企業がオウンドメディア等を立ち上げ情報発信に取り組むには、まずWebサイトの構築を行う必要があります。

その際、懸念となるのがWebサイトを作成するためのコストです。いきなり大きなコストをかけてWebサイトを立ち上げることにはリスクもあります。

今回は情報発信をスモールスタートするのに適している代表的なプラットフォームと、企業の活用事例を紹介していきます。
  

なぜプラットフォームの利用を検討すべきなのか?

メディアの世界観に沿ったWebサイトを立ち上げることができれば、媒体のブランドづくりにもつながるため、Webサイトの構築は有効な手段です。ただ、その手段は予算に余力があり、作るべきメディアが固まっている場合に限ります。

情報発信に取り組もうとする際、Webサイト構築のための初期費用の高さがハードルとなりやすく、1度予算をかけてWebサイトを制作すると、運用開始後の方向転換もやりにくくなります。

まだ、運用するべきメディアが固まりきっていない場合、いきなりWebサイトを構築するのではなく、外部のプラットフォームを活用することで、低コストかつスピーディーにメディアを立ち上げることができます。

プラットフォームによってはカスタマイズ性が高く、自社サイトで発信しているかのようにデザインを変えられたり、独自ドメインを設定したりすることも可能です。発信したいテーマとそのプラットフォームにいるユーザー層の相性が良ければ、すでにいるユーザーからのアクセスも見込めることも。

下記では、いくつかプラットフォームをご紹介していきます。
  

1. GIF、動画、音楽なども投稿できる「Tumblr」

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2007年3月に米国でリリースされた「Tumblr(タンブラー)」は、デザイン性の高いブログプラットフォームです。1部の有料テンプレート以外は、基本的に無料。写真や文章に加えてGIF、動画、音楽などを投稿でき、独自ドメインを使うことも可能となっています。

FacebookやTwitter等のソーシャルメディアと同じく、ソーシャル機能を持ち合わせています。ほかのユーザーの記事を自分のタイムラインにシェアできる「Reblog(リブログ) 」などの機能が実装されているため、記事の拡散が期待できるというメリットがあります。

IBMやGap Japanなどの企業がTumblrを活用した情報発信に取り組んでいます。どちらの企業もTumblrというプラットフォームの特性を活かし、GIFや写真などを活用した情報発信が特徴的です。

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最新の技術動向などについて発信しているIBMの「IBMblr」

IBMはイラストやGIFを活用しながら、最新の技術動向などについて定期的な情報発信を行っています。

Gap Japanは、イベントの開催やクーポン情報をTumblrで発信しています。画像共有サービス「Pinterest(ピンタレスト)」をとおして、コーディネート写真も多く掲載しており、より視覚的に楽しめるため、購買につながりやすい設計となっているのではないでしょうか。
  

2. 複数の記事をPublicationに格納できる「Medium」

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Tumblrよりも比較的新しいプラットフォームが、Twitterの共同創業者エヴァン・ウィリアムズ氏らが2012年に立ち上げた「Medium(ミディアム)」です。シンプルなデザインで、コンテンツにフォーカスしているのが特徴です。

Mediumは、プラットフォームとパブリッシャーという言葉を掛け合わせた「プラッティッシャー」と表現され、書き手のストーリーが「ネットワーク」のように広がることを目指しています。

その理想を実現する1つとして、独自のアルゴリズムにより、フォローしている書き手やタグ、閲覧履歴などからコンテンツをレコメンドしてくれる機能があります。企業が情報発信する際にも、「ネットワーク」からのストーリーの拡散が期待できます。

また、Mediumには複数の投稿ポストをまとめて擬似的なメディアをつくることができる「Publication(パブリケーション)」という機能があります。ユーザーは企業のアカウントだけではなく、このPublicationをフォローすることもできます。

1つのアカウントで様々なPublicationを立ち上げることができるので、発信したい内容をテーマごとにPublicationに切りわけて情報発信に取り組むことが可能です。

北米発のサービスであることもあり、Mediumを自社の情報発信プラットフォームとして活用しているのは、米国企業が多い状況です。例えば、Google傘下のコーポレートベンチャーキャピタル GoogleVenturesは、起業家コミュニティから得られたヒントやTipsなどをMediumを活用して発信しています。

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GoogleVenturesのMediumページ

2015年2月にMediumは日本で展開を始めましたが、2017年2月に全てのオペレーションをサンフランシスコに集約することを発表。以来、日本語ユーザーのための動きは少し鈍くなっています。
  

3. コンテンツ販売も可能なプラットフォーム「note」

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国内発のコンテンツプラットフォームとして代表的なのは、株式会社ピースオブケイクが運営する「note」です。

同社は「クリエイターが活躍できる場をネット上につくる」という理念を掲げており、様々なクリエイターが自身の作品を発表する場として利用しています。

noteでは文章や写真のほか、音声ファイルや動画などの投稿も可能。無料でコンテンツを配信できて販売もできるのが特徴です。

noteでは、最近になって個人のクリエイターだけではなく、企業が情報発信に活用する事例も出てきています。早川書房やアイスタイルが運営する「BeautyTech.jp」が積極的に発信を行っています。

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BeautyTech.jpのnoteページ

BeautyTech.jpは、美容業界のイノベーションを、テクノロジー、マーケティング、サイエンス、ビジネスなどの切り口で情報発信を行っているメディアです。自社に関する発信だけではなく、美容業界の最新動向を考察や分析を交えながら紹介しています。

2017年12月現在はβ版として無料公開されていますが、2018年2月以降は月額1680円で運用される予定とのこと。企業の情報発信を有料で行いたい場合、noteは有用なプラットフォームでしょう。

早川書房は話題作の試し読みやイベントレポートなどのコンテンツを公開中です。丁寧にコンテンツを作るだけではなく、ハッシュタグを活用して様々なユーザーの目にとまるように情報発信をしている印象があります。
  

各プラットフォームの特性を踏まえ、最適な発信手段を選択する

企業が情報発信に取り組む上では、各プラットフォームの特性を踏まえて、最適な発信手段を選択することが重要です。

各プラットフォーム独自の機能を上手く活用し、プラットフォームにいるユーザーコミュニティにリーチすることができれば、専用のWebサイトを構築するよりも多くの人に認知してもらえる可能性もあるでしょう。

重要なのは、自社が発信したい情報とそのプラットフォームにいるユーザー層がマッチしているかどうか。プラットフォームトンマナを理解するためには、まずは掲載されている記事に触れ、実際に個人として利用してみるのがオススメです。

これから情報発信に取り組もうとしているけれど、色々試してみたい、小さく始めてみたいと考えている企業の方は、コンテンツプラットフォームの活用も選択肢に入れてみてください。