ハフポストのWeb戦略

ferret:
広告を販売する際のKPIはどのように置いているのでしょうか?
川口氏
川口氏:
クライアントと最初に設定します。PVにするのか、UUにするのか、もしくはブランディングなのか。

弊社はSEOが強いのも特徴なので、それをスポンサードコンテンツでも売りにしています。SEOに強い記事は、定期的に検索されますよね。それで上位に出てくることでまた読まれていく。

ferret:
SEO対策を希望されるクライアントも多いのですね。

川口氏:
最近増えてきましたね。SEOで上位に出たいのでハフポストに出稿しますと。SEOが強いと、広告主が複数のチャネルを組み合わせた広告戦略が立てやすいというメリットがあります。

例えば、ある人気テレビ番組に出演される予定のクライアントがいました。クライアントの要望は「テレビ番組をみた読者が商品を検索して、上位に掲出された(自社ではない第3者である)ハフポストの記事を読んで内容を理解してもらう」というものでした。

テレビ放映される2〜3日前に記事を公開し、ちょうど放映日あたりに検索すると1位に掲出されていました。それをみて検索流入が増えてPVにつながって、理解やコンバージョンにもつながりました。

SEOが強いハフポストを使うことで、クライアントが理想的なカスタマージャーニーを描けるということは、私たちも提案時に力を入れて説明しています。

イベント企画で「自分ゴト化」し、コンバージョンを上げていく

川口氏
ferret:
川口さんは6月からPartner Studioの責任者になっています。事業部の方針として力を入れている所はどのような点でしょうか。

川口氏:
前任者からベースは変わっていませんが、イベントを企画するということは意識しています。やはり手法を変えていかないと、クライアントの課題は解決できないと気づきはじめました。記事で露出を増やす一方、イベントなどでコミュニティ作り、確実な30人に届けてその反応をより広い読者に伝えることでコンバージョンを上げるようなプランを増やしています。

もちろん我々の強みである記事制作はイベントレポートという形で出しています。
また、イベントをやるとみんな「自分ゴト化」してくれるのが大きなポイントです。自主的にTwitterやFacebookに投稿してくれて、それが宣伝につながっている。効果は上がっていますね。

ferret:
「自分ゴト化」するのはマーケティングで重要ですよね。

川口氏:
Webは自由度があります。自分の興味を消化できる場所でもあるし、やりたいように引き寄せられる場所でもあります。発信する際は、記事で取り上げる人たちの気持ちを代弁するかたちでやっていく。それは読者視点と同じことで、周りの人たちがどう考えているか自分ごととして捉えつつ、間違っていないかと思って発信することが大事です。

スポンサードの記事は、広告主の意向もあるので、すごい規制があると思われるのですが、むしろ逆だと伝えたいですね。スポンサードは、文章のフォーマットは自由な面があります。小説形式のようなものや、「やってみた」系、「自分はこういうことがわからないから、プロに聞いてみた」と、一人称で書くものも。

標準的な報道記事のフォーマットを利用しないで書けるのは、書き手としても楽しいですね。