ECサイトと連動。顧客満足度を高め続ける店舗「FABRIC TOKYO」

「FABRIC TOKYO(ファブリックトーキョー)」はオーダースーツ中心のD2Cブランド。大手企業もしのぎを削るアパレルのD2C領域で、先駆者として成長を続けています。「オーダースーツの民主化」をスローガンにし、リーズナブルながら顧客一人ひとりに合ったオーダースーツの提供を実現しました。

従来のアパレルブランドは、新作を展示会でお披露目してから小売店など卸先とやり取りするのが一般的でしたが、D2Cブランドの台頭により顧客に直接届けることが可能になりました。FABRIC TOKYO代表の森さんは「企業から顧客へ情報が届くのではなく、顧客から企業に情報が逆流するようになった」と述べています。

顧客に直接リアルな情報を届けるべく、FABRIC TOKYOはショールーム型の実店舗を設け、採寸や商品提案を行っています。D2Cは先行投資額が大きく、リピーターがいなければ費用を回収できません。購入はECサイトに特化させながらも、実店舗での体験価値を高めてリピーターを創出しています。

渋谷の店舗には無人カウンターオーダーを設置し、初回だけ採寸してサイズ情報を登録すれば、2回目以降はワンタップで商品を注文できるようにしました。忙しいビジネスパーソンも空き時間に来店し、自分にぴったりのビジネスウェアを購入できます。無駄足にならないためリピート率は高いとのこと。店舗で実物を確認でき、ECサイトのようにワンタップで購入できるという、オフラインとオフラインの強みを両方生かしたモデルです。

実店舗での顧客満足度を高める取り組みにも余念がありません。採寸したデータはクラウドに保存し、ECサイトからいつでもオーダースーツを購入できるようにしています。また、来店直後、購入直後、商品到着後の着用直後の3回にわたりアンケートを行い、顧客満足度をチェック。商品やサービスの改善につなげています。さらに、会員制ファンクラブのイベントを開催し、新作の披露をしたりファンと交流したりして顧客理解を深めています。

このように、実店舗とECサイトの両方を活用することにより、顧客とのエンゲージメントを高めて良好な関係を築きながら、スピーディーで利便性が高い買い物体験を提供できます。オンライン・オフライン相互の強みを生かせば、リピート率やLTV(顧客生涯価値)を高められるでしょう。

顧客との接点を持ち、長期的な関係を作らないと生き残れない

たくさんのブランドがあるなかで選ばれるには、顧客とのエンゲージメントを高め長期的な関係を築かなければなりません。D2Cで直接のつながりを持ちながら、実店舗で体験価値を提供して好印象を残し、常に顧客満足度を高める取り組みをし続けることが、競合にのまれず成長し続ける条件だと言えるでしょう。

▼参考
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