すべては「小さく声をあげられるサービス」で繋がっている

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飯髙
家入さんがいま、CAMPFIREにこだわるのはなぜですか。今まで携わってきた事業との違いってありますか?

家入 氏
今までやってきた色んなことがすべてここに落とし込めるんですよね。最初でもお話ししましたが、僕が立ち上げるビジネスって僕だからやる意味があることなんです。CAMPFIREを立ち上げた理由も、僕のそれまで辿った人生の中で、自分がやるべきだと思ったから始めました。

なぜやるべきだと思ったかというと、もともとは自分が油絵で芸大に行きたかったってところから始まっていて。でも金銭的な理由で結局行けませんでした。その後レンタルサーバーのサービスを立ち上げたり、カフェをやったり、リバ邸っていう居場所作りをしたり、都知事選に出て落選したり色々やりました。

絵をやっていた時にみんなでグループ展をやったんですね。ギャラリーを借りるのって高くて学生だからお金もなくて。そのあとレンタルサーバーの「ロリポップ」を立ち上げたのは、「ホームページなら安くギャラリーを作れるじゃん」ってところから来てます。絵を発表したいと思った時に、それに共感・応援してくれる人がいて、1人から10万円の支援は難しいけど、1,000円を100人からだったら集められるんじゃないかなって思うんですね。

カフェの立ち上げにも資金が必要だから、クラウドファンディングで資金を集める飲食店も増えていくだろうし、居場所作りや選挙を通じて出会ったNPOや支援団体にもクラウドファンディングを通じて支援できる。今までの人生を振り返った時に、めちゃめちゃやるべきことだなと思いました。まさに僕がCAMPFIREをやることで、それまで作ってきた繋がりが全部落とし込めるんです。

もう1つは、僕自身がとても貧乏な家で育ったというのもありますが、お金が原因で学ぶ機会が奪われてしまうのはすごく残念だなと。それをテクノロジーでどう解決していくかってことが、僕のやるべきことかなと。これから少子高齢化が進み、経済的に小さくなっていく中で、声をあげたくてもあげられない人たちが増えていきます。その時に、「共感」や「コミュニティ」をベースにして、小さく声をあげられるサービスが大事になっていくのだと思います。

CAMPFIREと他の事業との違いはなくて、すべて一貫して繋がっているんです。基本的に個人に向けたサービスであり、個人が小さく立ち上げる。それが表現だったり、ショップだったり、レンタルサーバーだったり。小さく声をあげられるプラットフォームである点はずっと延長線であるという感じです。

この先に何が待っているのかは自分にもわからないです。CAMPFIREを頑張ります。

新たなプラットフォーム構想? 「人生定額化プラン」

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家入 氏
今までCAMPFIREやBASEなど、個人が共感をベースにお金を得るサービスを作って来たつもりです。でもこれからの小さくなる経済の中で、お金を得るというだけではダメで。もう1つ、リバ邸のような「生活費を下げる、生きるコストを下げる」っていう観点の居場所作りをライフワークにしていきたいなと思っています。

「人生定額化プラン」って言い方をしているのですが。クラウドソーシングなどもあり最近は月3〜5万ほどだったら稼ぎやすい世界になっていると思ってます。一方で、月3万円では生きていけません。例えば、リバ邸のように月3万円で生活できるシェアハウスが増えて行けば、月3万円だけ稼ぎながら生きていくことができるんですよね。そうすると、失敗してもまたここに戻って来ればいいやって思えるし、小さくチャレンジするってことがしやすくなる。

お金を得る仕組みを作る一方で、生活費を下げながら支え合って生きていくコミュニティをライフワークとしてやっていきたいです。それを僕は「人生定額化プラン」と呼んでいます。