SaaS(サース、サーズ)のメリット

SaaSは多くのメリットから、パッケージ型のソフトウェアにとって代わる存在として普及しています。

SaaSを導入する主なメリットを3つ紹介します。

ソフトウェアをインストールする必要がない

SaaSでは、パッケージ型のようにソフトウェアをインストールする必要はありません。アカウントのユーザーIDとパスワードさえあれば、サービスにログインするだけで利用できます。ユーザーにとってインストール作業を省けるのは大きなメリットです。特に、大人数でソフトウェアを利用するようなビジネスシーンでは、インストール作業がないだけで大きな時間的ロスを回避できます。

また、インストールしなくても利用できるため、デバイス側のストレージ容量を要求しません。ストレージが小さいデバイスでも問題なく利用できます。限られたストレージを圧迫することもないため、デバイスの動作も安定するでしょう。

さらにマシントラブルの際もハードウェアとソフトウェアの場所が独立しているため、ソフトウェア自体やデータは無事です。もちろん、ソフトウェアを再インストールする必要もありません。

導入コストを削減できる

パッケージのソフトウェアは、料金を支払って購入する買い切り型でした。一方、SaaSの多くのは使った分だけ料金を支払う方式で提供されています。毎月料金を支払う月額制が一般的です。

一般的には、買い切り型のソフトウェアを一括購入するよりも、SaaSの方が導入時のコストを抑えられることが多いでしょう。もしも従業員の増減が激しいような現場でも、アカウント数を増減させれば無駄なコストが生まれにくくなります。

長期的なことを考えればコストが発生し続けるというデメリットもあります。しかし買い切り型のソフトウェアであっても最新のものを利用するには買い替えが必要なことを踏まえると、SaaSの方が最新のサービスをコストを抑えつつ利用できると言えるかもしれません。

ユーザー側での管理が不要

パッケージ型のソフトウェアの場合、インストールした後はユーザーが管理する必要がありました。例えば、最新バージョンへの更新やセキュリティ対策なども、パッケージ型のソフトウェアではユーザーの仕事です。ビジネスでソフトウェアを利用する場合、こうした管理を担当するシステム部門には大きな負担がかかります。

対してSaaSの場合、こうした管理業務を担当するのはソフトウェアを提供しているサーバー側です。クライアント側がアクセスした時点で、ソフトウェアは最新のバージョンになっており、セキュリティ対策も万全です。

基本的には、クライアント側がソフトウェアの管理を意識する必要はありません。

SaaS(サース、サーズ)で提供されているサービスの種類

SaaSは上述したように「サービスとしてのソフトウェア」です。
実際には、「ソフトウェア」という言葉の一般的な意味を超え、さまざまなサービスがSaaSとして提供されています。

SaaSとして提供されているサービスの例を紹介します。

OS・ミドルウェア

アプリケーションを管理・稼働させるOSも、SaaSのひとつと言えます。パソコンのデスクトップそのものがクラウドで提供されているようなイメージです。OSと各アプリケーションを連携するためのミドルウェアもSaaSとして提供されています。

OS・ミドルウェアは、言わばソフトウェアを起動させるための土台(プラットフォーム)です。そのため、SaaSとして提供されているこれらを指して「PaaS(Platform as a Service)」と呼ぶことがあります。

サーバー・ストレージ

サーバーやストレージも、SaaSの一種と言えるでしょう。データを格納するサービスそのものがクラウドサービスとして提供されている例も少なくありません。

サーバーやストレージは、「インフラ」に分類されます。これらSaaSとして提供されている場合、「IaaS(Infrastructure as a Service)」と呼ばれることがあります。

アプリケーション

それぞれ独自の機能・役割を持つアプリケーションもSaaSの一種です。

一般的なSaaSのイメージに最も近いのは、このアプリケーションかもしれません。