ソーシャルデータも取り入れた統合プラットフォームの構築

もちろん、市場動向は単純なものではなくSNSの投稿数の推移だけで簡単に把握できるものではありません。

ソーシャルデータに絞ってみても、投稿の数(定量データ)のほか、投稿の中身(定性データ)も見る必要があります。

例として、単純にポジティブ、ネガティブといった感情の分類以外に、さらに踏み込んだ要因の部分まで見ることによってその精度は高まります。

ソーシャルデータのような外部データだけではなく、自社で抱えている内部データなどを掛け合わせることによって、今後の”施策”に活用することができます。

以下はデータの掛け合わせのイメージ図です。

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※統合プラットフォームの一例

小売系企業なら購買データや顧客データ、スマートフォンアプリをリリースしている企業なら自社アプリのトラッキングデータなど保有しているはずです。過去にイベントやキャンペーンを行ったことがある企業なら、来場者数の記録やアンケートで収集したデータがあるのではないでしょうか。

データ収集を積極的に行っていない企業でも、自社のコーポレートサイトがあれば、Google Analyticsの収集データはあるはずです。

プラットフォームの構築と聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、自社が抱えている内部データとSNSのような外部データを掛け合わせて可視化するだけでも、市場や施策について新たな視点を持つことができます。

SNSはスマートフォンの普及とともに、一部の偏った人々が使うツールではなく、多くの人が利用し、世の中の声や動きをつぶさに把握できるものになりました。企業のマーケティング活動にとっても、重要なデータソースの1つとして”必須”となってきています。
  

2017年のハロウィンの盛り上がりはどうなる?

最後に2017年のハロウィンの盛り上がりを見てみましょう。(執筆時点では10月初旬のため)9月の投稿数を過去と比較します。

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※図4 Twitter、インスタグラムを対象にハロウィン関連のキーワードやハッシュタグを対象に分析。Twitterは2011年から全量、インスタグラムは2014年からの投稿が対象 リツイート、リンク付き投稿は除外

図4を見るとわかるとおり、9月のハロウィン関連の投稿数は2016年から2017年にかけて最も伸びています。すっかり定着したハロウィンの文化ですが、その盛り上がりは留まるどころか、さらに勢いを増しているようです。
  

まとめ

近年、多くの企業が顧客データの分析やメール配信の最適化など、ビッグデータの活用に力を入れています。

メール配信に比べSNSは歴史が浅く、ソーシャルメディア分析はビッグデータ分析の中でも新しい分野です。そのため、活用事例も少なくどのように自社のビジネスに活かせば良いのかイメージが湧きにくいかもしれません。しかし、SNSは人々の生活に密着した情報をリアルタイムで把握できる貴重な情報源です。

誰もが知りたい市場のトレンドは、ソーシャルリスニングによって捉えることができます。