オウンドメディアの運用時によくある12の疑問に回答。必要工数や内製・外部委託など
マーケティング施策としてオウンドメディアを立ち上げたものの、いざ運用フェーズに入るとさまざまな疑問が生まれ、頭を悩ます担当者の方は少なくありません。
この記事ではオウンドメディアに関する疑問に、企業のマーケティング支援を行う株式会社NoSHAPE コンテンツマーケティング事業部の宮本将弘氏に回答いただきます。
今回は、記事制作にかかるリソースや内製・外部委託のメリットデメリットなど、オウンドメディアの運用に関する12の疑問と回答をまとめました。運用に関する疑問がある方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
- Q1. 記事を制作するにはどのような工程がある?
- Q2. 記事制作は内製と外部委託のどちらがいい?
- Q3. 内製の場合、担当者はどんな人が望ましい?どういうことをするの?
- Q4. 自社でライターを採用する場合、どんな人が望ましい?
- Q5. 社内メンバーに記事を書いてもらう場合、注意点やコツはある?
- Q6. 外部に委託する場合、どういう運営体制のパターンがある?
- Q7. 外部に委託した場合、どのような観点で記事を確認すればいい?
- Q8. 複数人のライターに文体を統一してもらうには?
- Q9. 1記事制作するのに工数はどれくらいかかる?適切な文字数は?
- Q10. 1か月あたり何本くらい公開すれば成果が出る?
- Q11. SNSはどのように連携させるのがいい?
- Q12. 記事の誤字脱字やコピペチェックはツールで行うべき?
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オウンドメディアの運用に役立つ具体的なノウハウ集
オウンドメディア立ち上げに必要な基礎知識から、具体的なノウハウまで解説した資料です。
オウンドメディア運用の内製化・外部委託について
まずは、オウンドメディア運用の内製化や外部委託についての8つの疑問に回答します。
Q1. 記事を制作するにはどのような工程がある?
● 記事制作では少なくとも6つの工程がある
オウンドメディアの記事制作では、以下のような工程があります。
- キーワード選定
- 構成作成
- 記事のライティング
- 編集
- 校正・校閲
- 公開
記事制作では、簡単に工程を書き出すだけでも6つほどあり、編集者やライター、社内確認またはクライアント確認などを通じて複数人が関わります。上記以外にも、記事の質を高めるために画像作成が必要な場合は、デザイナーも必要です。多くの人とコミュニケーションをとりながら記事を仕上げていきます。
Q2. 記事制作は内製と外部委託のどちらがいい?
● 社内人材のスキルやリソースが不十分なら外部委託を
どちらでも問題ありませんが、自社に記事制作ができる人材がいるか、時間や費用などのリソースを確保できるか、といった点を踏まえて内製か外部委託かを選ぶことが重要です。
コストについては、内製のほうが低く抑えられますが、外部委託の場合は作業負担(時間的コスト)を減らすことが可能です。また、内部にはない視点からコンテンツを作成できたり、スピーディーな記事制作が期待できる点もメリットでしょう。
さらに、外部委託の場合は専門家による高品質な記事が納品されます。オウンドメディアの運用において品質は特に重視するべきポイントのため、社内人材のスキルやリソースが不十分な場合は、外部委託を検討しましょう。
Q3. 内製の場合、担当者はどんな人が望ましい?どういうことをするの?
● 担当者は一連のフローを理解できている人が望ましい
マーケティングやSEOに関する知識・スキルがあり、記事の制作から運用までの一連のフローを理解できている人が望ましいでしょう。オウンドメディアの運用における主な業務内容は以下の通りです。
- コンテンツの企画・制作・編集
- テーマの選定と分析
- キーワードリサーチとSEO対策
- コンテンツのチェックと改善
- 編集者・ライター・デザイナーなどの管理
- ソーシャルメディアとの連携
- アクセス解析や検索順位のレポーティングと分析
- オウンドメディアのKPI設定と評価
- オウンドメディアの新規企画・改善の調査・提案
- オウンドメディアの業務の最適化と改善のための調査・分析
担当者の業務はコンテンツの企画から、ライターや編集者の管理まで幅広くあります。そのため、一連の流れが分かっていなければスムーズにこなせません。テーマの選定やキーワード調査、オウンドメディアの課題を発見し、分析する知識・スキルも重要です。いざというときに自分でも執筆できる人材が理想的です。
Q4. 自社でライターを採用する場合、どんな人が望ましい?
