サイトリニューアルの要件定義は、プロジェクトを円滑に進める上で重要な役割を担っています。

ただ、サイトリニューアルの業務にまだ慣れていない方は、「要件定義の意味や重要性がよくわからない」「関係者間で調整が難航して要件定義が固まらない」などのお悩みではないでしょうか。

そこでこの記事では、サイトリニューアルに要件定義が必要な理由と要件定義の流れ、要件定義書に記載すべき項目について解説します。

目次

  1. サイトリニューアルにおける要件定義とは?
  2. サイトリニューアル時の要件定義の流れ
  3. サイトリニューアルの要件定義書に記載する11項目
  4. 要件定義でサイトリニューアル後の運用方法・体制も検討する
  5. サイトリニューアル後の修正・更新はCMSがおすすめ

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サイトリニューアルの【RFP】提案依頼書テンプレート。パワーポイント形式です。

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サイトリニューアルにおける要件定義とは?

サイトリニューアルの要件定義とは、Web担当者がシステム開発会社やWeb制作会社と連携して「リニューアルのコンセプト」「実装する機能・性能」「スケジュールや予算」などの要望や条件を取りまとめることです。

要件定義の範囲

サイトリニューアルの流れ フェーズ
1.課題整理
2.仮説立案
3.合意形成
4.要件定義書作成
要件定義フェーズ
5.設計
6.デザイン
7.ページ制作
8.CMS構築
9.データ・コンテンツ移行
10.動作確認
制作・開発フェーズ

サイトリニューアルは上記10ステップに分けることができ、このうち要件定義に該当するのは、課題整理から要件定義書作成までの範囲です。

要件定義の重要性

要件定義は、サイトリニューアルに求められる要望や条件を言語化し、関係者間でWeb戦略の方向性を共有するために重要です。

要件定義が曖昧だったり、決めるべきことが抜けていたりすると、制作・開発フェーズに突入してから「デザインを修正したい」「コンテンツの方向性を変えたい」など、さまざまな要望が頻発しやすくなります。

そうするとWeb担当者は新たな予算を算出して、スケジュールを組み直す作業に追われてしまいます。

このようなリスクを回避するためにも、解決したい課題を明確にしてから要件定義を行う必要があります。

▼サイトリニューアル時の重要なポイントは以下の記事でも解説しています。
https://ferret-plus.com/70651

サイトリニューアル時の要件定義の流れ

ここでは、サイトリニューアル時における要件定義の流れについて説明します。

リニューアルの目的と課題を整理する

サイトのアクセス解析や競合分析、関係部署や経営層へのヒアリングを通じて、サイトの課題を洗い出します。サイトの使いやすさや印象など、質的データを取得したい場合はユーザーアンケートを実施するとよいでしょう。

次に、洗い出した課題をUISEOコンテンツなどカテゴリに分けて整理します。

カテゴリ 課題(例)
UI ・デザインが古い
・情報が多すぎる
・操作性が悪い
・知りたい情報が見つけにくい
SEO 内部リンクが少ない
コンテンツが不足している
・更新頻度が遅い
コンテンツ ・重複コンテンツをまとめる
導線を見直す
・動画を活用する

これにより、サイトリニューアルの目的や改善ポイント、実装したい機能が明らかになります。予算とスケジュールの関係でアクションが限られる場合は、重要度と緊急度を踏まえての優先順位を付けましょう。

仮説を立ててリニューアルの方向性を検討する

課題から仮説を立てて、リニューアルの方向性を検討します。
ペルソナやカスタマージャーニーを作成して、「誰に」「何を」「どうしてもらう」のか目的から逆算して考えると、仮説が立てやすいでしょう。

たとえば「サービス紹介でどれが最適なプランなのかわかりにくい」という課題に対して、「具体的なメリットが打ち出せていないのではないか」「事例が少ないからではないか」という仮説を立てます。

こうした仮説をもとに「メリットを端的に伝えるデザインに変更する」「プラン選びの参考になる他社事例も配置する」といった、具体的なリニューアルの方向性が見出されやすくなります。

合意形成を図る

関係する部門と現状の課題やサイトリニューアルの目的(ゴール)を共有し、合意形成を図ります。

サイトリニューアルによって期待できる効果なども説明し、メンバー全員で共通認識を持つことが重要です。

よりメンバーの理解を深めるために、関係部署や経営層を巻き込んでワークショップを開催するのも良いでしょう。相互理解を深めることで、制作・開発フェーズで再検討が発生するリスクを減らします。

要件定義書を作成する

要件定義書の内容をまとめて文書化します。作り込んだ要件定義書は、別プロジェクトの企画書や提案依頼書としても活用できます。

▼ サイトリニューアルのRFPテンプレート

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サイトリニューアルの要件定義書に記載する11項目

ここからは、要件定義書に記載すべき11項目について解説します。

1.サイトリニューアルの背景

サイトリニューアルを行う背景をまとめます。

プロジェクトの規模が大きいと、何のためのリニューアルなのか把握しにくくなることがあります。誰が見ても原点に立ち戻れるように、「なぜリニューアルするのか?」「現状の課題は何か?」についてわかりやすく記載しておきましょう。

