オウンドメディアを運用しているもののアクセス数が伸び悩んだり、効果が出なかったりして悩む担当者は少なくありません。しかし、そのような時でも適切な対策をとることで、軌道修正を図ることが可能です。

この記事ではオウンドメディアに関する疑問に、企業のマーケティング支援を行う株式会社NoSHAPE コンテンツマーケティング事業部の宮本将弘氏に回答いただきます。

今回は、リライトのタイミングCTAの挿入位置などオウンドメディア改善に関する10の疑問と回答をまとめました。オウンドメディアの改善に関する疑問がある方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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目次

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オウンドメディアのアクセス数改善について

まずは、オウンドメディアのアクセス数改善について、効果が出るまでの期間やアクセス数が伸びないときの2つの疑問に回答します。

Q1. 新規公開した記事の成果はいつ頃出る?

● すぐに効果が出るものではなく数週間~数ヶ月かかる

新規で記事を公開した場合、効果が出るまでに数週間~数ヶ月かかるケースがほとんどです。公開してすぐに効果が出るわけではないため、数日様子を見るだけでアクセス数が伸びないと悩まないようにしましょう。

検索エンジンクローラーが記事をインデックス化するまでに時間がかかるため、オウンドメディアにおいては即時的な効果を期待するのは難しいです。ただし、企業や社員で運用しているSNSのフォロワー数が多い場合、記事をシェアすることでアクセスが期待できるため、SNSの運用も並行して取り組むのが良いでしょう。

上記のように、記事をSNSで共有したり他のサイトからのリンクを増やしたりしながら、成果を得るために長期的な視点で運用を行っていく必要があります。

Q2. アクセス数が伸びない場合、どう改善すればいい?

● 記事の追加やリライト、再訪率を上げる

オウンドメディアでアクセス数に伸び悩んでいる場合は、以下の点を見直し改善してましょう。

  • キーワードの見直し:方向性を再設計
  • 読者ニーズに合わせたコンテンツの追加:定期的に新規記事を公開する
  • 再訪を促す仕組みの整備:会員向けコンテンツメルマガ運営など
  • コンテンツの品質向上:リライト
  • SNSとの連携:記事のシェア

まずは、狙っているキーワードや読者ニーズを見直すことが重要です。検索ボリュームが少なかったり、競合性が高かったりすると、検索上位に上がりにくくなります。また、読者の検索ニーズの的を得ていない記事を制作していても、Googleからの評価は上がりません。読者ニーズに合わせたコンテンツを定期的に更新することが重要です。

新規の読者ばかりではなく、再訪してもらうような仕組み作りも効果的です。例えば、会員専用のコンテンツを作り、会員登録を促したり、メルマガを運用したりなどでリポートを促すことができます。

また、競合他社と比較しながら品質の高い記事にリライトするのも有効な手段です。不足している情報の追記、監修をつけて専門性を高めるなど、Googleからの評価アップが期待できます。上位に表示されるようになれば、アクセス数を伸ばすことができるでしょう。

その他、SNSと連携させてSEO以外からの流入を狙う方法もあります。

オウンドメディアにおける記事のリライトやSEO対策について

次に、記事のリライトやSEO対策について3つの疑問に回答します。Googleのアップデートについても記載しているので、参考にしてください。

Q3. Googleのアップデートで検索順位が下がってしまったらどうすればいい?

● 検索順位のモニタリングを行い、リライトを実施

Googleで大きなアップデートがあると、急激に検索順位が上下する場合があります。アルゴリズムを見直す「Googleコアアップデート」は年に数回程度行われ、その度に検索順位に変化が起こるのが特徴です。

2022年9月に行われたアップデートでは、BtoBに関わるキーワードの順位変動が大きかったと言われています。アップデートによって検索順位が下がった場合は、検索順位のモニタリングを行いましょう。その上で、以下を意識してリライトを行うのが有効です。

  • コンテンツの品質向上
  • キーワードの見直し
  • 表示速度の改善
  • E-E-A-Tを高める対策

コンテンツの質が低いと、Googleからの評価が下がって検索順位も下がる可能性があります。また、アップデートによってアルゴリズムが変わるとキーワードの重要度が変化するため、現在のキーワードを見直して順位が上がったものや下がったものを探しましょう。

