運営のポイントは「リアルタイムマーケティング」

なぜ「ねほりんぱほりん」はここまで多くの人気ツイートを発信し、かつフォロワーを増やすことができたのでしょうか。その理由としては、ユニークな番組内容もさることながら、Twitterでのリアルタイムマーケティングが挙げられるでしょう。

リアルタイムマーケティングとは、顧客が必要とする情報を最適なタイミングで提供することでコミュニケーションを図り、 広告効果を最大化する マーケティング手法を指します。

NHKでは、20代のテレビの視聴傾向としてリアルタイムでの視聴だけでなく、ネットの動画共有サービスにアップロードされている動画やTwitterなどのSNSをまたいで視聴が行われていることを指摘しています。

実際、「ねほりんぱほりん」のTwitterアカウントは、リアルタイム視聴とネットにアップロードされる動画、Twitterの3つをつなぐ役割を背負っているのがわかります。

参考:
リアルタイムマーケティングとは?一瞬で顧客のニーズを掴むマーケティング手法を解説|ferret [フェレット]
20代は、テレビのリアルタイム視聴と録画再生、動画視聴をどう使い分けているのか?|NHK放送文化研究所

1.時事ネタに合わせた放送内容

2017年10月より開始された第2シーズンでは、新作と過去の再放送を織り交ぜながら放送しています。新作が時事に合わせた内容であるだけでなく、過去の再放送もその時々の社会のニュースに合わせて選択されています。

例えば、2017年10月に再放送された「元国会議員秘書」を取り上げた回は、衆議院議員選挙期間の最中に放送されました。

上記のように、スタッフが「今見てほしい」と考えている回だとツイートしており選挙期間に合わせた放送内容であることがわかります。

参考:
[ねほりんぱほりん▽元国会議員秘書…知らなかった!「先生命」の超裏方人生|NHK]
(http://www4.nhk.or.jp/nehorin/x/2017-10-18/31/18498/1317006/)

2.放送前には季節や時事を取り入れたお知らせをツイート

番組の放送前には、季節や社会で話題になった内容を加えたお知らせをツイートしています。
例えば以下のツイートでは「#中秋の名月」という季節柄に合わせたハッシュタグを用いて、番組の予告を行っています。
画像もツイートに合わせて夜景を眺める番組のワンシーンをピックアップしています。

番組の予告ながら、1,200以上「いいね」されており、ユーザーからも大きな反響を得ているのがわかります。

3.放送時間中にセリフ+画像を抜粋して投稿

「ねほりんぱほりん」ではゲストや聞き手による発言をピックアップして、番組放送中にリアルタイムでツイートしています。

例えば、上記のツイートではゲストによる発言を箇条書き形式でまとめ、番組中のワンシーンを画像として投稿しています。

このようなリアルタイムのツイートを行うことで、視聴者は番組内で印象に残ったセリフや場面に対して、すぐに公式アカウントからのツイートをリツイートして言及できる仕組みとなっています。また、番組専用のハッシュタグも利用しており、視聴者が気軽に番組に言及しているツイートを検索できるようになっているのもポイントでしょう。

4.放送後に動画公開することでホームページに誘導

「ねほりんぱほりん」では、リアルタイムのツイートだけでなく、放送後にも番組を楽しめるような工夫がされています。

アニメと一体化する裏技「鼻イヤホン」【ねほりんぱほりん】___どーがレージ___NHKオンライン.png
http://www.nhk.or.jp/d-garage-mov/movie/90012-21.html

「ねほりんぱほりん」では、番組内のワンシーンをNHK公式ホームページ内の動画公開サービス「どーがレージ」にて公開しています。

例えば、上記はアニメや漫画が好きな女性ファン自身がアニメキャラになりきるために行う「鼻イヤホン」を取り上げた動画です。

上記のように、Twitterから動画へ誘導を行い、放送後でもちょっとした隙間時間に番組を楽しめるようになっています。

5.スタンプや画像を用意して口コミを呼ぶ仕組み

「ねほりんぱほりん」では、公式ホームページ上で番組の内容を取り上げたオリジナル画像の配布も行っています。

例えば上記は、複数の男性と交際することでコミュニティ内の人間関係を壊してしまう通称「サークルクラッシャー」のゲストを取り上げた放送後に投稿されたツイートです。
番組内でゲストが話していた男性に恋心を抱かせる言葉遣いを番組のモチーフである豚のイラストで再現しています。

イラストを公開することで公式ホームページに誘導するだけでなく、LINEなどのメッセージアプリやSNSでの利用を促しているのもポイントでしょう。
このようなイラストをユーザーがメッセージアプリやSNSで利用することで、番組に対する口コミが生まれる可能性があります。