2.サイトリニューアル後のコンセプト

リニューアル後のサイトコンセプトを記載します。

サイトリニューアルによって、ユーザーにどんな価値を提供するのか、一目で理解できることが大切です。

たとえば「今すぐ実践できるマーケティング知識が身につくメディア」など、できるだけ端的なコンセプトが望ましいでしょう。

コンセプトによってキャッチコピーやデザインの配色、追加機能、追加コンテンツなどが定まりやすくなります。

3.KGI・KPI

サイトリニューアルの目的であるKGI(最終的な数値目標)・KPI(中間数値目標)を設定します。

両者を設定することで目的を具体的な数値で示すことができ、サイトリニューアルの成功点や問題点をチーム全体で共有しやすいメリットがあります。

たとえば、KGIに月間問い合わせ数○件、KPIに「アクセス数を1.1倍に増やし、CVRを1.2倍にする」という指標を設定したとします。

アクセス数はクリアしているのにCVRが未達の場合は、サイト導線を改善するなど次の施策を打ち出しやすくなります。

4.予算

サイトリニューアルの予算は、サイト規模や目的によって大幅に上下します。サイトリニューアルにかかる費用の内訳は以下の通りです。

  • ディレクション費
  • サイト設計費
  • デザイン費
  • コーディング費
  • コンテンツ・記事制作費
  • 動作確認・検証費

おおよその予算感をあらかじめWeb制作会社とシステム開発会社に伝えておくことで、どこまでリニューアルできるのかを把握しやすくなります。

5.スケジュール

公開日から逆算してスケジュールを作成します。発注者・Web制作会社・システム開発会社との綿密な打ち合わせが必要です。

6.プロジェクト体制

プロジェクトメンバーの役割を定義して、プロジェクト体制を明記します。この際、指示系統を表したプロジェクト体制図を作成すると分かりやすいでしょう。

プロジェクト体制を明確にしておかないと「この課題はどこのチームが対応するのか」「最終的にだれの指示に従えばいいのか」「プロジェクトの遅延は誰・どこの責任になるのか」など、数々のトラブルにつながります。

指示命令系統はなるべく1本化して、各領域の責任者が誰なのか一目でわかるようにしましょう。

7.サイトマップ

サイトマップとは、ページ構成を図式化したものです。サイトの全体像が可視化されるため、プロセスや作業量を俯瞰的に把握できるようになります。

ページコンテンツの役割を明確にし、不要なページは削除する、他のページと統合した方がよいものは1ページにまとめるといった調整を行いましょう。

サイトに訪れたユーザーが迷いなく目的のコンテンツに到達できるよう作成し、回遊率や滞在率を高めるため内部リンクも最適化します。

8.ワイヤーフレーム

ワイヤーフレームとは、サイトのレイアウトコンテンツの配置を表した簡易的な設計図のことです。発注者ではなく、Web制作会社が作成するのが一般的です。

ワイヤーフレームをもとに、各ページのデザインが実施されるため、この段階で共通認識が持てないと、後々の工程でトラブルや修正が多発しやすくなります。発注者・Web制作会社・システム開発会社で協議を重ねてリスクを回避しましょう。

9.サイト制作手法

サイトの制作手法についても明記します。

運用コストを抑えるのであれば、社内のメンバーでも簡単に更新・運用ができるCMSを導入しましょう。

CMSとは文字入力やドラッグ&ドロップなど、直感的な操作でWebサイトの編集ができるシステムのことです。

クラウド型CMSであれば、ほとんどの場合インフラ環境の保守・運用も提供元のベンダーが行ってくれます。

10.インフラ環境

ドメインやサーバーなどのインフラ環境についても明記します。

ドメインは新しく取得すると、ドメインパワーが0の状態で始めることになるため、既存のドメインを使う場合が多いでしょう。

サーバーに関しては、リニューアルを機に容量の大きい有料サーバーに切り替える場合もあります。

11.納品方法や納品物

納品方法と納品物を記載します。

タスクごとに納品物をリスト化し、納品方法と管理上のルールについても周知しましょう。

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要件定義でサイトリニューアル後の運用方法・体制も検討する

設定したKGIKPIを達成するために、要件定義の段階で運用方法と体制を検討しましょう。

サイトリニューアルはあくまで手段であり、重要なのはその後の運用です。コンテンツの修正やお知らせページの更新が発生したとき、毎回Web制作会社に依頼していては時間とコストがかかります。そのうち更新頻度も減ってしまうかもしれません。

「新着情報をこまめに更新したい」「余計なコストをかけたくない」「自社にWeb制作・運用改善のノウハウを蓄積したい」などの課題がある場合は、社内で運用できる体制を構築しましょう。

これからのサイトリニューアルはCMSがおすすめ

近年、あらゆるWebサイトの半数以上がCMSで作られています。
参考:ITトレンド
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