報道機関のテクノロジー化は遅れている?

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米重 氏:
報道産業はほかのメディアと比べると、特に人間が中心です。労働集約的な業界で、なんでも人間がやります。ある意味産業革命から200年経過している中で、最後まで取り残されているような状態です。

コスト構造は重たいまま、滞在時間は他のものに吸い取られている状態なので、収益はどんどん下がっていきます。新聞広告費も顕著に減少しています。購読者の数も減少していて、高齢者しか読まないと言われるようになっていて……いよいよ方向転換もできない。

そのような中で、スマートフォンの新たなプラットフォームで情報を安く仕入れられると、報道産業の持続性も問われてきます。だからこそ、いかにコストを下げながら、付加価値をあげるかが重要になってきています。

これを実現するには、テクノロジーしかないんですよね。なので僕らは報道の機械化に取り組んでいるんです。

高橋 氏:
実際に日経新聞では、AIが記事書いて機械化に取り組んでいますよね。

米重 氏:
そうですね。日経さんみたいにデジタルを徹底的にやっているところもあるにはあります。スマホファーストという次元ではなく、思い切って切り替えられる会社がクライシスから脱却できるのではないかと思いますね。

報道にも個性が必要

高橋 氏:
報道は各社のユニークネスが大事ですよね。実際に新聞を読んでいて、「読売と毎日って何が違うの?」と聞かれて答えられる人は多くないと思います。でもスポーツ報知との違いはわかりますよね。

インターネットとスマートフォンの普及で、ユーザーがメディアを見る機会は増えていますが、ユニークなものでないと結果としてキュレーションになってしまう。

米重 氏:
報道はまだコンテンツをどうやって読者に見せるのかってところができていません。つまりスマートフォンで読んでもらえる工夫ができていないんです。だからこそ、インターネットのまとめサイトなどに我々が想像する以上に読者がいることもある。

高橋 氏:
新しいデバイスで配信すると何か変わるかもしれない?

米重 氏:
今でもタブレットを配ったりはしていますが……。まずはスマートフォンをやっていかないととは思っていますね。新聞社はスマートフォンに到達しているのかって話もありますし。

飯髙:
情報収集の仕方もどんどん変わってきていますからね。その点ではインターネットも新聞も同じだと思います。何者かの共感を得られないと見られなくなっていると考えると、リアルに感じられるかもしれません。

コアバリューがないメディアもありますが、結局見られなくなりますから。

米重 氏:
そこがはっきりしていたら、読者たちがコミュニティを作って、課金や広告以外のビジネスに繋がることもありますよね。