Twitterをプロモーションとして利用する際に「そもそも、なぜユーザーTwitterを使うのか」といった本質的な問いを考えた事はあるでしょうか。

発信する側がTwitterでの情報の動きやユーザーの行動を理解できていなければ、価値を感じてもらえるコンテンツは発信できません。
効果的なプロモーションにつなげるためには、Twitterというプラットフォームに対する理解を深めていくべきでしょう。

今回は、Twitterの仕組みやユーザーの特徴を深く学べる6つの国内論文を紹介します。
日本国内でも2016年11月時点で4000万人のユーザーがおり、生活に根ざした情報が行き交うTwitterは学問分野でも研究の対象となっています。Webメディアや書籍だけでは学べない深い知識を知りたい方はぜひ参考にしてみましょう。

参考:
[TwitterJapan|Twitter]
(https://twitter.com/TwitterJP/status/793649186935742465)

Twitter関連の論文

1.大学生のメディア/ソーシャルメディア使用とネット・リテラシーとの因果関係,及び社会的スキルと性別の効果

大学生のメディア/ソーシャルメディア使用とネット・リテラシーとの因果関係,及び社会的スキルと性別の効果|CiNii

筑波大学図書館情報メディア系 叶 少瑜氏 及び東北大学大学院情報科学研究科 堀田龍也氏が2016年に公開した論文です。

大学生107名を対象にパネル調査を行い、SNSの使用状況によって、ネットリテラシーや社会的なスキルに影響を及ぼすのか明らかにしました。

男性においてFacebookを閲覧している頻度が社会的スキルを高める傾向があるのに対して,女性においてはFacebookの投稿頻度が社会的スキルを高めているといった興味深い調査結果も紹介されています。
いわゆるデジタルネイティブ世代がどのようにSNSを利用しているのか把握できるので、企業のマーケティング担当者は一読しておくといいでしょう。

参考:
[叶 少瑜(ヨウ ショウユ; Ye, Shaoyu) | TRIOS] (http://www.trios.tsukuba.ac.jp/researcher/0000003784)

2.Twitter上のビッグデータ収集と分析

[Twitter上のビッグデータ収集と分析|J-STAGE]
(http://doi.org/10.11207/soshikikagaku.48.4_47)

社会データマイニングを専門領域としている東京大学大学院工学系研究科鳥海不二夫氏が2014年に発表した論文です。
ツイート内容のテキストや、ツイートのソース、TwitterIDといったTwitter上で取得できる情報の種類を網羅的に解説し、そのデータを収集するための手法をまとめています。

「リアルタイム検索」「APIによる収集」「アプリケーション」などデータ収集の手法ごとに特徴や取得できるデータ、デメリットを明らかにしているので、これからTwitterでのデータ分析を行おうというエンジニアの方にとっても参考になります。

参考:
TORIUMI Fujio's Web Page

3.Twitter 利用者の性別判定システムの構築

[Twitter利用者の性別判定システムの構築|J-STAGE]
(http://doi.org/10.14864/fss.29.0_164)

松江工業高等専門学校 原元司氏らにより2013年に公開された報告書です。

匿名性の高いTwitterではユーザーの性別がわからず、企業のマーケティング活動に支障をきたしていることを指摘し、投稿内容から男女を推定する手法を提案しています。
報告書内では、男女によって使用差がある「私、俺」のような代名詞と「〜です」「〜ね」といった終助詞に注目し、ツイートの内容から男女が推定できるとしています。

中でも代名詞を使った実験では、ユーザー1人あたり1,000ツイートまでを対象に自動で抽出した場合でも93.7%という高い正答率が結果として現れています。
このようなシステムがTwitterに導入されれば、企業のマーケティングにおいてもより正確な情報を取得できることとなるでしょう。

参考:
[原元司(情報工学科 教授)| 研究者総覧 松江工業高等専門学校] (http://www2.matsue-ct.ac.jp/kyoikujoho/staff/hara.html)

4.企業におけるソーシャルメディアの活用に関して

[企業におけるソーシャルメディアの活用に関して|J-STAGE]
(http://doi.org/10.11287/jmda.12.64)

愛知工業大学経営学部 経営学科 石井 成美氏らによって2012年に公開された論文です。企業におけるTwitter・Facebookの活用に注目し、「ローカル型ビジネス」「通販型ビジネス」「法人ブランド型ビジネス」などサービスのタイプごとの利用方法を明らかにしています。

TwitterとFacebookの違いについて「つながり」「反応速度」「プライバシー」など項目ごとが図表にまとめてあるので、SNS担当者にとっても参考になる内容です。

5.語の共起ネットワークから見たがん患者のTwitterツイート

[語の共起ネットワークから見たがん患者のTwitterツイート|J-STAGE]
(http://doi.org/10.14864/fss.29.0_175)

山形大学大学院理工学研究科 津谷 篤氏らによる研究です。
がん患者におけるTwitter上でのコミュニティと、アカウントから発信されるツイート内の言葉がどのような言葉を含んでツイートされているかまとめられています。

プロフィールからがん患者だと推察できる466名のアカウントを分析しており、子宮がんや卵巣がん、肺がんといった罹患しているがんの種類によって特徴を導き出しています。
例えば、食道がんの患者であれば「サラダ」や「ヨーグルト」のように食事に関連した言葉のツイートが多く、食事療法に対する意識が強いことがわかります。

参考:
研究者詳細 津谷 篤 |山形大学

6.Twitter上の情報拡散がもたらす商品販売効果推定モデルの提案

[Twitter 上の情報拡散がもたらす商品販売効果推定モデルの提案||J-STAGE]
(http://doi.org/10.11522/pscjspe.2016A.0_3)

信州大学 繊維学部 松村嘉之氏らによる報告書です。
企業が行った実際のキャンペーンを例に、Twitter上でリツイートされた内容及び拡散の様子を分析した結果をまとめています。

報告書内ではキャンペーンURLを含んだツイートがどの程度商品の販売数につながっているか算出する数式を公開しています。企業のプロモーションを担当している方は、行ったプロモーションの効果測定に利用してみるもいいかもしれません。

参考:
松村 嘉之|信州大学 繊維学部

まとめ

Twitterは日本国内だけで4,000万人のユーザーを抱えており、ユーザーの生活に根ざした情報が発信されています。

短文形式かつリアルタイムで情報発信がされるため、ユーザーの趣味や行動、生活そのものに対する分析が可能なのがTwitterの特徴です。
また、フォロー/フォロワーというつながりにより、ユーザー同士のコミュニティが形成されているのもTwitterが学問分野として研究される理由でしょう。
ぜひ、気になる論文があれば、その分野について調査して自分の知識を深めましょう。