ページの表示速度が遅いと検索順位を下げられることがあるため、速度の改善も重要なポイントです。

E-E-A-Tを高める対策については、以下を参考に行ってみてください。

E-E-A-Tとは.jpg

経験(Experience):制作者の直接的な経験を反映したコンテンツ
専門性(Expertise):専門的な知識やスキルなどに基づいたコンテンツ
権威性(Authoritativeness):その分野において優れているとされる人や企業が情報を発信しているコンテンツ
信頼性(Trust):内容が正確かつ誠実で安全なサイトであることが明らかになっているコンテンツ

もしGoogleコアアップデートで順位が下がってしまった場合でも、次のアップデートで戻るケースもありますので、急いで施策を実施するのではなく、現状を把握し必要な施策を優先順位を決めて実行するのが良いでしょう。

Q4. リライトすべきかどうかの判断基準はある?

● リライトの実施判断は3つの視点から行う

リライトするべきかどうかの判断は、以下を基準に行います。

  • 再度アクセスされる見込みがある記事か
  • 情報が時代遅れになっていないか
  • SEOに適した構成・内容か

リライトを最も実施したい記事は、過去アクセスが安定的にとれていた記事です。アクセスが多かった記事も時間が経つにつれ、鮮度を失い検索順位が落ちていきますので、適切なタイミングでリライトしましょう。

また、情報は日々更新されていくため、古い情報は新しく書き変える必要があります。特に数値などを扱う情報は、こまめにチェックしましょう。SEOの観点から見て、構成や内容が適していなかったり不足しているキーワードがあったりする場合もリライトを行います。

Googleサーチコンソールをチェックし、表示回数は多いがクリック数が少ない場合は、タイトルやディスクリプションを見直すのがおすすめです。

順位が下がってすぐにリライトするのではなく、上位に表示されている競合の記事や対象記事の内容をしっかり調査してから、計画的なリライトを行うのが得策です。

Q5. リライトする記事の優先順位はどう決めればいい?

● 11~30位くらいにランクインしている記事から狙う

リライトは基本的に検索順位が低くアクセス数が伸び悩んでいるものから行いますが、最初は11~30位くらいに留まっている記事を狙うのがおすすめです。50位以下のあまりにも検索順位が低い記事より、ある程度検索順位が上がっている記事のほうが効果が出やすいでしょう。

情報の網羅性や独自性、最新情報などの観点から要素を追加してリライトを行ってください。リライト後は、検索順位の変動を確認して効果測定を行います。

関連記事:SEOチェックツール目的別43選!無料・有料問わず実務で使える分析ツールを紹介

オウンドメディアのCTA・リード獲得に関する改善について

続いて、オウンドメディアの改善の中でもCTAやリードの獲得についての2つの疑問に回答します。

Q6. アクセス数は増えているけど、コンバージョンが少ない場合の改善方法は?

● コンバージョンにつながりにくい潜在層向けの記事は関連記事で誘導

アクセス数は獲得できるものの、コンバージョン(リード獲得)に至らない場合は、以下のことを行ってみましょう。

  • ターゲット・キーワードの見直し
  • ユーザーにとって有益な資料を作成

アクセスが多くても、訪問者がターゲット層とマッチしていない場合は、コンバージョンにつながりません。例えばターゲットが女性中心にも関わらず、男性からのアクセスばかり増えている状態ではコンバージョンは発生しないでしょう。

特に潜在層に向けたキーワードは、多くのアクセスが見込めますが、コンバージョンにはつながりにくい傾向があります。潜在層からさらに関心を持ってもらい、コンバージョンにつなげるためには、関連記事への誘導がおすすめです。

例えば「CMSとは」と「CMS 費用」で検索された場合、後者の方がより具体的にCMSを検討していることになります。「CMSとは」の記事に「CMS 費用」の記事を関連記事として誘導しましょう。

また、対象の記事と関連深い資料を作成してダウンロードしてもらう方法もあります。ダウンロード時に、顧客情報を収集することで見込み客としてアプローチが可能になります。

Q7. CTA(Call To Action)はどの位置に入れるとクリックされやすい?

