成功するファンコミュニティの始めかた

では、最後に成功するコミュニティはどのように始めるべきなのか。筆者が立ち上げ支援としてコンサルティングする際の手順に沿って解説します。

まずファンコミュニティはプロジェクトと一緒で「目的」がなによりも重要です。コミュニティは企業の事業戦略の中心となるため、関連する部門や部署も必然的に多くなります。思い通りいかず、想定外のことも多々発生します。そのため、いつでもぶれずにいるための「目的」の設定が非常に重要になります。

そして先ほどの「タマチャンショップ」の事例であったように、焦らず小さく始めることがセオリーと言えるでしょう。逆にコミュニティの立ち上げで失敗しやすいケースとして、短期間に成果を求めてしまうことがあげられます。

大切な顧客との関わりである以上、その構築もしっかりと信頼を得ながら、少しずつ拡大していかなくてはなりません。大体の目安は、半年から1年間をかけて構築、成長していく時間軸です。まずは種を撒いて、下図のように、小さな種に丁寧にお水をあげて、たくさんの日光を浴びて、徐々に大木へと成長していくイメージです。

ファンコミュニティの始めかた

コミュニティ構築時に取り決める事項

  • 目的
  • ゴール(短期/長期)
  • 役割(位置付け)
  • ターゲット選定
  • ペルソナ設計
  • コミュニティマネージャーの選定
  • コミュニティリーダーの定義、選定
  • タイムラインの算定
  • コミュニティ規模の計画
  • 予算の確保
  • 体制の整備
  • ルール作り
  • オフラインイベントセミナー
  • カスタマージャーニー
  • タッチポイントの整理
  • コミュニケーションチャネルの施工
  • コンテンツの作成

コミュニティは誰のものか?」という問いに対しては、「自社と顧客と世の中のために存在しています」とお答えします。まずは焦らず顧客の声を集め、その声に耳を傾けて、しっかりと向き合っていくことが大切なのです。そして顧客とともに事業を加速していく。その姿勢がいま、企業に問われている真の姿であるのです。

2回に渡り、いまコミュニティが注目される理由と具体的な成功事例についてお伝えしてきました

まだまだ顧客中心の経営は浸透しているとは言えませんが、顧客と正面から向き合っていく経営スタンスは間違いなく拡大しており、今後ますますその重要性は増していくことでしょう。この記事が、みなさんの日々の業務や考え方に少しでもお役にたてられましたら幸いです。