● SEOの知識に加えて、コミュニケーション能力が高い人
自社でライターを採用する場合は、以下のような点を意識して選んでください。
- 記事のターゲットやユーザーニーズを理解して制作できる
- 記事の最終的な目標に向けた記事が制作できる
- コンテンツマーケティングに関する知識と経験がある
- SEOを考慮したライティング力がある
- ブログやソーシャルメディアの更新など複数のチャネルを使った配信経験がある
- 業界やトレンドなどの情報収集力とアップデート能力がある
- コミュニケーション能力がありチームワークもとれる
- Googleアナリティクスなどのツールを使ったデータ分析力がある
上記の中でも特に重要なのが上から4つになります。記事のターゲットやニーズを理解できていなければ、有益な記事は書けません。また、Googleで検索上位に上げるためにはSEOの知識も重要です。
そのほか、コミュニケーション能力も重視しましょう。いくらスキルが高くても、コミュニケーションがしっかりとれないと時間的ロスが発生し、計画通りの進行が難しくなります。
Q5. 社内メンバーに記事を書いてもらう場合、注意点やコツはある?
● 注意点はリソースの確保。コツはガイドラインの策定と投稿後の見直し
社内メンバーに記事を書いてもらう場合の注意点やコツは以下の通りです。
【注意点】
社内で記事を制作する場合、実行するためのリソースが確保されているかが重要です。専属の担当者がいない場合、ほかの業務と掛け持ちになってしまうため、担当者が忙しく後回しになるケースが非常に多くあります。
【運用のコツ】
- 記事のガイドラインを策定する
- 投稿後の見直を繰り返す
記事のフォーマットやスタイルなどを社内ガイドラインとして明確にしておけば、一定の品質を保つ記事制作が可能です。
また、記事の投稿後に品質について見直す仕組みを作ることで、改善ポイントを発見できます。見直しは後回しにせず定期的に行うことがポイントです。
Q6. 外部に委託する場合、どういう運営体制のパターンがある?
● 外部委託する場合の運営体制は3パターンある
外部に委託をする場合、大きく分けて以下の3つのパターンがあります。
- 戦略やキーワード設計のみ外部委託し、記事制作は社内で行う
- キーワード設計や数値分析は社内で行い、記事制作のみ委託する
- 全ての業務を記事制作代行会社や代理店に依頼する
それぞれのメリット・デメリットや自社で負担する部分について、下表にまとめました。
パターン | 自社で負担 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
①戦略やキーワード設計のみを外部委託 | 記事制作 | 負担が少ない | コストがかかる |
②記事制作のみを外部委託 | ディレクション | コストを抑えられる | 編集者やライターと直接契約して管理する必要がある |
③全ての業務を委託 | なし | ・時間効率が良い ・社内に担当者がいなくても運用可能 |
コストが膨らむ |
外部に委託する場合、自社と外部で上手く役割分担をしながら進めていきましょう。ライティングや編集のみを外部委託するケースは多いですが、確認作業まで手がまわらず、一向に公開されないまま保留となる場合もあります。
自社で専任の担当者をつけられない場合、コストは膨らみますが全てを委託した方が、結果的にスムーズな進行が期待できます。
Q7. 外部に委託した場合、どのような観点で記事を確認すればいい?
