コンピテンシーの独自開発。5つの力でスーパーPRパーソンになれる

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ferret:アカデミーではどのようなことが学べるのでしょうか?

本田氏:先ほど「評価の物差しをつくる」と言いましたが、日本はPR後進国のため、「コンピテンシー」が確立されていないんです。コンピテンシーというのは、高い業績や成果をあげられる人に共通している特性のことを言います。今回このプロジェクトを実施するにあたり、コンピテンシーは絶対につくらなければいけないと思いました。そこで、日本のPRの第一線で活躍されている方とディスカッションさせていただき、さらに、パブリック・リレーションズやメディアなどを研究されている、広島市立大学の准教授・河炅珍(ハキョンジン)氏にも監修・協力をしていただいて、「SCALEコンピテンシー」をつくったんです。

コンピテンシーは5つの要素からなります。「マルチ憑依力」「背負い力」「見立て力」「ナラティブ力」「変動実行力」です。「マルチ憑依力」というのは、PRの仕事では、ステークホルダーをはじめさまざまな立場の人の気持ちを考えないといけません。メディアは何を考え何を求めているのか、また、有識者やインフルエンサーなど、一緒に仕事をする人も多岐にわたります。優れたPRパーソンはそれぞれの立場に「憑依」できるんです。次の「背負い力」は、いわばスポークスパーソンとしての素養です。広報担当者やPRパーソンは常に何かを背負う代弁者です。それは、企業であったりクライアントであったり、ブランドであったりいろいろです。優秀な人になると、PR主体の「分身」のようになります。今企業が発信したいことはこういうことだろうとか、社長ならこう回答するだろうとか分かるようになってくる。

その次の「見立て力」は、社会的なトレンドや時流を見抜く力を指します。経営者が世の中に何かを発信する際、それが最適なタイミングなのか否かをPRパーソンは判断できないとダメです。4つ目の「ナラティブ力」というのは語る力のことを言います。どうやって情報を発信するかというストーリーテリング力が必要になってくると同時に、編集力も必要ですね。ただ単に情報発信するだけでは意味がありませんから。最後に「変動実行力」。PRの仕事というのは変化が付きまとうため、変化の中でいかに物事を実行していけるかということです。この5つの力を身につけられると、スーパーPRパーソンになることができます。

フレキシブルチーミングの理想形。本田氏の新たなる挑戦

ferret:「SCALE Powered by PR」を通じて本田さんが描くビジョンとはどのようなものなのでしょうか?

本田氏:日本では本来のPRがまだまだ活用できていません。PRを通して解決する問題や成功する事例がまだまだあると確信しています。それは企業のIPOであったり、国家的なイベントであったり、さまざまなことに通用します。だからPowered by PRと称しているんです。

また独立したときの想いにもつながるのですが、私はクライアントごとに最適なチームを組むフレキシブルチーミングを実行していくことを考えていました。そして今後このフレキシブルチーミングは企業にとっても重要になると思うんです。企業が案件ごとにフリーランスのPRパーソンを起用して一定期間仕事を一緒に行うと、双方がインスパイアされる状態になります。私としては、SCALEは独立したときの想いの一つの具現化ですね。フレキシブルチーミングを一つの事業としてやり始めるということです。

さらに、今まで日本にはPRのスクールやリクルーティングのためのエージェンシーは個々にありました。しかし、コンピテンシーの作成を含めて総合的に行っているところはありませんでした。日本で初めてとなるプロジェクトなので、新たなチャレンジとして活動していきたいですね。

ferret:ありがとうございました。

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000043585.html