリスティング広告アカウントに改善の道を示し続けてきたGoogle米満さんの講演でした。

マッチタイプの重複を自らに例えて、「今ここに米満が4人いたら気持ち悪いでしょう?」と笑うお茶目な一面に会場がなごむ一幕もありつつ、同一キーワードで複数の広告グループを作らない、改善の優先度は量→質→鮮度、など、普段はあまり聞けないお話も多かったのではないかと思います。

ユーザーがこのキーワードで検索した時にどんな広告が出ていれば役立つだろう?」という視点を忘れずに、意図した検索クエリに対し、意図したキーワードのマッチタイプ・広告文で確実に表示させること、そこをまずしっかり構築していくことが肝要だと考えさせれる内容でした。

【第三部】ディスカッション&懇親会

今回のイベント名に銘打たれている「Meetup」は、共通の趣味を持つ人の集い、会合という意味を持ちますが、主旨に違わず、セミナーの後のディスカッションや懇親会では、侃々諤々と積極的な意見交換がなされていました。

いつも同じチームのメンバーで運用をしていると、ふと自分が立っている場所や、進んでいる方向性に不安を覚えたり、知識量や運用スキル、視野の広さが気になったりすることもあるのではないでしょうか。

そんなとき、その道で長い間活躍している方や、他社で同じように現場の最前線で働くリスティング広告プレイヤー同士で語り合うことで得られる、新たな発見や気付きはたくさんあります。

ただ講義を聞くだけでなく、その場ですぐに意見交換や議論をしてアウトプットすることで、より洗練された実用的な知識に昇華できるという意味でも、非常に有意義なイベントであったように思います。

これからもこうした運用者のための場を継続的に設けていくということですので、今後ますますUnyoo.jpの動向は要チェックです。

※本記事は、2015年2月6日に行われたUnyoo.jp Meetup Vol.1 「テクノロジーに寄り添う」での講演の一部内容をまとめたものです。
banar

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