Webサイトを改善する際は、施策の成果や目標達成の状況を示す「KPI(Key Performance Indicator)」を設定することが重要です。KPIを設定すると、データをもとに成果を客観的に把握し、Webサイトの改善を効率的に進められます。

この記事では、顧客体験を向上させるために重要なWebサイト改善のKPIについて解説します。Webサイトの改善に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。

また、下記の資料では、Webサイトコンテンツの中でも特に「FAQ(よくある質問)」の改善について解説されています。ユーザーが商品やサービスに関する疑問点を自己解決できるようにFAQを改善したい方は、下記の資料も合わせてご覧ください。

目次

  1. 顧客体験の向上が重要な理由
  2. KPIを設定するメリット
  3. 顧客体験を高めるために重要なWebサイト改善のKPI
  4. KPIを設定してWebサイト上での顧客体験を改善しよう

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顧客体験の向上が重要な理由

まずは、Webサイトの改善による顧客体験の向上がなぜ重要かについてみていきましょう。顧客体験の向上が重要である主な理由は、次の2つです。

  • リードや新規顧客を効率的に獲得するため
  • 既存顧客のLTVを向上させるため

リードや新規顧客を効率的に獲得するため

ユーザーにとってより使いやすく、内容がわかりやすいWebサイトを作成することは、リード新規顧客の獲得につながります。

例えば、サービスに関する情報が詳しく解説されているBtoB向けのWebサイトでは、利用を検討しているユーザーの興味度を高め、サービス資料の請求を促すことが可能です。

また、複数の商品を扱っているECサイトなら、探している商品がすぐに見つかるように導線を改善することで、商品を購入してもらいやすくなります。

さらに、使いやすいWebサイトを作って顧客体験が向上すると、良い口コミや評判につながり、新規ユーザーの流入も期待できます。

既存顧客のLTVを向上させるため

顧客体験の向上が重要である2つ目の理由は、既存顧客のLTV(ライフタイムバリュー) を高めるためです。

LTVとは、繰り返し購入される商品やサービスなどに対して、顧客が支払う総額のことです。例えば、商品の定期購入やサブスクリプションサービスの継続、オプション購入などの回数が増えるほどLTVが高まります。

もし、Webサイトが使いにくい、わかりにくいなどの不満を感じられてしまうと、既存顧客が離脱するリスクがあります。離脱や解約を防ぎLTVを高めるためにはWebサイトの改善による顧客体験の向上が重要です。

KPIを設定するメリット

Webサイトの改善に取り組む際に、場当たり的に作業を進めてしまうと、なかなか成果につながらず効率的ではありません。

一方、あらかじめKPIを設定して改善に取り組むと、次の2つのメリットが得られます。

  • 改善すべきポイントが明確になる
  • 施策の成果を客観的に判断できる

改善すべきポイントが明確になる

KPIを設定し、Webサイトの現状をデータで確認すると、改善すべきポイントが明確になります。

例えば、BtoBサイトの資料請求ページからのリード獲得数を増やしたい場合に、そもそも資料請求ページへのアクセス数が少ないのか、あるいはアクセスはあるにもかかわらず資料請求に至っていないのかによって対策が異なります。

Webサイトの現状に合わせて、優先度の高い改善点を見つけられることが、KPIを設定するメリットです。

施策の成果を客観的に判断できる

KPIを設定しておくと、Webサイトの改善施策について、成果を客観的に判断できます。

例えばFAQ(よくある質問)のページへのリンクを追加した前後で、FAQページのアクセス数が増えていれば、有効な施策だったと考えられます。一方、特に変化が無ければ別の施策に取り組むといった判断が可能です。

このように、KPIを設定しておくことで成果を定量的に判断し、効率よく施策を進められます。

顧客体験を高めるために重要なWebサイト改善のKPI

Webサイトを改善し、顧客体験を高める際に役立つKPIには、いくつかの種類があります。

ここでは、訪問者の行動や商品購入・リード獲得など3つのカテゴリに分けて、主なKPIを紹介します。

訪問者の行動に関するKPI

Webサイトの訪問者がどのような行動をとっているかについてのKPIは次の通りです。

  • ページビュー数
  • 直帰率
  • ページ滞在時間

ページビュー数

ページビュー数は、あるページがユーザーによって何回見られたかを表す指標です。頻繁に見られているページほど、ページビュー数が多くなります。

Webサイト内のリンクが見つけにくい、デザインが目立たないなどの問題があると、アクセスして欲しいページページビュー数が少なくなります。そのため、ページビュー数の変化を確認しつつ、サイト内の導線を改善することが重要です。