● クリック率が高いのは上部、コンバージョンにつなげやすいのは最後

CTAの設置箇所は、以下の3通りがあります。

  1. 記事の上部
  2. 記事の中間
  3. 記事の最後

記事の上部(冒頭)にCTAを設置すると、読者が記事を読み終える前の段階でアクションを促せます。最後まで読んでいない場合でも、コンバージョンを獲得することが可能です。

中間に設置する場合は、関心を持つタイミングでアクションを促すことができます。文脈に沿った内容のCTAを適切なタイミングで設置し、上手に誘導しましょう。特にCTAの内容に触れている見出し下がおすすめです。

記事の最後に設置する場合は、読者が記事全体を読んだ上でアクションを促せます。記事の内容や各企業の考えを知った上でアクションを起こすため、コンバージョンにつなげやすいのが特徴です。

過去の統計では記事上部のほうがクリック率は高いものの、必ずしもCVにつながるとは言い切れません。文脈にあわせて設置することや、CTAのデザイン・文言にも配慮しましょう。分かりやすく、明確で具体的な文言を意識してください。

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オウンドメディアの更新のコツや直帰率改善、ツールについて

オウンドメディアの改善においては、ツールを使う方法もおすすめです。ここでは、更新のコツやツールについての3つの疑問に回答します。

Q8. 記事を継続して公開・更新するコツは?

● 事前準備をきちんと行いストック記事を作成する

最初に体制づくりやメディアガイドラインの作成を行い、運営の流れをわかりやすくしましょう。オウンドメディアでは記事を継続して公開していかなければ、高い効果は期待できません。長期的に安定した運用をするためにも、きちんと準備を行いましょう。

コンテンツ計画は3ヶ月、半年のサイクルで作成し、前倒しで記事のストックを作っておくことも大切です。ストックがあれば、記事を作成できない事態が発生しても継続した公開が可能になります。

また、定期的な効果測定や編集会議を行うなど、記事の公開・更新の流れを仕組み化しながら運用することが大切です。

Q9. 直帰率が高い場合、どう改善すればいい?

● リード文を工夫し、見出しタイトルにもこだわる

大前提として記事の直帰率は高い傾向があり、およそ80~90%程度とも言われています。ユーザーは何かを解決するために検索し、記事を閲覧します。そのため、知りたかったことが解決すれば記事の役目は終わりとなり、直帰してしまうのです。

また、自分にとって有益ではないと判断された場合も直帰される可能性が高くなります。そうならないために重要なのがリード文概要文)です。リード文は、ユーザーが冒頭部分でその記事が有益かどうか判断するための材料となります。誰に向けて、どのような内容が書かれているか明確にしましょう。

さらに、h2やh3などの見出しにもこだわる必要があります。多くのユーザーが冒頭で目次をチェックし、必要そうな内容から読み始めます。そのため、惹かれる見出しがなければ直帰率がアップしてしまいます。

そのほか、以下のようなポイントにも気をつけて改善していきましょう。

  • 次のアクションにつながるわかりやすい導線を作る
  • 画像やグラフを適宜入れてストレスなく読める工夫をする
  • 文字のフォント・サイズ・行間を見直して読みやすさを向上させる

このような細かな工夫をするだけでも、記事が読みやすくなります。読みやすい記事は滞在時間が長く、直帰率も低い傾向です。

Q10. 成果をチェックする際におすすめのツールはある?

●無料なら GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソール、深く分析したいなら有料ツールも

オウンドメディアの効果測定をするなら、「Googleアナリティクス」や「Googleサーチコンソール」などがおすすめです。Googleアナリティクスは、アクセス数や滞在時間などのトラフィック解析ができます。

Googleサーチコンソールでは、Googleからの検索流入数や表示順位、クリック数などを確認可能です。弊社では、キーワード調査などができる「Ahrefsエイチレフス)」やコンテンツ改善のヒントが得られる「ミエルカ」、検索順位を計測できる「GRC」などを使用しています。

ツールを使えば簡単に効果測定ができ、改善や運用もしやすくなるので、ぜひ導入を検討してみましょう。

オウンドメディアを改善してアクセスやCV数をアップさせよう

今回は、オウンドメディアを改善する際によくある10の疑問に回答しました。記事のリライトや改善と言っても、ただ見直したり書き直したりするだけでは意味がありません。しっかりと状況を分析し、それぞれにあわせた改善を行いましょう。

オウンドメディアのアクセス数やCV数の伸び悩みを抱えている方は、ぜひ本記事を参考にしながら効果的な改善を行ってください。

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