サイト運営をしていると、アクセス解析のようなタグ埋め込みが必要なツールを活用する機会は多くなります。

しかし、計測タグを1ページずつページに直接埋め込んでいくと、仕様変更の際にページの数だけタグの差し替えをしなければならい。という煩わしい作業が発生してしまいます。

このような問題を解決してくれるのがタグマネージャです。
今回は、Googleが提供するタグマネージメントツールのGoogleタグマネージャGTM)について解説します。

目次

  1. Googleタグマネージャー(GTM)でどんな問題が解決できる?
  2. Googleタグマネージャー(GTM)とは?
  3. Googleタグマネージャーを導入するメリット
  4. Googleタグマネージャー(GTM)の使い方
  5. Googleタグマネージャ(GTM)を導入してタグの管理を効率化しよう

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Googleタグマネージャー(GTM)とは?アナリティクスとの連携方法や使い方を解説

Googleタグマネージャー(GTM)とは?アナリティクスとの連携方法や使い方を解説

これから“BtoBマーケティング”を本格的に行いたいという方向けに、マーケティングの戦略設計や各種施策のノウハウを網羅した資料です。

1. Googleタグマネージャー(GTM)でどんな問題が解決できる?

サイト担当の皆様、日々の業務でこんな問題はありませんか?

 ・タグを貼る度に、別の部署や制作会社に依頼しなければならない
 ・ 一つのサイトに様々なツールのタグが混在してカオス
 ・ どこにどのタグが記述されているか、把握しきれない
 ・複数人でサイトの管理しているので、最新状況が把握しきれない

タグマネージャーを導入することで、これらの問題が解決できます。
CTAの効果計測広告配信設定外部ツールとの連携チャットポット設置の際など、サイト運用上でタグを使うシーンは数多くありますので、サイト運用にはタグマネージャを導入しておくのが基本と考えて良いと思います。

2. Googleタグマネージャー(GTM)とは?

画像2-1_GTM公式サイト.png

出典:Googleタグマネージャ

まずはGoogleタグマネージャーについて解説します。ツールを導入しようにも、どのような特徴を持つツールかを知らなければ、イメージも難しいでしょう。そこで、主な機能や他のタグ管理ツールとの違いについて紹介します。

タグの一元管理・更新ができるツール

Googleタグマネージャ(google tag manager)とは、Googleが提供するツールで、様々なタグを一元管理タグマネージメント)できるのが大きな特徴です。「GTM」の略称で呼ばれることもあります。無料で提供されており、誰でも使えます。

●HTMLの変更不要だから自分で設置できる

Googleタグマネージャのタグページに設置し、管理画面にGoogleアナリティクスやGoogle広告などのタグを登録すると、HTMLの変更を行わずとも、管理画面内でタグの変更や更新などが可能です。

タグの変更を管理者や開発担当者に依頼しなければ出来なかったというケースはよくありますが、Googleタグマネージャを使えば、HTMLの変更が必要ないので自分でタグの設置ができます。

Yahoo!タグマネージャーとの違い

タグ管理ツールには、Googleタグマネージャー以外のものも存在します。Yahoo!が提供する「Yahoo!タグマネージャー」はその代表格といえるツールの1つです。今回はYahoo!タグマネージャーとの比較を通して、違いにクローズアップしていきます。

●利用できる条件の違い

まずは導入方法についてです。Yahoo!のタグマネージャーを使用するためには、Yahoo!プロモーション広告を出稿していることが条件となります。無料で活用はできますが、参照権限のみの場合利用できないので注意しましょう。アカウントを作成していれば利用できるGoogleに比べて、多少利用にハードルを感じる仕様です。

●対応しているタグの違い

またYahoo!とGoogleタグマネージャーでは、対応しているタグが異なります。Google系のサービスを主に活用するのであれば「Googleのもの」を。その他のサービスがメインなら「Yahoo!のもの」を活用するとよいでしょう。タグの対応種類にも違いがあり、Yahoo!は「200種類以上」、*Googleは「80種類」*となっています。

しかし、これらの情報はあくまで指標の1つです。ツールによって特徴が異なるため、目的によって適したものを選ぶ必要があるでしょう。

3. Googleタグマネージャーを導入するメリット

Googleタグマネージャを導入するメリットとしては何があるのでしょうか。大きく分けて次の4つが挙げられます。

 ・ HTML編集が不要なので、タグの設置が自分でできる
 ・公開前にプレビューで動作確認ができる
 ・バージョンを戻すことができるので。トラブル時も迅速に対応
 ・ 多くのタグ管理や、複数人での運用がしやすい

1. HTML編集が不要なのでタグの設置が自分でできる

前述したとおり、Googleタグマネージャを使うと、管理者や開発担当者に依頼することなく自分でタグをソースに埋め込めます

今までサービスごとに発行されたタグは、それぞれページHTMLコードの中に書いていく必要がありました。しかしGoogleタグマネージャを使うと、タグマネージャ管理画面に入力して保存すればページのソースに反映されます。

2. 公開前にプレビューで動作確認ができる

GTMのプレビュー画面.png

Googleタグマネージャーには、設定内容の動作を確認用できるプレビューモードがあります。
せっかく施策をしても計測が正しく取れないと正しい効果検証ができませんが、プレビューモードでテストできるので安心です。
正しく動作している場合はそのまま公開ボタンを押すと、実際のページに反映されます。