あるWebサイトでは、FAQ(よくある質問)が利用されておらず、問い合わせ件数が多いという課題がありました。

ページビュー数の改善事例

出典:お問い合わせ対応で使える整理シートつき!FAQ運用で必要な4つのKPI

そこで、導線を変更し、FAQを必ず閲覧してから問い合わせページにアクセスするようにしたところ、FAQの利用が増え、問い合わせの削減に成功しています。

直帰率

直帰率とは、あるページにアクセスしたユーザーに対して、そのページだけをみてWebサイトから離脱したユーザーの割合を示す指標です。

例えば、あるページに100人のユーザーが訪問し、30人は次のページに進み、70人はそのまま離脱した場合、直帰率は70%となります。

もし、他のページにアクセスしてもらいたいにもかかわらず、直帰率が高くなってしまっている場合は、ページの内容やリンクの配置などを見直しましょう。

ただし、直帰率の目安はWebサイトの種類やページの内容などによって異なるため、同じページの直帰率を施策の前後で比較することがおすすめです。

ページ滞在時間

ページの滞在時間は、あるページにアクセスしたユーザーが、次のページにアクセスするまでに滞在した時間の長さを表します。

ページの内容を熟読しているユーザーが多いほど、ページ滞在時間も長くなることが一般的です。

商品購入・リード獲得に関するKPI

ECサイトでの商品購入や、BtoBサイトでのリード獲得などに関する主なKPIは次の通りです。

  • コンバージョン率
  • カゴ落ち率

コンバージョン率

コンバージョン」とは、資料請求や商品購入といったユーザーの行動を指します。そして、コンバージョン率とはWebサイトにアクセスしたユーザーの内、コンバージョンに至った割合を示す指標です。

例えば、資料請求ページに100件のアクセスがあり、5件の資料請求が獲得できた場合、コンバージョン率は5%となります。

特に、商品購入リード獲得などが目的のWebサイトでは、コンバージョン率をKPIとして改善に取り組むことが重要です。

カゴ落ち率

カゴ落ち率とは、主にECサイトのKPIとして使われる指標です。買い物カゴに商品を入れたユーザーの内、購入完了まで進まずに離脱した割合が、カゴ落ち率と呼ばれます。

例えば、100人のユーザーが買い物カゴに商品を入れたものの、30人は買わずに離脱してしまった場合、カゴ落ち率は30%です。

もし、カゴ落ち率が高い場合は、決済フォームが使いにくいなどの問題が考えられます。フォームの入力項目数を見直したり、自動入力機能を付けたりすることが主な対策です。

Webサイトの利便性に関するKPI

Webサイトの利便性に関する主なKPIは次の通りです。

  • ページ読み込み速度
  • サイト内検索の回数

ページ読み込み速度

ページ読み込み速度は、Webサイトにアクセスしたユーザーの端末で、画像やテキストなどが読み込まれるスピードを表す指標です。

Googleが提供する無料のツール「Google PageSpeed Insights」などで測定できます。

ページ読み込み速度が遅いと、ユーザーが離脱してしまうリスクがあるため、改善する必要があります。画像の容量を軽くすることや、ソースコードを適切に記述することなどが主な対策です。

サイト内検索の回数

サイト内検索の回数とは、Webサイト検索機能がついている場合に、検索が行われた回数を示す指標です。

もし、検索機能があるにもかかわらず、サイト内検索の回数が少ない場合には、ユーザーが検索機能に気付いていない可能性があります。

また、特定のキーワードでサイト内検索の回数が多い場合は、その内容についてのページが見つけにくい状態になっているかもしれません。必要に応じて、導線の改善などの施策を行いましょう。

KPIを設定してWebサイト上での顧客体験を改善しよう

Webサイトの改善によって顧客体験が向上すると、リードや新規顧客の獲得LTV向上などのメリットが期待できます。

今回ご紹介したKPIを参考に、ぜひ自社のWebサイトの現状を把握し、効率的に改善していきましょう。

また、顧客体験をどのように向上させたいかによって、Webサイトで改善すべきコンテンツは異なります。もし、商品やサービスの不明点をユーザーが自己解決できるようにしたい場合は、FAQコンテンツの改善が重要です。

下記の資料では、FAQの課題解決につながる4つのKPIKPIを改善する方法などが解説されています。FAQコンテンツの改善に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。

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