新型コロナウイルスの影響を受けて、対面での営業が難しくなった昨今。Web接客ツールを導入することで「Web上での販売」に注力し、売上を伸ばそうと考えている企業も増えてきています。

この記事では、これからWeb接客ツールを導入しようと考えている担当者向けに、すでにツールを導入して成功している企業の事例を3つ紹介します。ぜひ自社と照らし合わせながら、導入を検討してみてください。

Web接客ツールを活用する理由

まずは、「Web接客ツールとは何なのか」「なぜ注目を集めているのか」について解説します。

Web接客ツールとは、WebサイトやECサイトに追加機能を搭載するためのツールです。追加する機能はさまざまですが、Web接客ツールの共通点は「Web上でお客さまにおもてなしをする」ということ。

最適なタイミングでポップアップを表示したり、チャット画面を表示して不明点や疑問点を解消したりといった機能を追加して、サイトを訪れた顧客の満足度を向上させ、コンバージョンの向上に役立てるのが基本的なWeb接客ツールの役割です。

コロナショックによって対面での営業が難しくなったことを受け、Web上での販売に注力しようと考える企業が増えた結果、Web接客ツールに注目が集まっているという背景があります。

しかし、数多くのツールが存在し、ツールごとに特徴もバラバラなので、どのツールを導入するのが良いかわからないという方も少なくないでしょう。ここからは、実際にWeb接客ツールを導入した企業の事例を紹介し、Web接客ツールのメリットや活用方法を解説していきます。

Web接客ツールの活用事例を3つ紹介

この記事では、以下の3つの活用事例を紹介していきます。

ecコンシェル

Sprocket

CODE Marketing Cloud

初月からコンバージョン率が200%増加|ecコンシェル

【導入したツール】
ecコンシェル

【導入企業の業態】
通信販売・ECサイト販売

【導入前の課題と導入後の効果】
ecコンシェルは、サービス名の通りECサイトと相性がよいWeb接客ツールです。大手通販サイト「Shop Japan」を運営する株式会社オークローンマーケティングは、ECコンシェルを導入し初月からCVR(コンバージョン率)を200%も増加させています。

もともと別のWeb接客ツールを導入していた同社でしたが、使い方が難しく、なかなか使いこなせずにいました。別のツールと並行して導入したecコンシェルは、マニュアルを見なくても使えるほどに扱いやすく、購入単価のアップにも成功。

Webマーケティングでは基本となっている効果測定についても自動的に対応されており、効果的な施策は継続し、効果のない施策は減らす、といった機能が搭載されているのも嬉しいポイントでした。

今後は、Web接客ツールを用いて取得したデータをもとに、さらなる最適化を進めていくとのこと。こうした顧客データの取得にも活かせるのがWeb接客ツールのもう一つのメリットでもあるのです。

参考:株式会社オークローンマーケティング様 ecコンシェル導入事例インタビュー

Webサイト上の案内を最適化しCVRが160%増加|Sprocket

【導入したツール】
Sprocket

【導入企業の業態】
女性用下着メーカー

【導入前の課題と導入後の効果】
Sprocketは、「ベテラン店員の接客をオンライン」というテーマを掲げてオンライン上でのWeb接客に力を注いでいます。Web接客ツールとしての基本的な機能を搭載した上で、同サービスの特徴は様々な「シナリオ」を用意しており、そのシナリオに合わせて最適なWeb接客を実施できるというもの。

女性用下着を展開する株式会社ワコールでは、導入直後から「商品を探している人を案内し、欲しい商品に導く」「カートに商品を入れた人に返品や在庫状況をお知らせ」という2つのシナリオを導入し、適切なアプローチを行いました。

前者のシナリオに対しては、ガイドを表示して顧客の迷いを解消しつつ、購入まで案内してあげるような機能を活用。後者のシナリオについては、「購入後にサイズが合わなかった場合のアフターフォロー」をお知らせすることで購入時の不安を払拭し、レジ前でのひと押しを実現させています。

これらの施策が功を奏し、CVRは160%増加。Web接客ツールの特徴とサイトの課題がマッチすれば、このようなメリットが生まれるのです。

参考: 複数シナリオを実施、コンバージョン率は最大166%に 株式会社ワコール様 導入事例

Web接客ツールで離脱率が前年の半分以下に!|CODE Marketing Cloud

【導入したツール】
CODE Marketing Cloud

【導入企業の業態】
幼児教育・教材販売

【導入前の課題と導入後の効果】
CODE Marketing Cloudは、誰でも簡単に、すぐに使えるツールとして人気を博しています。株式会社ベネッセコーポレーションは、幼児向けの英語教材サービスである「Worldwide Kids」のWebサイト上でCODE Marketing Cloudを導入し、サイト離脱率を半分以下にまで改善させています。

行った施策の中でも効果が高かったのは、「プレゼント訴求のポップアップ表示」「無料プレゼント応募促進のランディングページでの離脱防止」「資料請求フォームからの離脱ユーザーへのお声掛け」の3つでした。

1つめの施策は、「おうちで英語体験」というページへ訪れたユーザーに対してプレゼント企画のお知らせを行い、それをフックとして「おうちで英語体験」に申し込んでもらう、というものです。これが成功し、申し込み者数は増加しました。

2つめの施策は、プレゼント応募の広告からLPへ訪れた顧客に対し、「お客様の声」というページへ誘導するというもの。LPから離脱してしまう層に対してお客様の声で信頼感をアピールし、コンバージョンへ繋げようという施策でした。これによってサービスのイメージがつかみやすくなり、資料請求の数が増加します。

3つめの施策は、資料請求ページまで訪れた購買意欲の高い顧客に対して「1分で入力完了」といった情報を提示し、最後のひと押しをすることで申し込みの数を増加させるもの。

これらの施策がサイト内で上手く働き、離脱率は導入から1年で前年の半分以下にまで改善されました。

参考:幼児向けの英語教材サービスサイトに導入、離脱率が前年の半分に