3. バージョンを戻すことができるのでトラブル時も迅速に対応

GTMのバージョン管理画面.png
Googleタグマネージャではバージョン管理ができます。バージョンとは、いつ更新されたか、何番目に公開されたかを示すものです。この機能があることで、現在公開中のバージョンになにかトラブルが起きた際、トラブル前の状態にすぐに戻すことができます。

Googleタグマネージャで新しく変更を加えると、自動的に新しいバージョンが作成され、途中で編集を止めても続きから編集することが可能です。

4. 多くのタグ管理や、複数人での運用がしやすい

タグ設置が増えてくると、どのタグがどのページに埋め込まれているのか分からなくなります。また、タグの設置漏れなども発生してしまいます。

しかし、Googleタグマネージャを使うと、

タグを全てのページに一気に設置できたり
どのタグを埋め込んでいるのかもわかりやすく管理できます。

特に複数人で運用する場合は、状態が可視化できて便利です。

4. Googleタグマネージャー(GTM)の使い方

ここではGoogleタグマネージャーを使って、Googleアナリティクスのタグを設置してみます。

1.アカウントの設定

まずは、アカウントの設定方法について具体的に画像を交えて紹介していきます。これからタグマネージャーを導入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

❶ Googleタグマネージャー(GTM)にログインする

Googleタグマネージャ公式サイトの画面右上にある「タグマネージャーにログイン」を選択します。
→Googleタグマネージャ公式サイト

❷ 新しいアカウントを作成する

GTM新規アカウント作成画面

Googleタグマネージャを始めるには、アカウントを作成する必要があります。アカウント名はあとからでも変更ができるので、分かりやすい名前を付けておきましょう。入力が終わったら「続行」をクリックします。

❸ コンテナを設定する

GTMコンテナ設定画面

アカウントの設定が終わると、コンテナの設定に移ります。コンテナとは、Googleタグマネージャにおける管理の箱を意味します。コンテナを設置すれば、その中で自由にタグの出し入れが可能になります。

分かりやすいコンテナ名を入力し、コンテナの使用場所を選択します。Webサイトに設置したいので、「ウェブ」を選択します。「iOS」と「Android」はアプリ用、「AMP」はAMPページ用になります。作成を押すと、利用規約が表示されるので同意すると次の画面へ移動します。

❹ タグを取得し、ページに埋め込む

GTMタグ取得仮面

表示されたコードを、ページに全て指示どおり埋め込むとGoogleタグマネージャが使えるようになります。

2.Googleアナリティクスのタグの追加

アカウントの作成が完了したら、次は実際にタグの設定です。ツールを上手に使うための基本事項となっているので、1つ1つ確認していってください。前項と同様に画像を活用して説明しているので、役立ててもらえれば幸いです。

❶ コンテナにタグを追加する

GTM新しいタグを追加.png

ワークスペース > サマリー > 新しいタグを追加を選択すると、下記画面が表示されます。

GTMタグの設定画面.png

赤枠の部分に分かりやすいタグを付け、タグの設定をします。

GTMタグ詳細設定.png

トラッキングタイプは「ページビュー」、Google アナリティクス設定はデフォルトのまま、「このタグでオーバーライド設定を有効にする」にチェックをつけます。トラッキングIDを入力するフィールドが表示されますので、そこにGoogle アナリティクスのトラッキングIDを入力します。

トラッキングIDはGoogle アナリティクスの管理画面から確認できる*「UA-」から始まるID*です。

GAトラッキングID画面.png

トラッキングIDを確認すすには、*Google アナリティクスの「管理」*から該当のプロパティを選択し、「トラッキング情報> トラッキングコード」に「UA-」のIDが表示されています。

❷トリガーを設定する

上記で設定したタグが発動する条件を「トリガー」と言います。
「トリガーの設定」エリアをクリックすると登録したいトリガーの種類を選択できます。

GAトリガー設定画面.png

今回の場合、ページビュー計測タグを『全ページで』配信したいので、「すべてのページビュー」を選択します。

これでタグの設定は完了です。

3.タグを公開する

タグの設定ができたら実際にタグを公開していきます。より実践的な内容となっているので、最後まで確実に習得しましょう。ここまで完璧になれば、タグマネージャーを問題なく活用できます。

❶ プレビューモードで正しく実装されている確認する

GTMプレビューモードのボタン.png

画面右上の「プレビュー」を選択すると、Google Tag Assistantのウィンドウが開きます。

Google Tag Assistantの画面.png

Your Website URLの欄に対象ページURLを入力し、Connectボタンをクリックすると別ウィンドウで対象サイトが開きます。

GTMレビュー画面.png

サイトの右下にTag Assistantのウィンドウが出ますので、ここをクリックします。

画像4-3-14_発動確認.png

Tag Assistantの画面に戻ってみると、タグが正しく発動していれば「Tags Fired」の箇所に該当のタグが表示されます。
先ほど設定した「GA-Tag」が発動していることがわかります。

❷ タグを公開する

image4.jpg

発動していることを確認したら、管理画面に戻り、プレビューモードを終了し、公開ボタンを押すことで実際のページタグが反映されます。

❸ Googleアナリティクスでアクセスを確認する

GAでタグが正しく計測されているか確認する

タグを公開したら、Googleアナリティクスのリアルタイム解析で確認します。
タグを埋め込んだページに自分でアクセスし、グラフが動いていれば問題ありません。

Googleタグマネージャ(GTM)を導入してタグの管理を効率化しよう

今回は、Googleタグマネージャの基礎から実際にGoogle アナリティクスのタグを埋め込むまでを解説しました。導入に手間は掛かりますが、タグ管理が煩雑になっているのであれば、ぜひおすすめしたいツールです。

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