若者を中心に人気のショートムービーアプリ「TikTok」は、2018年7月時点で世界の月間アクティブユーザー数5億人、2019年2月には国内の月間アクティブユーザー数950万人を記録しました。

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そんな著しく成長しているTikTokで、新たにEC機能のテストが開始されました。本記事ではEC機能テストの概要と、今後のTikTokのソーシャルコマースの活用について解説します。

TikTokのEC機能とは

TikTokを経由してECサイトなどへ誘導するコンテンツといえば、今までは広告のみでした。そこにテストとして、一部ユーザーに限り新たにEC機能が追加されたのです。このEC機能とは、TikTokに投稿された動画コンテンツからECサイトに直接移動できる機能です。

中国版TikTok「Douyin(抖音)」では、2018年3月より中国のECサイト「タオバオ」との連携がスタート。アパレルを中心としたさまざまなアイテムが出品され、企業の売上アップに貢献しました。

さらに同年6月には100万以上のフォロワーを持つインフルエンサーのプロフィールページにタオバオへのリンクを設定できる「ショッピングカート機能」を追加。そして12月、一般ユーザーにもショッピングカート機能が実装され、徐々にソーシャルコマースを拡大しています。

これらは、すでにInstagramで導入されているショッピング機能「Shop Now」と同様の機能です。TikTokの場合、以下の3つのメニューがプロフィールページや動画コンテンツに表示され、タップすることでECページに移動、そして商品の購入ができます。

  • 商品ウィンドウ
  • ビデオショッピング
  • ライブショッピング

日本のユーザーではまだ未実装ですが、スタートアップ企業Uplab社の創業者であるファビアン・ベルン氏のツイートの動画により、EC機能の概要が紹介されています。

EC機能のテスト成果

EC機能が追加されると、Alibabaをはじめ多くのユーザーがこのEC機能を活用しています。2018年11月11日の「独身の日」に行われた大型セールでは、1日で10万アイテムが販売され、約3000万ドル(約32億円)を売り上げました。

参考:TikTok's Chinese version opens shopping cart feature

これはあくまでEC機能のテストが実施されている約6万人のユーザーによる成果です。TikTokの世界のユーザー数は約5億人を超えているため、本格的にEC機能が実装されれば、より多くの売上貢献となりそうです。