● 最低でも4つの観点から確認を行う
外部に委託した場合、記事の確認は以下のような観点から行いましょう。
- コンテンツの質
- ブランドの一貫性
- キャッチーな要素
- コンバージョンの促進
- SEO
コンテンツの質では内容の正確性や深さ、表現のスタイルなどをチェックします。ブランドの一貫性では、社内ガイドラインに沿った内容になっているか、ブランドイメージに一致しているかを確認してください。
キャッチーな要素では、タイトルや画像、見出しに読者を引き付ける要素があるか確認します。また、BtoBのオウンドメディアでは利益性が重視されるため、コンバージョンを促せる適切なCTAや内部リンクが設置されているかどうかも必ずチェックしましょう。
SEOでは、コンテンツに検索エンジンに有効な要素が含まれているかどうかを確認することが大切になります。オウンドメディア運用のノウハウが社内にない場合でも、1~4の項目は重点的にチェックするのが最低限のラインです。
Q8. 複数人のライターに文体を統一してもらうには?
● コンテンツガイドラインを作成する
複数人のライターに文体を統一してもらうためには、コンテンツガイドラインを作成してライターに配布する方法が有効です。ガイドラインには、以下のような内容を盛り込みましょう。
- ターゲット層
- 記事制作の目的
- 文章の語尾や表現の統一(ですます調、である〜など)
- 記事の書き方(簡潔で明確な表現、使いやすい語句、読みやすい構成など)
- 語法や文法の使い方
- 表記規則(例:google → Google )
- 見出しやリスト(箇条書き)の使い方
- リンク先の決定方法・書き方
- 画像使用時のaltの書き方
- 画像の使用方法(サイズ、形式、クレジット、注意点など)
- 記事制作の進め方(コミュニケーション方法、修正方法、レビュー方法など)
また、以下のように記事フォーマットを作成することも有効です。記事を作成するドキュメントをフォーマット化することで、品質を統一できるようになります。
記事が納品されたら、ライターへのフィードバックも行いましょう。コミュニケーションを取りつつクオリティを均一化していくことが重要です。
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オウンドメディアの運用に役立つ具体的なノウハウ集
オウンドメディア立ち上げに必要な基礎知識から、具体的なノウハウまで解説した資料です。
オウンドメディア運用における記事制作について
次に、オウンドメディア運用における記事制作に関する4つの疑問に回答します。
Q9. 1記事制作するのに工数はどれくらいかかる?適切な文字数は?
● 記事の執筆だけなら早い人で2〜3日。3,000〜5,000文字程度が適切
1記事あたりの工数は記事のテーマや内容、ライターの経験やスキルなどによって異なり、関わる人数によっても変わります。スタートから公開まで15〜20日以上かかることもあるでしょう。構成案ができている状態の純粋な記事の執筆だけなら早い人で2〜3日、遅くても7〜10日ぐらいには仕上がります。
文字数は狙うキーワードの検索ボリュームによりますが、3,000〜5,000文字程度が適切です。過去には長文記事がGoogleで高く評価される傾向がありましたが、最近は文字数がそれほど多くなくても検索ニーズにマッチした記事のほうが評価されやすい印象です。
Q10. 1か月あたり何本くらい公開すれば成果が出る?
● 目標に到達したい期間によって大きく変わる
目標に到達したい期間によって公開本数とペースは変わります。例えば、「資料ダウンロード数が月50件になるのを6ヶ月後までに達成させたい」という目標の場合、本数は必然的に多くなるでしょう。
長期的なブランド構築を目的とした場合、質の高い記事を月1本公開するペースでも問題はありません。基本的には、公開日を固定させるために常に記事のストックがあるようなペースで制作するのが望ましいです。
Q11. SNSはどのように連携させるのがいい?
