ディスカッション:ガンホー代表孫泰蔵氏・Rovio役員Peter Vesterbacka氏・ハックベンチャーズ マネージングパートナー校條 浩氏

こちらのセッションでは、ゲームアプリを開発するガンホーの孫氏をファシリテーターとして迎え、RovioのPeter氏と、多数の日米ベンチャー企業のアドバイザーとして活躍していた校條氏によるディスカッションが行われました。テーマは「シリコンバレーとヨーロッパ、そして日本におけるスタートアップのエコシステム」についてです。

経歴

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 代表取締役社長 孫泰蔵(そん たいぞう)氏

孫泰蔵氏
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1998年、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の前身となるオンセール株式会社の設立に参画し、代表取締役に就任。2002年に現行の社名に変更。同時に韓国のゲーム会社であるGravity社よりラグナロクオンラインの日本国内運営権を獲得し、PCオンラインゲーム運営事業を開始。2005年に株式上場を果たし、日本最大級のオンラインゲーム会社として展開。2011年、「2030年までにアジア版シリコンバレーのベンチャー生態系をつくる」として、スタートアップベンチャー育成のシードアクセラレーターをMOVIDA JAPAN内に設置。今後は国内外のベンチャー支援・育成に力を注ぎ、ベンチャーの活躍が、豊かな社会創造につながることを目指している。

Rovio Entertainment CMO Peter Vesterbacka氏

Peter Vesterbacka氏
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世界的大ヒットゲームアプリ「angrybird」を開発したRovio Entertainmentの最高マーケティング責任者であり、Slushの共同創立者。Rovio内での肩書は、angrybirdに登場するキャラクターの名前である「Mighty Eagle」。

ハックベンチャーズ マネージングパートナー 校條 浩(めんじょう ひろし)氏

校條 浩氏
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1980年代後半に、ボストン・コンサルティング・グループにて日本企業、欧米企 業への戦略コンサルティングに携わった後、1991年にシリコンバレーに移住し、米国のベンチャー企業の日本市場参入を支援。1995年からは、マッケン ナ・グループの日本企業グループを立ち上げ、日本の大手企業の新事業戦略をアドバイス。その間、講演・投稿・出版を通して、日本企業再生のためのシリコン バレーモデルの有効性を啓蒙。
2002年、NetService Ventures Group (NSVG)を シリコンバレーに設立。現在は日本の大手ハイテク企業への経営戦略コンサルティングと米国でのベンチャー・インキュベーション及びシード投資を組み合わ せ、「スピンイン」モデルを推進。

Slush開催への挑戦

Slush開催への挑戦
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孫氏:たくさんの起業家が世界中にいるが、エピセンターであるシリコンバレーのようなエコシステムを他の国々でも作れるはずです。フィンランド、ヘルシンキのように一般大衆化の動きがそこかしこで起こってますね。

Peter氏:2007年頃、学生に起業についてのアンケートをとったところ、散々たる結果だった。そこで友人と話して「何かしなければならない。」となった。いくつかの成功した起業家に声をかけ、スタートアップへの情熱の欠如をどうにかするためにSlushというイベントに出てくれないかと頼んだんです。
そして2008年の11月に2~300人を集めて開催しました。そこから、去年は14,000人集める規模にまで成長しました。今やヘルシンキの学生の半分が起業を志すまでに至りました。
シリコンバレーだけがイノベーションのモノポリーだということではなくて、こういった動きはヘルシンキでも、ここ東京だって大阪だって可能なんです

校條氏:東京の環境に文句を言う人もいるが、東京に比べたら大阪は砂漠のようなもので、起業家精神に関わるものなんて本当に何もないんです。そこで今年のはじめ大阪でハックイベントを開催しました。たくさんの人が協力してくれて、12,000人の起業家や投資家が集まるイベントを成功させました。