2020年1月28日・29日に東京ビッグサイト青海展示棟にて、国内最大級のマーケティング担当者向けイベント「マーケティング・テクノロジーフェア 東京 2020」が開催されました。

本講演では、SATORI株式会社が運営するMA(マーケティングオートメーション)「SATORI」を実際に運用している2社を招いて、MA導入時によくある質問や注意点について経験談を交えてセッションが行われました。これから導入を検討する方やすでに運用されていて壁にぶつかっている方に向けて、参考になる内容盛り沢山のセッションを<前編><後編>に分けてレポートします。

プロフィール

株式会社サイトビジット マーケティングマーケティンググループ マネージャー 野村 林太郎 氏
MA利用歴2年。 株式会社パセリに入社し、プログラマーやCMSプリセールス、カスタマーサクセス、SEM等を幅広く経験。その後、人材ベンチャーにて中途人材紹介事業の集客責任者、レコメンドエンジン開発企業にて、コンサルタントを経て、2018年、オンライン学習サービス「資格スクエア」をメインに人材サービス「LEGAL ENGINE」、電子契約サービス「NINJASIGN」を運営している、サイトビジット入社。

株式会社ギブリー 執行役員 吉田 将輝 氏
MA利用歴3年。 2012年、老舗リサーチ会社に入社し、マーケティングリサーチャーとして、商品開発やブランド戦略などに携わる。2014年、マーケティングリサーチ事業を行う、株式会社アレンジベースを創業し、代表取締役COOに就任。その後、2016年に、チャットボット型のマーケティングツール「SYNALIO」をはじめ、BtoB向けのSaaSプロダクトを展開する株式会社ギブリーにジョイン。2017年1月に執行役員に就任。現在は、事業部横断型のマーケティング組織を統括し、マーケティングと経営企画の責任者を務める。

SATORI株式会社 マーケティング営業部 カスタマーサクセスグループ 中曽根 有樹 氏
医療メーカーのCSを経て、2018年4月より国産マーケティングツールの開発と販売を行うSATORIに参画。現在は、SATORIのカスタマーサクセス・フィールドサポートグループのリーダーとして、日々お客様の課題解決に取り組んでいる。

Q1.MAを導入した理由は?

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■野村 林太郎 氏

「業務効率化」と「属人化された作業」の自動化

野村氏:MAを導入した理由は、「業務効率化」が一番にあげられます。あとは、属人化している作業をMAを使って解決したかった。

中曽根氏:「属人化された作業」というのは具体的には?

野村氏:弊社のe-ラーニングの学習サイト「資格スクエア」では、複数の資格を扱っており、それぞれに担当がついてるんです。人がいるチームでは定期的にメールを送る事が可能なんですが、一人で複数担当を持っていた時に、どうしてもメルマガ配信の抜け漏れなどが発生してしまう状況がありました。

中曽根氏:このタイミングで送るってところで抜けちゃったり?

野村氏:そうですね。ルーチンワークに落とし込めておければいいんですが、複数のプロダクトを抱えていた場合に、どうしても業務の優先度が下がってしまっていました。MAを導入する前は一斉のメール配信ツールを使っていたのですが、MA導入により漏れをなくしたいというのが一番の理由でした。

中曽根氏:MAのシナリオ機能を使って、タグが付いたら自動的にメールを送るなど、そういった設定を作っておくことで、漏れなく自動化できるっていうイメージですね。

インバウンドの構築や再設計のため

吉田氏:弊社の場合は、既存事業ではなく新規事業の立ち上げの際に導入しました。

エンジニアのスキルを見極めるテストツールなんですが、3年前にIVS(Infinity Ventures Summit、スタートアップビジネスの大きなカンファレンス)で、その中の「IVS LaunchPad(ローンチパッド)」という今後伸びる新プロダクトをプレゼンする場があり、そこにファイナリストとして出場したという経緯がまず大きなきっかけとしてありました。会社としては、本格的に事業を立ち上げて、しっかりと営業をつけて売っていこうという段階でした。

ただ、プロダクトの性質として、エンジニア採用の面接時に人事だけでスキルを見極められないため、普段はエンジニアの方も面接に入るんですが、工数がとられるため、もっと簡単にしたいという思いを解決するプロダクトになっているんですよ。なので、採用人数が多くないと、我々のプロダクトはバリューが発揮しづらいので、なかなか受注に至らない…。

最初は大手企業さん中心に、アカウント開けてもらうためにアウトバウンド営業をしたり、LPを作り広告を回したりしたのですが、全然リードがとれませんでした。当時は会社として8、9年目のタイミングで、以前より溜まっていた名刺情報は2000件くらいありましたが、数があるだけでしたね。
そこで、しっかりインバウンドの構築や再設計をしていくため、一番最初のインフラとしてMAを入れました。

導入する前の段階で、現状の課題を明確に

中曽根氏:何となくマーケティング全体をMAでやってみよう、ではなく、まずは「現状のどの部分をMAで解決したいのか」しっかりと最初に目的をフォーカスしてから導入した方が、成果に繋がっていくんですね。

Q2.MAは誰でも使いこなせるのか?