● 自社のオウンドメディアとマッチするSNSと連携する
記事とSNSを連携させてより多くの人に情報を届けることで、ブランド認知度を高めることが可能です。フォロワーや関心のあるユーザーの反応をみて、記事の内容を改善することもできるでしょう。
SNSでは記事へのリンクだけではなく、アイキャッチ画像や短い要約文など記事の情報を視覚的にわかりやすく表現することが大切です。また、記事をシェアする際には適切なハッシュタグをつけたりキャッチコピーを入れたりすることで、効果的な連携ができます。
さらに、自社のオウンドメディアの方向性やターゲット層に合うSNSと連携させるのがおすすめです。TwitterやInstagramなど、代表的なSNSの特徴を下表でまとめているので参考にしてください。
狙いやすい年齢層 | 特徴 | |
---|---|---|
20~40代 | ・140文字までのテキストに内容を要約してシェア ・ハッシュタグを活用すると記事を見つけやすくできる |
|
20~40代 | ・記事に関連する画像を添えてシェア ・画像のクリエイティブが重要 |
|
30~50代 | ・テキストと文章を含む画像を組み合わせてシェア ・SNSの中では炎上しにくい傾向 |
Twitterは短い文章でのアピールがメイン、Instagramはクリエイティブ重視で画像がメインとなるケースが多い印象です。Facebookはタイトルや概要などに要約したテキストを記載し、さらに文章入りの画像をあわせて投稿すると効果的です。
Q12. 記事の誤字脱字やコピペチェックはツールで行うべき?
● 誤字脱字は人力、コピペはツールでチェック
以前は有料の誤字脱字チェックツールを使っていましたが、全て任せてしまうと漏れるケースがあったため、現在は校閲も兼ねて人力で行っています。ただし、一人だけで確認するのでなく、ダブルチェック体制を整えることでミスを減らしています。
最近は、WordやGoogleドキュメントの性能が高いので、簡単な誤字脱字ならすぐに見つけてくれます。先ほども述べたとおり、1回のチェックで終わらせるのではなく、必ず複数回のチェックを行うことが大切です。
コピペチェックは、無料なら「CopyContentDetector®」、有料なら「COPIPERIN(コピペリン)」がおすすめです。予算などにあわせ、自社で使いやすいツールを選定しながら利用してみましょう。
オウンドメディア運用時の疑問を解決して、成果につなげよう
今回は、オウンドメディア運用時によくある12の疑問に回答しました。いざ、運用をスタートしてもさまざまな場所で躓いてしまう方は多いと思います。特に内製と外注のバランスで迷う方は多いので、自社の予算や運用スタイルにあわせて選ぶのがおすすめです。
これからオウンドメディアの運用をしたいと考えているマーケターの方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
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オウンドメディアの運用に役立つ具体的なノウハウ集
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- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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- コンテンツ
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- キーワード選定
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- タイトル
- ホームページのソースに設定するタイトル(title)とは、ユーザーと検索エンジンにホームページの内容を伝えるためのものです。これを検索エンジンが認識し検索結果ページで表示されたり、ユーザーがお気に入りに保存したときに名称として使われたりするため、非常に重要なものだと考えられています。「タイトルタグ」ともいわれます。
- BtoB
- BtoBとは、Business to Businessの略で、企業間での取引のことをいいます。
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- 内部リンクとは、同一ドメインのサイト内に貼られたリンクのことを指します。
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- 検索エンジン
- 検索エンジンとは、インターネット上に無数に存在するホームページのデータを集め、ユーザーにそれらを探しやすくしてくれるサービスのことです。「検索サイト」とも呼ばれます。代表的な検索エンジンとしては、Yahoo! JAPANやGoogleなどがあります。また、大手検索エンジンは、スマートフォン向けのアプリも提供しており、これらは「検索アプリ」と呼ばれています。
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- リンク
- リンクとは、インターネット上では、あるページの中に記された、他のページの所在を表す情報のことを「ハイパーリンク」と呼び、これを略した言葉です。リンクのある場所をクリックすると、他のページにジャンプするようになっています。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
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- シェアとは、インターネット上で自分が見つけて気に入ったホームページやブログ、あるいは、Facebookなど自分自身が会員登録しているSNSで自分以外の友達が投稿した写真、動画、リンクなどのコンテンツを自分の友達にも共有して広めたいという目的をもって、SNSで自分自身の投稿としてコンテンツを引用し、拡散していくことをいいます。
- タグ
- タグとは、原義では「モノを分類するために付ける小さな札」のことです。英語の「tag」を意味するものであり、荷札、付箋といった意味を持っています。特にインターネットに関する用語としてのタグは、本文以外の情報を付与するときに用いられます。
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