「集客に成功したのに肝心のコンバージョンが発生しないんだよな......」

そんな悩みを抱えたリスティング広告の運用担当者もいるのではないでしょうか。

競合調査やアカウント構成、予算設定など基本を押さえているにもかかわらず肝心の成果に結びつかないとなれば、そこまでかけた労力が無駄と感じてしまうこともあるはず。

「いままでの苦労はなんだったのか......」と。

実はコンバージョン(以下、CV)が発生しないのは、運用方法ではなく飛び先のランディングページ(以下、LP)に原因があるかもしれません。

広告を出しただけで成果が上がると勘違いしていませんか?

CVしない原因はLPにあり?

リスティング広告でCVが発生しない原因は大きく分けて2つあります。
1つ目は、アカウント構成や予算設定など「運用方法の誤り」。2つ目が「ランディングページの設計」です。

前者はそもそも集客が困難な運用を行なっている場合があります。しかし、集客に成功しているにも関わらず、CV数が明らかに少ない場合、LPの改善を考えてみましょう。

例えば、競合よりも有利な掲載順位で魅力的な広告文で集客できていても、飛び先のLPに魅力がなければユーザーはその時点で離脱してしまいます。

広告は「集客ツール」。LPとの相互作用で成果が生まれる

リスティング広告は「集客ツール」の役割を担っています。そして、その着地先であるLPは「商材(サービス)に興味を持ったユーザーの背中を押す」役割を担っているのです。LPは単なる商品カタログではないということを理解しておきましょう。

どちらか一方に注力しても成果にはつながらず、役割ごとにそれぞれの改善を続けることが大切です。

そこで行うべきなのが、LPOランディングページ最適化)です。ランディングページでCVを取りこぼしている原因を探して改善を行い、より効果的なLPを作るための施策です。

次に、具体的なLPO施策に関して解説していきます。

リスティング広告の効果を最大化するLPOの極意

LPOの代表的な施策

LPOとは先にも述べたとおり、ランディングページの最適化を意味する施策です。現状のLPからCVしない原因を分析することから始まります。

そして、デザインやコンテンツ導線に至るまで様々なポイントを改善していきます。

LPO施策で改善する代表的なポイントは下記の通りです。

  • ファーストビュー改善
  • バナーやクリエイティブ変更
  • ページ全体のトンマナ変更
  • CTA導線の見直し
  • コンテンツ内容の変更

上記のように、LPOで改善すべきポイントは多岐に渡ります。全て改善しようとすれば膨大な工数と費用が発生するため、自社のLPの問題点を抽出し、その問題点をもとに改善していくのが鉄則です。

感性では改善できない!効果検証の重要性

「競合と違うページを作ろう!」

「ボタンはおしゃれな方がいい!」

「キャッチーなコピーを考えてみよう!」

LPOを実施する際、なんとなくで改善策を考えていませんか?

どれだけ見栄えが良いLPを作っても、そのLPに魅力を感じるかどうかはユーザーが判断するということを忘れてはいけません。

LPOの本質は、小手先の改善ではなくユーザーにとって「買いたい気持ちを作れる」かどうかです。

そこで、ユーザーがLP上でどういった行動をしているのか、それを判断するために効果測定を行ってみましょう。

アクセス解析ツールを用いることで、どういったキーワードでLPを訪れ、どれくらいの時間滞在し、どのページへ遷移したのかを測ることができます。

また、ユーザーがLPのどの部分を熱心に読み、どこで関心を失ってしまったのかをヒートマップツールを使えば計測できます。

これらのツールを活用することで定量的にLPの改善点を見つけることができます。成果の出せるLPを作るために、効果測定は必ず行いましょう。

A/Bテストは必須!改善できているかを定量的に把握する

LPの現状の問題点を効果測定で可視化した上でLPOを実施する際、A/Bテストを行うことで「LPOによる効果」の判断基準ができます。

A/Bテストでは、2パターンのLPを用意し、同一条件でそれぞれのLPに集客します。そして、2つのパターンの「どちらがCVに繋がるか」を判断するというものです。

アクセス解析やヒートマップ解析と同様に、「感性的な判断」ではなくユーザーの行動に基づいた「数値を根拠にした判断」でLPを改善できます。成果を上げるLPにするために必ず行いましょう。

効果の大きいところから改善を始める

アクセス解析やヒートマップ解析からCVしない原因が明らかになったら、改善に入ります。改善点のうち、大きな変化をもたらすポイントから始めてみましょう。

特にファーストビューは、リスティング広告からLPに遷移して最初に目にする箇所です。LPの直帰率が高い時や滞在時間が短い時は、ユーザーが飛び先に違和感を感じて読み進めるまでもなく離脱していることが考えられます。ファーストビューはLPを最後まで読み進めてもらうキッカケとなるため、特に入念に検証を行い改善をしてみましょう。

LPのファーストビューに問題がある場合は、広告文にあったファーストビューになるように画像やコピー文の訴求内容などを変更し、広告文とLPのギャップを埋めます。

そして、ファーストビューの改善を図り、惹きつけたユーザーをCTAまで導くコンテンツ設計ができているのか、CTAがひと目で認識できる分かりやすさになっているかなどコンテンツ内容やデザインといった細部を改善してみましょう。

クロールはされているもののCVが生まれていない場合は、ヒートマップツールでユーザーの視点(マウスの挙動)が集まりやすいポイントを探し、よく見られている箇所・もっと見てほしい箇所のメインビジュアルやCTAの変更といった改善をします。その際、上述で紹介したA/Bテストを行い、つつ効果が現れているかどうかを検証しながら改善します。

LPOは何度も繰り返し行うべし

LPOは、効果の大きいところから小さなところへと改善するのが基本です。そこで、忘れてはならないのが、1度きりのLPOには意味が無いということ。

リスティング広告は「運用型広告」という特性上、市場の変化や競合の動向、トレンド、ターゲットに合わせて運用し続ける広告です。LPも広告の運用状況に合わせて改善しなければ、広告とLPの間に新たなギャップが生まれます。

そのため、常に効果を検証しながら施策を繰り返し実施していくことが大切です。実施することを目的にせず、「ユーザーが買いたいと思えるLP」に育てていくことを目的にLPOを行ってみてください。

まとめ:大きな効果を見込めるポイントから改善

リスティング広告で集客に成功していても売上やCVに繋がらない場合、LPに原因がある可能性があることを解説しました。「広告運用」と聞くと、アカウント構成や予算、期間などに焦点を当ててしまいがちですが、広告の飛び先であるLPにも着目しなければなりません。

LPは、いわばWeb上のセールス担当者です。「購入を検討しているユーザー」に「買いたい」と行動してもらう役割を果たします。見栄えの良さなど小手先のテクニックだけでは本当の意味での改善にならないため、定量的な効果測定が重要です。

LPOを実施する際、数値を根拠に大きな効果を見込めるポイントから改善を進めてみましょう。