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■吉田 将輝 氏

一部MAに頼る場合、初期設定さえ終われば片手間フェーズに

野村氏:僕の場合ですと、toC向けのWeb広告コンテンツ作成と併行してMAを担当しています。当初の目的は現状だと達成できていて、ステップメールのようなものが自動化されており、そこはほぼノータッチで動かせています。

中曽根氏:MAに頼る部分をある一部にフォーカスしているのであれば、ある程度は他の仕事との併行運用もできる、ということですね。

野村氏:そうですね。なので導入当初の目的は達成してるんですが、使いこなすというところまでは至ってなくて、データが溜まってきた時に、こんな事もっとやりたい!というのが出てきた時が大変だなと。

どちらかというと、メニューを下におく感じで、やりたい事をどうするかって組み立てる方が時間がかかる。そこの初期設計さえ終わってしまえば、片手間フェーズに入る、というイメージです。

中曽根氏:最初にしっかりと準備、どういう事をやるか設計をしていれば、導入して放っておける、と。

野村氏:そこまで乗せることが一つの「使いこなし」というか。熟練度が上がっていけば、溜まったデータ分析で、もっとPDCAを回したりできると思います。

最初の3カ月に設定やチューニングに注力しておけば、そのあとは片手間でOK

吉田氏:事業立ち上げ時は、MA専属担当はおらず、私ともう一人専任者の2人で、私も0.5ほどしか工数を割けず、1.5人でマーケティング全てを行うという状態でした。リード獲得の施策はとにかく全部やりました。

初期の3カ月ほどはMAの設定やチューニングをしており、最近では何か課題があれば設定を追加したりしています。

最初に準備期間を作ることが大事

中曽根氏:2社の共通するところは、「最初の3カ月間にしっかり準備があった」ところ。最初の準備期間にある程度作り込んでおけば、その後は何か他の業務をやりながらでも運用は可能であるという事ですね。

Q3.マーケティングの知識はどの程度必要か?

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■中曽根 有樹 氏

マニュアルやユーザー会を上手く利用する

野村氏:MAと繋がるのってWebマーケティングだと思うのですが、Webマーケティングの知識が全くない0ベースの人は結構大変なのでは?と思う部分はあります。

ただ、目的に紐づく作業は、完全にツールの使い方なので、SATORIさんではマニュアルを作ったり、ユーザー会をされているので、そういったものを上手く使えば、MA自体が動かせる状態にはなると思います。

中曽根氏:マーケティングというよりは、「メールマーケティングをしたい」などある程度目的を決めて、その設定作業であればマニュアルもあるので、できるという事ですね。

他社事例を真似ればOK

吉田氏:私自身も元々マーケティングリサーチという、マーケティングの中でも少し特異な部分を担っていたので、(マーケティングの知識は)あるに越した事はないと思います。

実際にBtoBの事業会社のマーケティングを回すのは初めてでしたが、SATORIさんの事例や、他のユーザーさんの事例を聞いたりしていました。正直なところ、最初何やったか?というと、ひたすらSATORIさんの事例を真似ていました。

最初の立ち上げフェーズであれば、成果を上げられるんじゃないかなと。結論を言うと、知識はあるに越した事はないけど、なくても(他者事例を)真似ながらやっていけば何とかなるんじゃないかと思います。

マーケティングの知識はなくても自社に合ったサポート体制のあるMAツールを選べばOK

中曽根氏:恐らくこれから初めてマーケティングを始める方もいらっしゃると思うんですが、(SATORIをはじめ)それぞれのMAツールは、色々な事例を紹介しています。

吉田さんのお話にもありましたが、事例を見ながら自分たちのマーケティング活動でやれそうなところ、やりたいなと思うところを真似て、設定をしていくことから始めるのも一つの手だと思います。

私たちも色々な会社様をサポートしていて、「何から始めたらいいですか?」や、「次はどんな施策を行ったらいいですか?」など質問を頂いた時には、自分達の事例をお話させていただいてます。初心者の方は、なるべく基本からマーケティングのアドバイスをしてくれるツールを選んでいただくのが良いかと思います。

後編はこちらからご覧ください。