アドネットワークやレコメンドエンジンなど、インターネットの技術は日々進化しており、さまざまソリューションが提供されています。
そんな中、近年注目されているのが、コンテンツディスカバリー広告と呼ばれる広告手法です。ユーザーの潜在的なニーズに効果的にアプローチできる方法として、多くの企業が導入を始めています。

コンテンツディスカバリー広告とは?

コンテンツディスカバリー広告とは、メディアサイトの記事などを読み終わったユーザーに対し、「おすすめ記事」という形でコンテンツをレコメンドする広告手法です。

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画像引用:yhttps://ycd.yahoo.co.jp/

ニュースポータルサイトや、各種メディアサイトの記事の下部などに「あなたへのおすすめコンテンツ」として広告を表示させるサービスであり、レコメンドウィジェット型のネイティブ広告として知られています。
あくまで関連コンテンツとしてユーザーにおすすめする形なので、バナーディスプレイ広告のように視認性高くビジュアルの訴求力に威力を発揮する広告とは少し毛色が違います。

Googleディスプレイネットワークや、各種SNSのインフィード広告と違い、ユーザーのデモグラフィックな属性に対してターゲティングするわけではありません。掲載先のコンテンツの内容とマッチするおすすめ記事の一部として広告を表示するため、よりユーザーの興味関心に即した配信手法となっています。

コンテンツディスカバリー広告の仕組み

コンテンツディスカバリー広告はSNS広告などのネイティブ広告や、純広告などと違い、メディアを指定することができません。

コンテンツディスカバリー広告を提供している会社と提携しているメディアサイト内に設置されたレコメンド枠に広告が表示されることになります。スポーツ、ライフスタイル、美容など大まかなメディアサイトのジャンルを指定できる場合はありますが、広告主側から掲載メディアの指定はできないことがほとんどです。

コンテンツディスカバリー広告は、広告が掲載されている記事コンテンツの内容をベースに、ユーザーの興味関心に合わせて自社コンテンツに誘導することになります。
「この記事コンテンツ、このメディアの読者であれば、このクリエイティブのクリック率が高い」といったデータを学習し、精度の高いレコメンドを実施することでユーザーの潜在的なニーズを引き出すことが可能です。

そのほかに記事ページの関連性や、デバイスの種別、タイミングなど様々な要素を加味してレコメンド枠を出し分けるアルゴリズムが用意されています。

また、コンテンツディスカバリーで誘導する遷移先は、基本的にコンテンツです。記事コンテンツを読み終わった読者に対して、次に読むおすすめの記事を紹介する形で他サイトに誘導するため、いきなり商品ページなどに飛ばしてしまうとユーザー側の不信感を煽ってしまうことになります。

読み物を読んでいるユーザーに対して「こっちのコンテンツもぜひ読んでみて」と誘導してくることになるので、「記事コンテンツ→記事コンテンツ」という流れになり自然な形で訴求することができます。

コンテンツディスカバリー広告のメリット

インターネット広告が普及してからしばらく経過し、ユーザー側も広告掲載に慣れてきてしまっています。バナーディスプレイ広告のように、見るからに広告とわかるものを嫌がるユーザーも少なくありません。

コンテンツディスカバリー広告は、サイト内を別記事へリンクと並べて表示されるため、一見あまり広告のようには感じさせません。(ステルスマーケティングと判別されないためにも、PR表記は確実に表示されます。)

レコメンドコンテンツという形をとっているため、押し付けがましい印象を軽減することができます。クリックした後にユーザーが違和感を抱かず、自社のコンテンツを呼んでくれるというメリットがあります。

また、デモグラフィックなターゲティングではなく、興味関心をベースにターゲティングしているため、より自社商品に関心の高いユーザーを呼んできやすいというメリットもあります。

さらに特徴的な部分は、予測アルゴリズムを活用することで、ユーザー自身が気付いていなかったニーズを引き出すことに長けている部分です。
既存の広告手法の多くは、ユーザーの取っている行動を元に広告を表示させたり、ユーザーの属性に応じてターゲティングしたりと、すでに顕在化しているデータを元にアプローチするになります。

コンテンツディスカバリー広告の場合、用意したコンテンツから想定しているターゲットユーザーを指定して配信するのではなく、反応のいいコンテンツを自動的に予測して配信することになります。

「この広告クリエイティブ、訴求内容は、この記事を読んでいる人、このメディアを読んでいる人に対して反応がいい」といったデータなどを元にユーザーの反応を予測して広告を表示するため、ユーザー側が潜在的なニーズに気付く助けをし、新しい出会いを演出してくれるのです。